貴様いつまで女子でいるつもりだ問題 (幻冬舎文庫)

  • 幻冬舎
3.44
  • (79)
  • (194)
  • (226)
  • (61)
  • (18)
本棚登録 : 3450
感想 : 226
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344424647

作品紹介・あらすじ

「女子会には二種類あってだな」「ていねいな暮らしオブセッション」「私はオバさんになったが森高はどうだ」…誰もが見て見ぬふりをしてきた女にまつわる諸問題(女子問題、カワイイ問題、ブスとババア問題…etc.)から、恋愛、結婚、家族、老後まで-話題の著者が笑いと毒で切り込む。"未婚のプロ"の真骨頂。講談社エッセイ賞受賞作。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ジェーン・スー「勘違いブス」という言葉が存在する理由|話題|婦人公論.jp
    https://fujinkoron.jp/articles/-/3464?display=full

  • ジェーン・スーの本を初めて読んだが、痛快。
    女子、特に未婚でアラサー、アラフォーの生き辛さの分析がスゴい!女子の間での感情、職場での男性職員に感じる違和感、歴史的経緯など、読んでいて思わず納得したり、時には、それが痛いと感じたり。面白くてあっという間に読了。

  • もうすぐ30歳。
    若さやキャラで乗り切るのもキツイな・・・
    と、そんな自分に喝を入れるために、
    タイトルだけ見て買いましたが、
    実際の内容は想像と全く違いました。

    たとえていうなら、
    心の奥底に潜んである「女」である自分、
    普段隠している毒づいた自分、
    そんなドロドロしたものを
    無理やり排出させられた気分になりました。

    さすがに著者ほど辛辣ではないですが、
    女に対する違和感やうらやましがるポイントもほとんど一緒で、ある意味、自分を客観視出来る内容でもあります。「私も思っていることを文章にしたら、こんなキッツイ言い方になるんだな~。」と。

    ただ、キッツイこと言ってても、
    それを言えるだけの根拠がある。
    めちゃくちゃ、自分と世間を
    観察し尽くしてるんでしょうね。
    そして、たとえ話とか、自分に対するツッコミの
    一つ一つも絶妙なタイミングかつ
    言葉遊びが素敵なので、
    毒の中にユーモアとこの人なりの愛が感じられる。
    (特に合コンの話はめっちゃ面白かった。)

    でも、この本の裏テーマは、
    「自己肯定感の低さとどう向き合うか」だと
    思っています。特に「ピンクと和解せよ」あたりから、その色が濃くなる。

    読むのがとても辛かったです。
    見て見ぬふりをしてきた自分の過去や辛い思い出、
    寂しさが、否応なしに思い起こされるから。
    幼いころの自分へのコンプレックスや、
    そのコンプレックスとの向き合い方、親との関係など、
    私に当てはまるようなエピソードばかりで・・・。
    ほんと、私のことを書かれているような気分になりました。
    きっと、この著者も自己肯定感が低いまま大人になっていったのでは?

    私は、自分の自己肯定感の上がり下がりを
    他人に委ねていたことに最近気付いてから、
    まずは自分のことを自分で大事に出来ないと
    ほかの人を本当に大切に出来ないと思うようになり、
    気持ち的にだいぶ楽になりました。
    自分を大事にすることで、自己肯定感も
    ジワジワとあがってくる。
    この本も同じようなことを言っていて、
    心の中の少女の声に耳を傾ける、とは
    まさにこのことか、と思いました。

    女子、という切り口だけでなく
    自分との向き合い方について
    改めて考えることが出来ました。

  • ついに、読んでしまった……。

    そして、なんとなく理解までしてしまった……。

    これは、エッセイというより、啓発書ですよ。
    お互いにカサブタがりがりやっちゃうような痛痒さを伴った読書となりました。

    てかね、もうタイトルの時点でですよ。
    そう、いくつになっても「自称女子」を公言できる御方々をシラっとした目で見ながら、片方の手で自分の背中を探ってみる。
    そして思う。自分にも、「女子」がバッチリ刻まれてるじゃん、と。

    これももはや、レビューというより独白だわ。

    仕事現場では女性率がとか、女性の管理職登用をとか言いながら、VS個人となると、結婚と妊娠のリミットを神様の使者かのように言付けてくださる。
    人生の人事部……あ、うまいこと言った、私。

    でまあ、逃げ口上としては仕事楽しいからとかつい言ってしまう。
    自分からカテゴライズ袋小路に収まって、何やってんのかなと思うわけです。

    「私は社会的、金銭的に自立しています。精神的にもほぼ自立しています。働き過ぎで、疲れてもいます。世間で言う『おやじ女子』のひとりでしょう。しかし、自立の上での行動を『おやじ』と称されることにも、その言葉をいい年して『女子』で受けるのも、あまり好きではありません。」

    快哉。
    後に、父親との関わり方や、お仕事ゲームの攻略法など、なんかね先陣切ってくださってありがたや……と心持ちで読んでいました。

    オネエサンからオバサンにクラスチェンジする日を戦々恐々としながら、ま、スタンダードでなくても自分が楽しいと思う道を、自分で歩いていけたらいっかなーと思いましたとさ。

    めでたし、めでたし。

  • 【きっかけ】
    タイトルが面白そうだと思って半年前に購入。長らく積んでいた…

    【あらすじ】
    女にまつわる諸問題に笑いと毒で切り込むエッセイ。
    講談社エッセイ賞受賞作。

    【心に残ったところ】
    ◉「かわいらしいものを見てテンションが上がったり、女だけで集まってとりとめもない話を延々続けたり、明確な根拠なくなにかを嫌悪したり、下手したらきれいな夕陽を見て涙をこぼしたり。世間では女子特有の行動とされているものは、合理性と無縁の地に存在しています。『なんとなく』が立派な理由になる。なんとなく、にもホントは理由があるんだけど、それを説明するのは無粋なのが、女子。」

    ◉「ブスデブババアの悪態吐きは、若さと容姿美でしか女の価値を認められない、感受性の乏しい人たち。そこに気付いてからは、さほど腹も立たなくなりました。俗に言う上から目線で『この人は、自分が世間から正当な評価を受けていないと感じるのだなあ』とニヤニヤして終わりにします。」

    ◉「十代から三十代半ばまで、私は男たちの恋愛対象の内外に(主に外に)放り込まれてきた。私の意思とは関係なく、出荷前の野菜のように、勝手に選別されてきました。あれは本当に居心地の悪いものだった。」


    【感想】
    私にとってはジェーン・スーさんのエッセイがマッサージになりそうだ(解説で三浦しをんさんがまさにマッサージで例えている)。
    マッサージといっても、スーさんのは「めちゃくちゃ痛い」笑。

    つまり痛いところを突かれるのである。自分が抱いていた劣等感をぐいぐい引き出してくるのである。でも読み終わったら気分は晴れ晴れ。自分の中で燻っていた感情を言語化して昇華してくれるから。

    「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」「ブスとババアの有用性」「ピンクと和解せよ」など、思わずページをめくりたくなるようなパンチの効いたタイトルの数々!「三十路の心得十箇条」もあるし、もはやバイブルしたいレベルである。

  • 女性の為の女性のエッセイなので、男が読むと女子会に図らずも参加になってしまったような尻の座りの悪さがあります。しかしそれが面白い。
    若さというアドバンテージが既に手元に無い女性達がどう感じているのか。我々男性には想像する事しか出来ませんが、パッと見結構楽しそうにやっているように見えています。
    ジェーン・スーという人の本は一冊だけ読んだことがあります。父親のことと、生きる、死ぬという事をテーマにした本でした。
    この本にも途中そういった題材の話が出て来て、その部分は若干シリアスですが概ね軽いテンポで読める本です。
    この年になって思うのは、結婚っていうんのは無理してするもんじゃないよなあという事です。でもそういう意識で異性を意識しないと結婚に結びつかないのも事実。だから恋はすべきなんだろうなと思いました。結婚は結果としてでいいような気がします。

  • 本のタイトルだけ見ると、女子を批判しているようだけど、そうじゃなかった。
    ちゃんと自分と向き合って、良くない所はなんとか解決したり折り合いをつけようとしたり。
    悩んだり元気の無い時にまた読みたくなりそうです。

    目次に色々と面白い言葉が並ぶ中で、『ピンクと和解せよ』に一番共感する。ピンクもリボンも昔から敬遠してるけど、いつか和解できるといいな。

  • タイトルに対しては「いつまでも女子である」確かに、この歳になっても女子である自分がいる。
    未婚のプロたるジェーン・スーが結婚したければさっさとしたほうがいいというのはその通りだろうね。「ハッと気づけば38歳になっているので覚悟すべし」だから。老後の独居女性住居を妄想するのも共感できる 笑。
    未婚、女子、オバサン界隈の話が多いし読者の期待もそこにあるのだろうが、言語センスがよく頭がいいので何を書いても面白い人だと思う。ニッセンの通販は使ったことがない。人と絶対かぶらないらしいしチェックしてみよう。

  • 生き方の選択肢が多く、何につけても大きな決断を迫られる30代という大変な時期。人間的にもまだまだ青い部分があるのに…
    なんとか自分の理想と現実とのあいだに落とし所を見つけつつやっていきたいと思った。
    長い視点で人生を考えるきっかけになった。

  • 大学卒業の頃、21歳の私は真面目に、仕事をしながら恋愛云々で悩みたくないからさっさと今の付き合ってる人と結婚して落ち着きたいと思っていて、30代になればまた異なるもっと高尚な悩みを抱えるだろうと想像してたけど、30代になった今思うのは悩みの中身はいうて10代でも感じていたあれやそれと変わらんな、と。
    あれやそれを有耶無耶にすることもうまくなるけど、同時に、あれやそれもこんな近くにいたんか!!と気づいてしまうことも多い。

    私も外見に自信はなかったし今でもないし、体育会系でボーイッシュって言われてたからこそ可愛くなりたい、綺麗になりたいと言うのが小っ恥ずかしかったけど、30代になって可愛さも美しさも欲しいとやっと素直に言えるようになったなーとか
    とかとか

    歳を重ねること、一見どうでもいいとスルーしてしまいそうな悩みやもやもやにもちゃんと向き合ったらそれはそれで学びもあるしおもろいんじゃね?と教えてくれる本。スーさんありがとう〜

全226件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1973年、東京都出身。作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティー。『ジェーン・スー生活は踊る』(毎週月~木曜午前11時TBSラジオ)に出演中。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎)で講談社エッセイ賞を受賞。著書に『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ社)、『生きるとか死ぬとか父親とか』(新潮社)、『これでもいいのだ』(中央公論新社)、『ひとまず上出来』(文藝春秋)、『きれいになりたい気がしてきた』(光文社)など。

「2022年 『OVER THE SUN 公式互助会本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ジェーン・スーの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ピエール ルメー...
本谷 有希子
伊坂幸太郎
朝井 リョウ
恩田 陸
辻村 深月
村田 沙耶香
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×