癒し屋キリコの約束 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344423657

作品紹介・あらすじ

純喫茶「昭和堂」の店主・霧子は、美人なのに、ちょっとぐうたらな不思議系。でも、裏の「癒し屋」稼業では、依頼人のどんな悩みも奇想天外な手法で一発解消させる敏腕だ。ところが、そんな霧子にも悲しい過去が-。ある日、彼女宛てに届いた殺人予告。それをきっかけに、霧子は過去と向き合う勇気と未来への希望を取り戻していく。感動エンタメ。

感想・レビュー・書評

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  • 2023.12.22 読了 ☆9.7/10.0



    物語の舞台は、いつもレトロな昭和の歌謡曲が流れている純喫茶『昭和堂』。
    そこのオーナーであり、元々は心理カウンセラーの主人公である霧子は、40歳そこそこで癒し屋という裏稼業を営んでいます。
    そんな霧子が、各章それぞれで各々の悩みを解決して癒してくれます。でもタダではない。
    喫茶店なのに入り口に賽銭箱があり、霧子がそこへと誘導して悩みを抱える人たちからお賽銭をたっぷりいただくシステムになっているのです。お金の匂いを嗅ぎつけたとたんに目の色を輝かせて「¥」マークを浮かべてしまう霧子。そこが人間臭くてたまらないです。


    ですが後半で、そのがめつさの理由が、お賽銭をもらっていた理由が、その使い道が明かされた時はジーンと心が温かくまります。


    各章ごとに昭和堂という名の通り、昭和の名曲が流れていて、ストーリーに「どうやって合わせたの?」と思うくらい自然な選曲でした。
    とても懐かしい曲ばかりで(自分は生まれていませんが笑)、ついメロディを口ずさんでしまいました。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    プロローグ
    「あなたを連れてゆくよ 手を離さないで」
    (YES-YES-YES/オフコース)
    第一章
    「探すのをやめた時 見つかる事もよくある話で」
    (夢の中へ/井上陽水)
    第二章
    「いつかは誰でも 愛の謎が解けて 一人じゃいられなくなる」
    (サムデイ/佐野元春)
    第三章
    「しあわせは誰かがきっと 運んでくれると信じているね」
    (想い出がいっぱい/H2O)
    第四章
    「浅い夢だから 胸をはなれない」
    (初恋/村下孝蔵)
    第五章
    「時間旅行が 心の傷を なぜか埋めてゆく 不思議な道」
    (異邦人/久保田早紀)
    第六章
    「幸せになりたい 気持ちがあるなら 明日を見つけることは とても簡単」
    (元気を出して/竹内まりや)
    第七章
    「今日は倒れた旅人たちも 生まれ変わって歩き出すよ」
    (時代/中島みゆき)
    エピローグ
    「ああ日本のどこかに 私を待ってる人がいる」
    (いい日旅立ち/山口百恵)


    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



    そんな昭和堂の店長は、カッキーこと柿崎照美、28歳。
    清助さん、入道さん、涼くん、などの常連さんや、お客としてやってきたキャバ嬢のキララちゃんがこの物語に良い味をもたらしています。


    また、霧子は東京太郎という人物から何度も殺人予告を受け、笑って受け流していますが、最後には犯人の正体も明らかになり、意外な事実が判明します。
    読み進めるにつれて、次はどんな風に事件を解決するのかと毎回ワクワクし、終盤にいくにしたがって話も大詰めで、読めば読むほど面白さ倍増でした。


    ユーモアに溢れていてミステリー要素も含まれていて、心が温まる。
    そんな森沢明夫ワールド大好きなファンの方はぜひご一読を!




    〜〜〜〜〜心に響いた言葉〜〜〜〜〜




    “探すのをやめた時 見つかる事もよくある話で♪

    相手の欠点を探すのをやめた時、相手の長所が見つかりはじめるのかもしれない。そして、その時がきっと、お互いの幸せの始まりなんだ”





    “あなた、さっき、自分のことを不幸だと言ったわよね?
    じゃあ訊くけど、あなたが今、この瞬間、ここで、ただ普通に呼吸をして生きているだけの価値って、お金にしたらいくらになるのかしら?

    (中略)

    あなたが、いま、ただ、そこに、そのまま普通に存在しているだけで、百兆とんで一三五億円の価値があるって、あなた自身が今、自分の口で言ったのよ。

    自分のことを不幸だっていうわりには、自分自身に国家予算みたいな価値つけてるじゃない?

    あなたの人生ってさ、あなたがそこにいるだけで、少なくとも百兆とんで一三五億円の価値があるんでしょ?それって、実は、ずいぶんと幸せなんじゃないかしら?

    不幸だなんて、自分で決めてどうすんのよ?”





    “幸せってね、なるものじゃなくて、気づくものなのよ。
    もしも自分のことを不幸だなんて思ったら、その時は、自分の身体の価値を思い出して、ついでに身のまわりのモノを片っ端から値段に置き換えてみるといいわ。もちろん、家族の値段も含めてね。
    そうしたら、いかに自分は恵まれていて、幸せかってことを思い出せるから”





    “しあわせは誰かがきっと 運んでくれると信じてるね♪

    幸せって、誰かが運んできてくれるものではなくて、自分の目と心で身のまわりのすでにある小さな幸せをひとつずつ見つけて味わうものなんだ。
    自分の人生に足りないものを数えて悲しんでいても仕方がない。むしろ今あるものを抱きしめて、それがあることに感謝して、微笑みながら生きていくこと。それこそが、幸せに生きる極意なんだ”




    “才能ってのはね、成功するまで絶対に努力をやめないって、自分自身を説得し続ける能力のことを言うのよ。

    要するに、夢が叶うまで、折れずに、ひたすらベスト尽くし続けること、それができる人を、夢を叶える才能がある人って言うのよ”




    “人間ってさ、チャレンジしたけど失敗した夢となら、案外すんなりと同居できるものよ。でも、チャレンジしないまま宙ぶらりんな夢って、胸の中で腐って悪臭を放つから捨てたくなるんだけど、でも、そんな夢に限ってなかなか離れてくれないものなのよね”




    “そもそも人生には、生きる意味なんて何ひとつないんだよ。何にもないまっさらなところでいろんな経験をしてさ、その経験に対して、自分なりに意味づけをして、それを味わうのが人生じゃん”




    “人ってさ、長所で尊敬されて、短所で愛されるんだよ。だから、どっちも大事なんだよ。

    短所を必死にごまかして、どこまでも隠し切ろうとしている人間は、愛すべきところまで隠してしまっているのかもしれない。つまり、人間性の半分の側面しか人に見せないから、その人はとても小さく見えてしまうのではないだろうか”




    “ありがとうって言葉はさ、表の意味では感謝を表しているけれど、裏側のもっと本質的な部分には、さらに大きな意味があるんだよ。

    わたしは、わたしの過去を受け入れました。そういう意味”






    “人間の心って不思議なもんでさ、自分で断ち切ったはずの過去には、いつまでもつきまとわれて重たいんだけど、しっかり受け入れた過去は、その瞬間から軽くなるんだよね。

    自分の過去をしっかり肯定してさ、あの過去があるから、今の自分があるって、そんなふうに受け入れて感謝できた瞬間に、人は過去から自由になれるようにできているんだよ”




    “人間ってさ、真剣に何かに迷っているときは、他人の言葉に安易に従うよりも、とことん迷いに迷ってでも、自分で答えを出して、その答えの通りに行動した方がいいんだよ。だって、それが、成功しても失敗しても、心をすっきりさせる唯一の方法なんだから”


    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


    今回も、心に響く名言ばかり。
    何度も読み返したい一冊になりました。

  • どんな人の悩みでも奇想天外な方法で解決してしまう敏腕カウンセラーの霧子。
    嫁姑問題、ストーカー、恋愛、夢を追いかける人など、いつもぐうたらな霧子がここぞというときに必殺技のような一手を繰り出します。
    霧子の仲間たちも人間味溢れていて、物語に楽しさを加えています。
    連ドラのようなエンターテイメント性ある内容ですが、徐々に明かされていく謎もあり、最後にあっといわせるミステリー要素があります。
    他の森沢作品のカメオ出演もあるのも嬉しいところ。

    個人的には夢を追いかける話が良かったです。
    大人になり「叶わない夢」を追いかけるってどうなのか。ある調査で90歳を越えた老人たちがほとんど「YES」と答えたことがあります。それは「もっと冒険しておけばよかった」ということです。
    そんな夢と仕事の狭間で悩む中年サラリーマン耕平にとっても共感してしまいました。
    いい年になると、自分というものがわかってきて、可能性へのチャレンジをしなくなってるなぁと思います。やはり自分で選びチャレンジしたことなら、(諦めきれないけど)後悔はしないと思います。
    できることからチャレンジしたいと背中を押されました。

    他にもたくさんのメッセージ性があり、最後まで楽しめる作品でした。

  • 森沢明夫さんの作品を拝読したのは3作目です。
    なんてパーフェクトなストーリーなのかと思いました。
    しかも、面白かったし、とってもいい話です。

    昭和堂という喫茶店のオーナーの霧子は元カウンセラー、40歳そこそこで癒し屋という裏稼業を営んでいます。
    店長はカッキーこと柿崎照美、28歳。
    清助さん、入道さん、涼くん、などの常連さんやご近所の千香ちゃんなども話にからんできます。
    お客としてやってきた、キャバ嬢のキララちゃんも加わります。
    第一章から第七章まであり、各章ごとにお客(その他、従業員も)がやってきて霧子の癒しを受け取ります。

    最初はお金の匂いを嗅ぎつけたとたんに目の色を輝かせて「¥」マークを浮かべてしまう霧子。いいかげんなやり方も、インチキ臭く、第一章を読んでいるときはあまりのコミカルさに選書を間違えたかなと思いましたが、コミカルな中にもキラリと光る真実がありました。
    霧子の名言集ができそうなくらいです。

    また、霧子は、東京太郎という人物から何度も殺人予告を受け、笑って受け流していますが、最後には犯人の正体も明らかになり、意外な事実が判明します。
    次はどんな風に事件を解決するのかと毎回思いました。
    終盤にいくにしたがって話も大詰めで読めば読むほど面白さ倍増でした。

    又、各章ごとに昭和堂という名の通り、昭和の名曲が流れていて、ストーリーに「どうやって合わせたの?」と思うくらい自然な選曲でした。
    とても懐かしい曲ばかりで、ついメロディを口ずさんでしまいました。


    プロローグ
    「あなたを連れてゆくよ 手を離さないで」
    (YES-YES-YES/オフコース)
    第一章
    「探すのをやめた時 見つかる事もよくある話で」
    (夢の中へ/井上陽水)
    第二章
    「いつかは誰でも 愛の謎が解けて 一人じゃいられなくなる」
    (サムデイ/佐野元春)
    第三章
    「しあわせは誰かがきっと 運んでくれると信じているね」
    (想い出がいっぱい/H2O)
    第四章
    「浅い夢だから 胸をはなれない」
    (初恋/村下孝蔵)
    第五章
    「時間旅行が 心の傷を なぜか埋めてゆく 不思議な道」
    (異邦人/久保田早紀)
    第六章
    「幸せになりたい 気持ちがあるなら 明日を見つけることは とても簡単」
    (元気を出して/竹内まりや)
    第七章
    「今日は倒れた旅人たちも 生まれ変わって歩き出すよ」
    (時代/中島みゆき)
    エピローグ
    「ああ日本のどこかに 私を待ってる人がいる」
    (いい日旅立ち/山口百恵)

    • まことさん
      kanegon69さん♪こんばんは。

      『夏美のホタル』とはまた違った、作風で、森沢さんはストーリーテラーだなあ…と思いました。
      マハ...
      kanegon69さん♪こんばんは。

      『夏美のホタル』とはまた違った、作風で、森沢さんはストーリーテラーだなあ…と思いました。
      マハさんにも通ずるところが、あるような?
      あと、昭和歌謡はツボでした(*^^*)
      2020/07/25
  • いつもレトロな昭和の歌謡曲が流れている純喫茶『昭和堂』。オーナーの霧子がみんなの悩みを解決して癒してくれる。でもタダではない。お賽銭をたっぷりいただくシステムになっている‥‥そして霧子はいつも酔っ払っている‥‥。
    読み初めはなんだかお気楽な楽しいお話のような感じだったのだけど、やっぱり森沢明夫!後半はページを捲る手も涙も止まらない。
    登場人物たちそれぞれが抱えているものがあまりにも辛い。でも「たとえ人生に笑えないことが起きたとしても、人はこんなにくだらない会話で笑い合えるし、きっと笑った方がいいんだ」。これが言いたくて前半はお気楽なお話だったのでは?と思う。
    「あの過去があるから、いまの自分があるって、そんな風に受け入れて感謝できた瞬間に、人は過去から自由になれる」
    そして、自分のことも他人のことも、まるっと受け入れていそうな常連さんたち。
    〜人は長所で尊敬されて、短所で愛される〜
    登場人物がみんな憎めなくて、ステキなお話でした。

  • 銀杏商店街にある純喫茶「昭和堂」の店主 霧子は
    妖艶で美人でミステリアス
    彼女の裏の顔「癒し屋」は、近頃ちょっとした評判になりつつある。その裏稼業に秘められた秘密と彼女を取り巻く面々の全7章からなる物語

    物語は、主に雇われ店長のカッキー目線で進む。
    各章にはストーリーの鍵となる昭和歌謡のワンフレーズが引用されサブタイトルになっている。

    戦慄のプロローグが衝撃的で、頭の片隅に大きなしこりを残したまま各章が始まる・・・
    あれ?『癒し屋キリコの約束』だよね?
    癒し要素、皆無なんですけど〜っ!
    とプロローグを読んだ後で叫びたくなった笑

    序盤は、ろくに働かずカッキーにお店を任せて、ビールを浴びるように飲み、御賽銭と御礼参りだけには抜け目なく欲深い霧子に、全く好感が持てず何度も失速してしまった。
    この人無理だわ〜と何度も思った。

    中盤、裏稼業の霧子の働きぶりに触れているうちに、ジワジワと何だか憎めない感じになってきた。
    しかも、たまに結構いい事言うし。
    実はもの凄く了見が広い人なのか?
    でも何処までが計算なんだろう?
    出たとこ勝負感も否ない。

    終盤、店長のカッキーと、霧子自身の秘密が明らかになる頃には、すっかり虜になってしまう。
    いつの間にかラストのネタバレでは目頭が熱くなる程だった。

    いやぁ〜何とも追い上げ感の凄い作品だった。
    何だか心の中が、欽ちゃんの仮装大賞のパネルみたいになった。←通じる人には通じるはず!
    おまけに大好きなゴンママも出て来るし♪
    昭和歌謡とのコラボ?も良かった。
    懐かしい楽曲の世界観とも重なって趣深い。
    読み終えれば、やっぱり森沢明夫ワールド全開で、優しくて温かい作品だった。

    これから読まれる方へ
    前半で投げ出さず是非最後まで読んでください。
    視界が開けて肩の荷がおりた様な清々しさと、温かな余韻に包まれます。


    以下、特に印象的だったフレーズを幾つか


    「幸せってね、なるものじゃなくて、気づくものなのよ。もしも自分のことを不幸だと思ったら、そのときは自分の身体の値段を思い出して、ついでに身のまわりのモノを片っ端から値段に置き換えてみるといいわ。もちろん、家族の値段も含めてね。そうしたら、いかに自分は恵まれていて、幸せかってことを思い出せるから」


    「才能ってのはね、成功するまで絶対に努力を止めないって、自分自身を説得し続ける能力のことを言うのよ
    夢が叶うまで、折れずに、ひたすらベストを尽くし続けることー、それができる人を、夢を叶える才能がある人って言うの」


    「そもそも人生には、生きる意味なんて何ひとつないんだよ。何もないまっさらなところでいろんな経験をしてさ、その経験にたいして、自分なりに意味付けをして、それを味わうのが人生じゃん。」


    「人間てのは、他人に「ありがとう」って言われるために生まれてきてんの。だから、人の役に立って、喜んでもらえたときは、その人の使命が果たせてるわけ。使命が果たせたとき、人は自動的に幸せになっちゃうわけ。」


    「人ってさ、長所で尊敬されて、短所で愛されるんだよ。だから、どっちも大事なんだよ。」

    • こっとんさん
      はなちゃんさん、こんにちは♪
      いつもありがとうございます(о´∀`о)
      欽ちゃんの仮装大賞…分かりますꉂꉂ(ˊᗜˋ*)
      まさに!ꉂꉂ(ˊᗜˋ...
      はなちゃんさん、こんにちは♪
      いつもありがとうございます(о´∀`о)
      欽ちゃんの仮装大賞…分かりますꉂꉂ(ˊᗜˋ*)
      まさに!ꉂꉂ(ˊᗜˋ*)
      後半にかけてどんどん点数高くなってきますよね。
      『人は長所で尊敬され短所で愛される』
      名言!つい最近、息子に話しました。聞いてたか分かんないけど…( ̄∇ ̄*)ゞ
      これからもよろしくお願いしますね♪
      2024/02/16
    • はなちゃんさん
      こっとんさん、こんばんは♪

      こちらこそいつもありがとうございます(о´∀`о)
      欽ちゃんの仮装大賞つうじてた〜!
      めっちゃ嬉しい〜っ!!
      ...
      こっとんさん、こんばんは♪

      こちらこそいつもありがとうございます(о´∀`о)
      欽ちゃんの仮装大賞つうじてた〜!
      めっちゃ嬉しい〜っ!!
      そうなんですよ、森沢作品いつも名言ありすぎて沁みるんですよね〜
      母から息子さんに…なんて素敵ですね。
      私も誰かに話したい( ̄▽ ̄=)
      ムフフッ…
      こちらこそ今後ともよろしくお願いします♪
      2024/02/16
  • 癒やされました。
    主人公?のキリコさんはちょっとなんだかなというあまり好感の持てるタイプではないかも…と思いながら読み進めていましたが。
    癒やしの方法の斬新さと優しさに、あぁ~この人は人が大好きな人なんだな、と。
    ちょっと誤解されてしまいそうな立ち居振る舞いだけど。
    彼女の言葉は深く入りこみます。ちょっと意地悪な感じで話しますが言葉の中身はとても深くて温かです。
    その言葉は書き留めておきたくなるような、生きていく支えになるような。
    確かに癒やされました。

  • 憎めそうだけど実はいい人。でも、すぐに憎めそうな人になり最後はいい人に、を繰り返す霧子さんにハマります。

  • 友人から送ってもらいました
    「虹の岬の喫茶店」以来です
    やはりほんわかとさせてもらいました
    最初、キリコのキャラに馴染めなかったのですが
    ふむふむ そうかァ
    登場人物が(ひとくせあるんだけれど)みんな素敵だね
    全ての章に「響く言葉」がちりばめられていました

    ≪ 幸せは もらうのではなく 気づくもの ≫

  • ☆5

    森沢明夫さんの作品には、いつも読了後に温かい気持ちにさせて頂いておりますが、本作でもとってもぽかぽか温まらせてもらいました❁⃘*.゚

    他の作品との繋がりがたくさんあり、心に響く素敵な言葉(何度も読み返したくなるような)もたくさん詰まっておりました!

    霧子さんやカッキーはもちろん!「昭和堂」の常連客メンバーもみんな個性的で、読んでいてとっても楽しかったです♪
    絶妙なタイミングで飛び出してくる鳩時計の鳩にはいつも笑わせてもらいました!

  • 深いです。

    「ひとつだけ約束して。」
    「ありがとう」

    ビールを片手に、決してへらへら言っているわけではない。
    ことば一つに込められた意味、想い。

    テレビ番組で、カウンセラーが被験者に、
    では、「私は○○です」と、言ってください。

    ↑強烈に思い出しました。被験者は涙ぐんでしまいます。ただ言われたこと口に出しただけなのに。芝居ではなかったと思います。

    言葉で、人は何かを受け入れる。そして変わる。
    「ありがとう」だけなのに? すごいです。

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著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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