歩いても、歩いても (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 109
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344424746

作品紹介・あらすじ

今日は15年前に亡くなった横山家の長男の命日。いい歳をして、現在失業中の次男・良多は、久々の帰郷に気が重い。家長としての威厳にこだわり続ける父、得意料理で皆をもてなすも、未だ息子の死を受け入れられない母、自由きままな姉とその一家。老いた両親の家に久し振りに笑い声が響くが、それぞれが家族には言えない小さな後悔を抱いていた。

感想・レビュー・書評

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  • つい魔が差して購入してしまったKindle端末での実質デビュー作。ちょっとした現実逃避材料の必要性が高い時期であったこともあり、思った以上のスピードで読み切ってしまった…。Kindle恐るべし。

    で、読了後に手元にある是枝監督による著書「映画を撮りながら考えたこと」の本作品部分も併せて読み返してみた結果再度確認できたことは、やはり本作が誕生したきっかけはこれが是枝監督にとってのグリーフワークの一部だったという部分。読後の感覚が井上靖による「わが母の記」の読了時と酷似していたのもなっとく。

    家族と離れて暮らし、経済力と時間があってさえも簡単に会うわけにはいかなくなってしまった昨今のような時代となってしまっては、こうした生々しい家族とのふれあいの記憶を追体験させてもらえるのは非常にありがたいことなのかもしれない。極端に美化しすぎる必要もなく、極端に忌み嫌う必要もないもの。そんな間合いのなにかを是枝監督の筆致によって改めて体の中に通してもらった。

    そして忘れちゃいけないのである、是枝監督に教えてもらったことば、「人生はいつもちょっとだけ間に合わないのだ」という事実を。

  • 人生はいつもちょっとだけ間に合わない。
    是枝監督の描く良多の不器用さが良いな。奥さんは自然と真木よう子で再生されるんだよなぁ

  • 亡くなった優等生の兄を中心にこじれた家族の一時。
    何か大きな事件が起こるわけでも、全てが解決してハッピーエンドで終わるわけでもないのに読み終わった後はどこかすっきりした気がした。

    1万円選書の一つ。

  • まだ気持ちわからないかな

  • 自分のこと、両親のこと、夫のこと、子供たちのこと、、、
    考える機会を与えてもらえる本日。

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著者プロフィール

著者)是枝裕和 Hirokazu KORE-EDA
映画監督。1962 年東京生まれ。87 年早稲田大学第一文学部卒業後、テレビマンユニオン に参加し、主にドキュメンタリー番組を演出。14 年に独立し、制作者集団「分福」を立ち 上げる。主な監督作品に、『誰も知らない』(04/カンヌ国際映画祭最優秀男優賞)、『そ して父になる』(13/カンヌ国際映画祭審査員賞)、『万引き家族』(18/カンヌ国際映画 祭パルムドール、第 91 回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート)、『真実』(19/ヴェネ チア国際映画祭オープニング作品)。次回作では、主演にソン・ガンホ、カン・ドンウォ ン、ぺ・ドゥナを迎えて韓国映画『ブローカー(仮)』を 21 年撮影予定。

「2020年 『真実 La Vérité シナリオ対訳 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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