海よりもまだ深く (幻冬舎文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344424739

作品紹介・あらすじ

15年前に文学章を取ったきりの自称作家の良多。今では「小説の取材」と言い訳をしながら、探偵事務所で働いている。現実を見ようとしない良多に愛想を尽かし、出て行った元妻。父親に似ることを恐れる真面目な11歳の息子。そして、46歳の良多を未だ「大器晩成」と優しく見守る母親。そんな元家族が、ある台風の夜を共に過ごすことになり…。

感想・レビュー・書評

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  • 頭の良さあるのにこんな生き方しか出来ないような男がいるっていうだけがこの本で得たもの。読みにくい本ではないけど、家族も能力もあり、愛情ある育ち方なのに最低なやつなのが読んでいていらっとした。
    映画で是枝監督&阿部ちゃん演じてたら観れるものになってそうなところが怖い。

  • 全体的に暗い人間味が溢れていて少し辛いところもあったがラストで何も語られないところに色んな展開が考えられ独特な余韻が残る話だった。

  • 期待しすぎた

  • タイトルと同名の『海よりもまだ深く』が映画の公開になっているのを見て気になったので手に取りました。

    うだつの上がらない主人公の良多の日々の暮らしには
    少し呆れつつも、いつか現実を見てくれるのではないかと期待しながら読んでしまいました。
    現実にこんな人と一緒にいたら苦労してしまうと思いますが、小説だからと割り切れて客観的に見れるところがあるので楽しみというより観察をしながら読んでいた感じでもあります。
    あまりにも現実からかけ離れているのでまるで、
    子供みたいで可笑しくなるほどでした。
    11歳の息子の方がかえって大人のように思えてしまいました。
    逆に妻をはじめ良多の母親などと女性陣は
    現実をしっつかりと見据えているので、
    言葉の端々に名言を語っています。
    特に年老いた母親からの言葉はじわじわと心に響いてきます。

    映画の中でも4つの名言が出てくるようです。
    4つの名言
     「愛だけじゃ生きていけないのよ、大人は」

     「幸せってのはね・・・何かを諦めないと手に出来ないもんなのよ」

     「そんなに簡単に大人になりたい大人になれると思ったら大間違いだぞ!」

     「誰かの過去になる勇気を持つのが、大人の男ってもんだよ・・・」

    物心ついて頃に将来なりたかったものが誰しもあるかと思います。
    その目標に向かっていても何かの原因でなれなくて、
    そのまま大人になってしまったという人達も多いかと思います。
    目標があり理想を追うことは良いことですが、
    やはり限度というのがあるので何処かで諦めなければならないです。
    そんな複雑な胸中をどこで切り返せるのか・・・
    人生にはそんな大切な岐路がいくつかあるので
    それを何とか遅くなっても気付いて歩き出せた良多の姿が少し微笑ましくも思えました。
    これが出来たのも少し崩れかかった家族がある出来事がきっかけで歩み出せたので温かい気持ちになりました。

    どこか可笑しく、どこか懐かしくて時間の流れがゆったりとして改めて家族の温かさ、大切が味わえた作品でした。

  • 題名だけで読んでしまいましたが、
    こんな奴いるんやなって、目の前にいたら罵倒してしまいそうな奴。なのに愛されてる。
    能力なくても努力して生きてる人の方がよっぽど好感持てます。

  • 内容忘れた。題名が良かった

  • 【2022年27冊目】
    帯に「笑いあり涙ありの感動作」って書かれてたんですが、笑いもしなかったし泣きもしなかったし感動もしなかったし、「これどう終わらすんだろ」って思ったまま終わりました。えー?

    読めば読むほど主人公が嫌いになっていき、少しでも良いENDになったら良かったんですけど、なんか中途半端に終わったな~という印象しか受けなかったです。これ映画見ても「???」ってなりそうな気がしました。

  • 一万円選書の中の1冊。
    なにかを諦めないと手にできない幸せ
    わたしにとってはいったい何だろう。
    諦めてでも欲しい幸せ、幸せを手に入れたのなら諦めたことも後悔ないのだろうか。
    結果、それは幸せなのだろうか。

    物語の終わりはなんとも言えなかった
    良多は家族との幸せを諦め、手放し、作家として成功したのだろうか。誰かの過去になったのか。
    作家としての成功を目指していたようでもなかった、良多にとってはなにが幸せになるのだろうか。
    父親のようにはなりたくないと思いながらも、同じような道を歩んでしまっていたのはなぜだったのだろう。

    それぞれの幸せを探しながら、不器用にでも生きていく
    そういう物語だったのだろうか、といま感想を書きながら思った。

  • 始終、15年前の文学賞にしがみついている良太に不快感が。
    なんと読後感を表して良いか分からない。

  • 受賞した小説1本しか かけないお金が入るとギャンブルにつぎ込む男と元妻、息子、母親達との 、私にはちょっと想像絶する関係

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著者プロフィール

著者)是枝裕和 Hirokazu KORE-EDA
映画監督。1962 年東京生まれ。87 年早稲田大学第一文学部卒業後、テレビマンユニオン に参加し、主にドキュメンタリー番組を演出。14 年に独立し、制作者集団「分福」を立ち 上げる。主な監督作品に、『誰も知らない』(04/カンヌ国際映画祭最優秀男優賞)、『そ して父になる』(13/カンヌ国際映画祭審査員賞)、『万引き家族』(18/カンヌ国際映画 祭パルムドール、第 91 回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート)、『真実』(19/ヴェネ チア国際映画祭オープニング作品)。次回作では、主演にソン・ガンホ、カン・ドンウォ ン、ぺ・ドゥナを迎えて韓国映画『ブローカー(仮)』を 21 年撮影予定。

「2020年 『真実 La Vérité シナリオ対訳 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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