大事なことほど小声でささやく (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 429
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344423800

感想・レビュー・書評

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  • この本は、タイトルが気になったのと、1万円選書で紹介されていたので読んでみました。
    めちゃくちゃ面白かったです。
    この本は、スポーツジムに集まる、個性的な登場人物の日常生活を描いていきますが、とても深いメッセージが多くありました。
    読み始めると、グイグイ本に入っていけます❕
    ぜひぜひ読んでみてください。

  • 筋トレ雑誌「トレーニングマガジン」に連載していた作品を単行本にしたもの。
    なので舞台がジムとジム仲間で、ガタイのどデカいオカマが営むバーに集うジム仲間各人の人情話で構成されているけど、それぞれの逸話がけっこう奥深いのです。
    とりわけ気に入ったのはちっぽけな広告会社の社長の章、著者 森沢さん色が一番感じられるスカっとした章ですね♪

  • 名は体を表すというが、何とも味のあるタイトルの「人情小説」。
    主人公ともいうべきゴンママ(身長2メートル超のマッチョなオカマ!)の言葉も、第六章のゴンママがあってはじめて、説得力を持ってくる。
    「いいこと?人生に大切なのはネ、自分に何が起こったかじゃなくて、起こったことに対して自分が何をするか、なのよ。・・・考え方ひとつで、起こったことをチャンスに変えることはできるの。ピンチはチャンスよ。・・・」
    「ほらね、あたしが顔を変えたら、シャチョーも仏頂面から笑顔に変わったでしょ。先に自分が変わらなきゃネ」
    それにしても、ゴンママの「スナックひばり」のバーテンダーのカオリちゃん(彼女も言い知れぬ過去があるが)が、それぞれの馴染客につくるカクテルの何と絶妙で饒舌あることか。
    ブルームーン=『無理な相談です』、ギムレット=『遠い人を想う』、ソルティドッ=『寡黙』、オールドファッションド=『わが道を行く』、シャンディ・ガフ=『無駄なこと』、そしてラム・コーク=『もっとどん欲に行こう』。
    こんなスナックで、カクテルを注文してみたいな。

  • キャラの濃い権ママと場にあったカクテルを出してくれるかおりちゃん。どれも最後には優しくなれるようなエピソードでした。

  • 何となく話の展開が読めて、
    かといって単調というわけでもなく、
    どこかほっとする…安心感のある作品。
    これは、ゴンママの包容力によるものなのかな…?

  • 森沢明夫さんの著作はあったかい
    偉そうに語るほど読んではいないけれど(笑)

    これも六篇のオムニバス
    ありえないような設定だけれど、
    所々で語られる言葉がいいな

    「そうだねえ」
    とうなずきながら勇気をもらえる言葉がたくさんあった

    人を励ます言葉がまた自分をすくう

    ≪ 耳元で そっと語るの 想い込め ≫

    • アールグレイさん
      かよこさん(^_^)/こんにちは

      いつも、かよこさんの俳句を楽しませて頂いています。
      私も「そうだねえ」と頷きながら勇気、頂きたい!
      \(...
      かよこさん(^_^)/こんにちは

      いつも、かよこさんの俳句を楽しませて頂いています。
      私も「そうだねえ」と頷きながら勇気、頂きたい!
      \(・o・)/
      2022/10/09
    • はまだかよこさん
      アールグレイさんへ
      いや、そんな。俳句などというシロモノではありませぬ(笑)
      適当にことば並べているだけです
      このコメント書くのもほと...
      アールグレイさんへ
      いや、そんな。俳句などというシロモノではありませぬ(笑)
      適当にことば並べているだけです
      このコメント書くのもほとんど時間かけてませんもん
      ええかげんなバアサンです。
      わざわざありがとうございました。

      お元気でいらっしゃいますか?
      目の調子も?

      急に冷えてきました。
      ご自愛くださいね。
      2022/10/10
  • ジムのフリーウエイトゾーンに集うメンバーたちは、いつも馬鹿話をしながら楽しくトレーニングをする仲間だが、ジムを出ればそれぞれに悩みを抱えている。
    そして、メンバーの中心的存在、マッチョなゲイのゴンママは、各人の悩みに気づき、面白おかしくも適切な言葉をかけてその人の気持ちを楽にしてあげていく様子を描いたストーリー。
    そんなママも、人知れず、孤独を恐れていたりするのだが、それを隠しつつ、周りを楽しく幸せな気分にさせている。

    そんなママの言葉のうち、特に心に残ったのは、阿吽について、カオリちゃんに話したくだり。
    ~~
    阿吽--一瞬のいまを、大切に生きる。
    阿は五十音のはじまりの「あ」で、吽は終わりの「うん」。
    つまり、阿吽はこの世のすべてを表す禅の言葉で、転じて、この世のすべては、阿と吽のあいだの一瞬のいまにしかなくて、あなたが生きられるのも、いまこの瞬間だけ。過去と未来を思い煩っても無駄で、いまこの瞬間だけをしっかり味わって生きることが、禅の「幸せに生きる極意」なのよ。
    ~~
    深いなぁ。

  • 短編ドラマを観ているようであった。
    歯医者さんの話がめちゃくちゃ心に刺さった。
    この本も映画化されてた。

  • とにかく、2mの巨漢ゴリマッチョオネエのゴンママが最高なのだ。
    初対面では誰もがたじろぐ強烈な風貌ながら独特のコミュニケーションで皆の心を掴んでいく。
    ゴンママのコミュニケーションは主に筋トレ、カクテル、下ネタによって構成されているのだが、
    正直言って下ネタを苦手とする私としては遠ざけたい人物だ。

    しかし、ゴンママは下ネタの使い手。
    相手のキャラや状況によって不快にさせず下ネタを繰り出していく。
    中には若い美女に下品な下ネタで困らす独りよがりのオヤジも登場するが、そこにゴンママが下ネタを駆使し誰も傷つけることなく見事にその場をなごませる。
    下手をすれば相手を侮辱することになったり、人のセンシティブな場所すれすれに下ネタは存在すると思う。ゴンママには軽口をたたきつつも触れられたくない部分は絶対にネタにしない安心感があるのだ。
    ゴンママのキャラと洞察力、ワードセンス、相手を思う優しさが含まれた下ネタは人の心を軽くし、張り詰めた空気を柔らかくし、拗れそうな人間関係をほどいていくのだった。
    そして下ネタこそ、筋トレとともにゴンママの孤独を隠す鎧のようなものだった。

    そんな心優しきモンスターのゴンママが、
    やさしくささやく大事なことは、キャラの緩急も相まってあたたかく染みてくる。

    脱線するけれど、ちょっと前に日本ハムファイターズに台湾のスーパー高校生、スンイーレイ君が入団することが決まった。新庄監督はしょっぱな「下ネタは万国共通だからまずは下ネタで早くみんなと仲良くなるように」といった旨のアドバイスをしたという。
    その時私は「台湾の至宝に下ネタって。。」と半ば呆れていたが、自分のキャラの親しみやすさ、相手のキャラの見極め、ユーモアと思いやり、場を瞬時に読む頭のよさといったコミュニケーションの粋を集めたような下ネタの奥深さを知った今なら、コミュニケーション能力の高さを試めされていることがよくわかる。スンイーレイ君が早くチームに馴染めるのか注視したい。

  • 職場でも家でもない、特別な場所があるっていいなと思った。ジムSABはキャラ濃すぎだけれど、こういう繋がりは素敵だ。

    ゴンママの存在感は半端ないが、番猫のチロ、看板娘のカオリちゃん…好きだなぁ。

    人生はきっと小説のようにすんなりとはいかないけれど、前を向くきっかけや小休憩にはこういう物語の本がいいなぁ〜と思う。

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著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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