一番線に謎が到着します 若き鉄道員・夏目壮太の日常 (幻冬舎文庫)

著者 : 二宮敦人

• 幻冬舎 (2015年5月13日発売)

作品紹介・あらすじ

郊外を走る蛍川鉄道の藤乃沢駅。若き鉄道員・夏目壮太の日常は、重大な忘れ物や幽霊の噂などで目まぐるしい。半人前だが冷静沈着な壮太は、個性的な同僚たちと次々にトラブルを解決。そんなある日、大雪で車両が孤立。老人や病人も乗せた車内は冷蔵庫のように冷えていく。駅員たちは、雪の中に飛び出すが-。必ず涙する、感動の鉄道員ミステリ。

感想・レビュー・書評

[ヒボさんの感想 · 2021年2月9日]

久々の二宮作品。

蛍川鉄道の藤乃沢駅を舞台に描かれる若き鉄道員・夏目壮太の物語。

いやぁ、こんなに心が温まるとは思わなかった。

読み終えた最後の医者3部作も良かったですが、本作は読み終えてとにかく温かい気持ちになれます。

そしてW主演的に描かれる就活生の藤田俊平は、何度も就活に失敗する中で、駅員達と地域住民、乗客との心温まる連携を目にし、自ら蛍川鉄道への就職を決意する。

大まかに言えば、藤乃沢駅を舞台に3つの物語が収められていますが、ラストで明かされた事実によりその3つの物語で登場する人物たちが藤田俊平の家族たちであったことも明かされるミステリーの要素までプラスされ、得した気分にもなれました。

好きな二宮作品と言うだけで購入した一冊でしたが、朝一で読み終えた今、今日も仕事を頑張れそうです。


説明
内容紹介
郊外を走る蛍川鉄道の藤乃沢駅。若き鉄道員・夏目壮太の日常は、重大な忘れ物や幽霊の噂などで目まぐるしい。半人前だが冷静沈着な壮太は、個性的な同僚たちと次々にトラブルを解決。そんなある日、大雪で車両が孤立。老人や病人も乗せた車内は冷蔵庫のように冷えていく。駅員たちは、雪の中に飛び出すが――。必ず涙する、感動の鉄道員ミステリ。
内容（「BOOK」データベースより）
郊外を走る蛍川鉄道の藤乃沢駅。若き鉄道員・夏目壮太の日常は、重大な忘れ物や幽霊の噂などで目まぐるしい。半人前だが冷静沈着な壮太は、個性的な同僚たちと次々にトラブルを解決。そんなある日、大雪で車両が孤立。老人や病人も乗せた車内は冷蔵庫のように冷えていく。駅員たちは、雪の中に飛び出すが―。必ず涙する、感動の鉄道員ミステリ。
著者について
一九八五年東京都生まれ。一橋大学経済学部卒業。二〇〇九年に『！（ビックリマーク）』でデビューし、『!!（ビックリマーク2）』ほか「！」シリーズが人気に。その他の著書に『暗黒学校』『僕が殺しました×7』『夜までに帰宅』『最悪彼氏』『18禁日記』『郵便配達人　花木瞳子が盗み見る』などがある。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
二宮/敦人
1985年東京都生まれ。一橋大学経済学部卒業。2009年に『!(ビックリマーク)』でデビューし、『!!(ビックリマーク2)』ほか、「!」シリーズが人気に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

[いなえしむろさんの感想 · 2017年3月5日]

楽しいミステリーなんだろうなぁ

　鉄道を背景としたほのぼのしたミステリー。でも乗り切れなかった。なぜかなぁ。一話が少し長かったのかな？

[ともりぶさんの感想 · 2016年3月16日]

やけに若者ばかりの印象はあるものの読後感爽やかな鉄道員小説。裏表紙に「必ず涙する」と書いてあるけどそこまでの感動はない。駅長いいね。

[れおさんの感想 · 2015年7月4日]

蛍川鉄道の藤乃沢駅。全線全駅あげての遺失物捜索、幽霊騒動、そして豪雪の人命救助

◆ﾀｲﾄﾙと表紙に「また何匹めのﾄﾞｼﾞｮｳな軽い謎とき読み物」と舐めてたけど、これかなり好きだ。

蛍川鉄道の路線図見ると、なんとな-く東武鉄道今はｽｶｲﾂﾘｰﾗｲﾝていうんだっけ？だいたいはあれをﾓｼﾞｯてつけたのかな-なんて思ってしまうんですが(笑)遺失物捜索、あんなｵｵｺﾞﾄにしちゃってこの解決は…て気もするけど、駅員さんて凄いな。

幽霊、ではないキヨさんの旦那さんｶｯｺｲｲ。

日本の鉄道の優秀さを当たり前なんて思ったことないけど、ほぼﾀﾞｲﾔの乱れなく、悪天候にも事故にも迅速な対応で本当に駅員さんには感謝です。


【以下ﾈﾀﾊﾞﾚ】
ホームでご飯！藤乃沢駅だけじゃなくて本当なのかな。自分の身銭切っても手を抜かない、そんな人いるのかな、てか一人の出したお金でそんな資材…とは思うけど作られた時代の資材による劣化、それをここまでの話にしたの凄いな。
「これは良心の問題じゃ。誰かが許さないんじゃない、ワシの心が許さないんじゃ。誰も見ていないところでズルをしようとしても、お天道様が見とるんじゃ」キヨさん、ｲｲ男と結婚したね。息子さんとも嫁さんともじんわり和解して良かった。
しっかし、その回で義母にあんだけｷﾞｬﾝｷﾞｬﾝ言った嫁が、まさか就活中の息子俊平には腫れ物に触るみたいに気を使ってるあのお母さんと同一人物で娘は亜矢子、て、性格統一性なくて工エェ(ﾟДﾟ;)ェエ工！！！だった(笑)

まぁでも、就活悩んでた俊平に「鉄道員さんてかっこいいと思う」「やりがいあるかもよ」って押してた姉、てのは 遺失物を全駅捜索なんて現場を見たからなんだね、とは思うけど。次回からは俊平も駅員として成長していくよ、て話になるのかな♪

[多坂まこなさんの感想 · 2023年12月26日]

お仕事もの。地方の鉄道で働く鉄道員が駅で起きた事件や不思議を解決する。
ただひたすらに電車を止めずに安全に動かそうと働く鉄道員たちは凄い。実際もこういうことあるんだろうなぁ。本当に頭が下がるなぁと思う。
就活がうまくいかない男子大学生は、なんというか青いなぁっていうキャラクター。よく野菜をくれるおばあちゃんと夫の幽霊はともかく、大事なものを忘れた女性は正直ちょっと迷惑では？なんかもうちょっと別な忘れ物ネタでもよかったような気がする。

[せさんの感想 · 2022年12月2日]

日本の鉄道は凄い。当たり前に電車が動く。
それも頑張っている人がいるからこそだと改めて気付く。

[miakaさんの感想 · 2021年6月13日]

蛍川鉄道の藤乃沢駅を舞台に描かれる若き鉄道員・夏目壮太の物語、軽くテンポよく読める。

[ゆふぃさんの感想 · 2021年5月24日]

郵便配達人といい、日常のあたりまえを一生懸命あたりまえにしてくれている人たちにスポットをあてるのが上手だ。壮太くんの老成したかんじも好き。そして表紙も好き。

[うさぎさんの感想 · 2021年3月16日]

日常の謎解きのお話⁇と思ったらちょっと違った。
最後のお話はしんみりしたお話だったけど、鉄道の蘊蓄多めと、結末が見えてたので流し読み。
そしてまさかの全員が家族というオチ（笑）最初の亜矢子のお話はかなりの迷惑でしょ！と思いましたがf^_^;
リアルな鉄道会社が本当にあそこまで必死で探してくれるのかはわかりませんが、人騒がせな…と個人的には思いました。
駅長が猫だとは気づかず♡可愛いじゃないか♡
まぁとにかく、まずは大団円で良かった良かった☆

[涼香さんの感想 · 2021年3月9日]

昔のホームドラマのよう。

読後、心が温かくなる。

続編も読みたい。

著者プロフィール

1985年、東京生誕。一橋大学経済学部卒。著書は他に「！」「！！」「！！！」「！！！！」「暗黒学校」「最悪彼氏」（ここまですべてアルファポリス）、「占い処・陽仙堂の統計科学」（角川書店）、「一番線に謎が到着します　若き鉄道員・夏目壮太の日常」（幻冬舎）などがある。

「2016年 『殺人鬼狩り』 で使われていた紹介文から引用しています。」