ひぐらしふる 有馬千夏の不可思議なある夏の日 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 91
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344424531

感想・レビュー・書評

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  • 『柘榴パズル』以来の彩坂作品。最初の4つは普通の『日常の謎』のような感じで、『古典部シリーズ』のような感じかと思っていたら、最後の最後で驚かされた。今までの4章分がまさかの「千春」が書いた小説という文面で進んでいたので、すっかり騙されてしまい呆気にとられてしまった。彩坂さんの小説、本当に面白いなぁ。もっと読みたい!

  • 双子の片割れの友人との高校の思い出、先輩の婚約指輪
    恋人から聞いた避暑地バイトでの話、宇宙船を探す冒険。
    そして…な最後。

    確かに最終章で、全てがひっくり返ります。
    思い出してみれば、確かにそう呼ばれている部分は
    存在していません。
    騙された! というよりも、思い込みがすごいというか
    そうだと思わされていた、というべきか。
    読み終わって、要所に出てくる『自分そっくりな』ものも
    納得なものがありました。

    普通の日常が、普通ではない落ちへ。
    しかし、ここまでさらっと推測できるのかと言えば
    なかなか頭が回らなさそうです。

  • 「夏の王国で目覚めない 」が面白かったので読んでみたのですが、短編の連作的な印象でしたが、最後になるほどと思われる構造はとても面白かったです。そして青春小説的な爽やかさ、舞台となる土地の雰囲気や懐かしさの出し方などこれはもうさすがとしか言えません。2作ですっかりファンになりました。他の作品も読んでみようと思います。

  • いわゆる日常の謎系の連作短編。日常の謎だけれど、不穏な空気は本格系っぽい。この「不穏さ」「奇異さ」のモチーフが彩坂さんは抜群にうまい。
    彩坂さんの特徴は何よりその描写力の高さだと思う。風景描写、心理描写……ミステリ作家にしておくのは惜しいくらい、青春小説の書き手として必要な共感させる力と瑞々しさを持っている。あと、男キャラがサラリと描写されてるのに、なぜかとてもかっこいい。やっぱりセンスがあると思う。
    ミステリとしては、どんでん返しがあり、持ち前の筆力でハラハラさせてくれる。けれど、謎解き自体は少々甘いかな……と思うところがあった。けれど、記憶に残る本としてあまりある魅力がある作品。

  • 読み進める内に段々足元が覚束なくなってくる様な、少し不安感を煽るほんのり薄暗い雰囲気がとても良い。
    途中で引っかかりを覚えた部分が伏線として物語の最後で綺麗に回収されて爽快な気分になった。

    ルパンとホームズに関する主人公の趣向が理由まで全く自分と同じで物凄く親近感を覚える…。

  • 日常の謎系ミステリー。山形出身の作者が舞台にしたのは山形県だと思われる土地。
    その土地ならではの慣習なども交えつつ作られた青春ミステリーは、知っている人でないと書けないだろうなと。勿論その土地のことを詳しく知らなくても、面白く読めた。
    最終章で全ての伏線が回収され、あぁそうだったのかと納得。

  • 読んでいる途中はやや中途半端な、ちぐはぐな印象を受けます。なんかすっきりと解決されないような、何かがかみ合わないような。しかしそれは最後に解消されます。なかなか手の込んだ作りのミステリーです。

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著者プロフィール

山形県生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。『未成年儀式』で富士見ヤングミステリー大賞に準入選し、2009年にデビュー(文庫化にあたり『少女は夏に閉ざされる』に改題)。他の著作に『ひぐらしふる』『夏の王国で目覚めない』『僕らの世界が終わる頃』『サクラオト』『思い出リバイバル』などがある。本作『向日葵を手折る』が第74回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門にノミネート。

「2023年 『向日葵を手折る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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