空飛ぶ広報室 (幻冬舎文庫)

著者 : 有川浩
  • 幻冬舎 (2016年4月12日発売)
4.23
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  • Amazon.co.jp ・本 (558ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344424548

作品紹介・あらすじ

不慮の事故で夢を断たれた元・戦闘機パイロット・空井大祐。異動した先、航空幕僚監部広報室で待ち受けていたのは、ミーハー室長の鷺坂、ベテラン広報官の比嘉をはじめ、ひと癖もふた癖もある先輩たちだった。そして美人TVディレクターと出会い…。ダ・ヴィンチの「ブック・オブ・ザ・イヤー2012」小説部門第1位のドラマティック長篇。

空飛ぶ広報室 (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

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  • H29.10.10 読了。

    ・舞台は航空自衛隊の広報室。傷を持った元パイロットという肩書を持つ新米広報官と傷を持った元記者という肩書を持つ新米ディレクターが周りの広報官やテレビ局のスタッフと仕事を通して成長していく物語。ほとんど知らない世界なので、興味津々で楽しく読めました。
    ・小説の中で自衛隊の名称や駐屯地、基地などの用語の説明もわかりやすく紹介されており、自衛隊についての知識がちょっと増えた気がする。
    ・『有事に果たすべき義務があるということは、それだけで拠り所になります。辛いことがあったとき、自分にできることがあるだけで人って救われるでしょう?だから僕たちは被災者を支援しながら、自分自身を救ってもいるんです。』、尊いお言葉ですね。
    ・本編の後に「あの日の松島」という震災後に航空自衛隊松島基地を取材したお話が掲載されてます。ご存知とは思いますが、松島基地も津波で被災した基地なんですよ。それでも隊員たちは自分の家族よりも地域の復興支援やがれき撤去、救難活動などを行ってくれていたんですね。あの当時の自衛隊の方々は、とても頼もしく見えてました。どれ程、心の支えになっていた存在だったか。本当にありがとうございました。

    ・空飛ぶ広報室の続編が出ないかなあ。あの2人のその後が気になります。

  • 読んでよかった。自衛隊として働く人たちの感じ方や考え方、抱える事情をストーリーの中で説明してくれていて、自分の見方はどうだっただろうかと考えさせられた。有川さんは本当に人の描き方が上手いなーといつも思う。キャラクターの性格の設定と言葉や仕草が一致していて、自然と感情移入してしまう。嫌な言葉も、言われた側の反応も分かるし、一方で言ってしまった側の自己嫌悪やその時の気持ちの状態も分かるし、でも言い訳しつつもそこで口に出してしまった自分の弱さみたいな部分に余計むかむかするだろうなー、、とどっちに対してもすごく泣きたくなる。冒頭からいろんな場面で胸が痛くなる小説だった。
    ドラマも今更初めて見て、配役もだんだんしっくりきてすっかりハマってしまった。ラブコメ風な話の中に原作の知識やメッセージが各所に散りばめられていて、本を先に読んでいても大満足なドラマだった。

  • 有川さんらしいキャラクター性だと思いきや、あとがきを読む限りそれぞれモデルがいらっしゃるらしく、自衛隊の印象がそれだけでも随分変わる作品。
    この本自体が自衛隊の広報的な作品なのだけど、人間ドラマや広報の話が大変面白く、取材も丁寧にされているのが伝わって来た。
    空井とリカの恋愛関係の先を描いた作品が是非読みたい。

  • 人生何があるかわからない。
    子供の頃からの夢だった「ブルーインパルス」に配属内定をもらった直後、空井は居眠り運転の事故に巻き込まれパイロットとしての未来を奪われる。
    一方、上司の言うとおりに被害者や遺族の涙に尻込みすることなく強引な取材を続け、ついには記者からディレクターへと移動させられた稲葉。
    ふたりとも、思い描いていた未来とは違った道を歩かざるをえなくなる。
    「軍」と「隊」の違いもわからないまま自衛隊の取材に入った稲葉は、不用意な言葉で空井を傷つけてしまう。
    そのことで稲葉もまた傷ついていく。
    広報室で働く人たちはいろいろな問題を抱えている。
    しかし共通しているのは自衛官としての誇りだ。
    世間からどんなふうに思われているのか、彼らはよく知っている。
    そして、どうしても自衛隊という存在を許せない人たちがいることも、彼らは知っている。
    それでも、信じた道を誇りを持って進んでいる。

    「あの日の松島」
    読むのが辛かったし、心に強い風が吹き荒れた。
    実際にその場にいなければわからないことは多い。
    そして、えてしてその場を知らない人たちほど正論ぶって間違った切り口で語りたがる。
    自衛官たちの働きで助けられた人たちがたくさんいたことを、泥だらけの写真を1枚1枚拾ってくれていたことを、どんなに小さなものでも思い出になりそうなものを大切に扱ってくれたことを。
    私たちは忘れてはいけないと思う。

    あとがきにある有川さんの言葉を、私も忘れないようにしたい。
    「自衛隊をモデルに今までいろんな物語を書いてきましたが、今回ほど平時と有事の彼らの落差を思い知らされたことはありません。
    ごく普通の人たちです。私たちと何ら変わりありません。
    しかし、有事に対する覚悟があるという一点だけが違います。
    その覚悟に私たちの日常が支えられていることを、ずっと覚えていたいと思います」

  • 「あの日の松島」だけは日本人全員読め!

  • 言葉にしたいことが多すぎてまとまりません。

    まずとても大切なこと、きっと有川浩さんも
    賛同してくださることを書きます。

    自衛隊は世界中でも他に例を見ない、特殊な
    職業集団です。多くの日本人が知る自衛隊像は
    賛否両論に分かれます。侵略戦争をしないこと
    を憲法に謳う国の軍隊。それだけでも、その
    存在価値に矛盾や疑問を感じる国民が多いのは
    当然です。

    その矛盾のかたまりに日常的に晒されながら
    職業としての自衛官であり続ける。
    有川作品に触れる時、そんな自衛官の職業意識
    を根底で支えるものとは何なのだろう…そんな
    好奇心を働かせてほしいと思います。

    自分や家族の暮らしを支えるために、人は仕事
    を選び、働き続けます。でも警察や消防や、
    まして自衛隊は、それだけのためには決して
    選ばない職業だと思うのです。

    ヒーローではなく、人間として普通に生きる
    ことに、さらにもうひとつの意味を見出した
    自衛官の皆さんをちゃんと理解するために、
    この作品をぜひ読んでほしいと思います。

    侵略戦争を二度としないことを憲法に宣言した
    国の、戦争をしない軍隊。

    自衛隊がこの国にあるという矛盾こそが、
    日本が平和であることのひとつの大切な示唆
    だと思うのです。


    どこにでもいる普通の人。なのにその職業を
    揶揄され、指弾されることもある人たち。
    そんな自衛官を、例えば県庁おもてなし課職員
    と何も変わらない、職業人として描くために、
    有川浩さんはラブコメという手法を選んでいる
    のだと思います。

    そうしてこの作品がいつもの激甘テイストを
    控えめにしている理由も、巻末の後日譚で理解
    できました。

    でも、あとがきを寄せたリアル鷺坂室長も
    書いていらっしゃいますが、空井とリカの恋は
    いつか必ず、あの有川テイストで書いてほしい。
    …リアル鷺坂さんは本当にしっかり有川作品を
    読んでいらっしゃるし、プロ批評家顔負けの
    冷静な分析をされているのに…実は相当の有川
    作品ファンだと見抜きました(笑)

    いつもと少しだけ違う有川作品。いつもよりも
    作者の想いに強く触れられた作品です。

  • めっちゃよかった。

    広報の仕事もしれる、
    自衛隊も知れる、
    震災のことも知れる、

    恋になりすぎず、仕事仲間として
    挫折しながらお互いに自然と刺激や支えになりながら
    成長していく感じがすごくよかった!
    ブルーインパルスみたいー!

  • 自衛隊の広報室という存在すら知らなかったが、そこにいる人物を描くことで、少しだが、イメージが浮かび上がった気がする。

  • 私も自衛隊について誤解していた。訓練=人を殺す、というイメージが頭のどこかにあった。
    この本を読みながら、思わず自衛隊の友達に連絡を取った。そして、なんとなく、誤解してたことを謝罪してありがとう、と言ってしまった(笑)
    友達は訳が分からず笑っていた(笑)

  • 今の時代、心の中では、自衛隊を頼りにしていると思う。机上の空論で不要と言う人もいるが。本当に困った時に頼りになるのは、このような人たちだと思う。

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