あの日、僕は旅に出た (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
3.65
  • (8)
  • (14)
  • (14)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 129
感想 : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344424777

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 蔵前仁一の自伝。
    蔵前仁一は、バックパッカーであり、作家であり、また、「旅行人」という会社の代表。「旅行人」は、出版社で、かつて雑誌やガイドブックや旅行記などを発行していた会社。
    以前、蔵前仁一の本を何冊か読んだことがあり、結構面白く読んだ記憶があったので、久しぶりに手にしてみた。

    筆者の若い頃の旅は、いわゆるバックパッカーの旅。普通の旅と違う点が多いが、一番の違いは、旅にかける時間・期間だと思う。日本を出てから1年とか2年帰って来ないことが当たり前の旅だ。
    私も旅好きだが、私の一番長い旅は、1ヶ月弱のヨーロッパを廻った旅。これだけの期間を旅行に割けるのは、ほとんど最初で最後だろうので、かなり欲張ったコースになってしまった。一ヶ所での宿泊は、長くても3泊。多くは1泊または2泊して移動を繰り返していた。
    本書の中にも書かれているが、年単位の旅行の場合、一ヶ所の滞在は、もちろん個人によって大きく異なるだろうが、筆者の場合、月単位になる。一ヶ所に1ヶ月とか2ヶ月の滞在を繰り返す旅は、私の、それでも最も長い旅とは、全く異なるものだろう。
    私は、長くても、あと数年で引退。その後は時間だけは山ほどある。しかし、年単位で旅を続ける体力はもうないだろうし、家族を放っておいて、勝手に旅に出るわけにもいかない。そう考えると、思い切った旅ができるのは、やっぱり若いうちということなのだろう。

  • 学生の時に、季刊「旅行人」を欠かさず読んで(眺めて)いたので、蔵前さんが旅に魅せられていく過程と、旅行人の設立以降の歩みがとても興味深かった。
    旅行人はアカデミックな雑誌という印象が強かったので、バックパッカー色の強い蔵前さんの初期の著書も読んでみたくなった。

  • 80年代の世界のあちこちを旅したような気分に。
    歴史や当時の世界情勢のことなども勉強になる。
    そして旅行人立ち上げまでとその後の紆余曲折がとにかく熱い。
    読み終わって泣いてしまった。

  • 蔵前仁一さんの自伝書。

    紀行文ではあるが、旅を中心とした2015年までの出来事が描かれている。一地域を舞台としているわけではなく、ふと始まったインドへのバックパッカー旅をきっかけに始まる旅の物語。旅に対するリアルな想いが気取らずに文に表現されているので、とても好感を持てた。自分のダサいところも隠さずにありのままに伝えようとしている気がする。

  • 自分の好きなタッチの紀行文だった。旅先でのエピソードは興味を持ってすいすい読める。一方、第5章がまるまるそうだったように出版社のくだりが多かったため、その部分は読み飛ばしてしまった。それがマイナス1点。
    他にも色々な本が引用されていたので、読みながらもAmazonで何冊か注文した。

  • タイ旅行中のゲストハウスにこの文庫が置かれていた。どこのゲストハウスか今は忘れてしまった。しかし、この本を読みながら旅を続けていた。著者の旅に対する思想がよく理解できる旅だった。

  • 編集者、グラフィック・デザイナー、イラストレーター、出版社社長と様々な肩書を持つ蔵前仁一さんの自伝。

  • 僕が旅に出る理由はだいたい百個くらいあって
    ひとつめはここじゃどうも息も詰まりそうになった
    ふたつめは今宵の月が僕を誘っていること
    みっつめは車の免許とってもいいかな
    なんて思っていること
    ーくるり「ハイウェイ」

    大好きなくるりの曲がなぜだかふっと頭の中で流れはじめた。
    旅に出る理由なんて、いくらでもあって、そのどれでもなかったりする。

    蔵前さんもまたそうなのだ。
    旅に出る。
    人と出会う。
    その半生はまるで点と点を結ぶように、偶然の積み重ねが必然かのように繋がっていく。

    自分が面白そうだなと思ったことにただ一歩を踏み出す。うまくいくときもあればいかないときもある。それだけのことだ。
    ー396ページ

    人生も旅も意図したようには進まない。
    でもそれが醍醐味なのかしらんと思う。

    やってみなはれ、と背中を押されたような気がした。

    バングラデシュのガイドブックを作った所、日本在住のバングラデシュ人男性からたどたどしい日本語でお礼を告げる電話がかかってきた、というエピソードがいちばん好き。

  • 「ゴーゴー・インド」などのインド旅関連の著作でお馴染みの蔵前仁一氏の半生が描かれた一冊です。
    バックパッカー旅作家の元祖としてのイメージが強い蔵前仁一氏ですが、本書では「旅行人」という出版社を立ち上げた経営者としての半生が描かれていて読んでいて新鮮な発見があり面白かったです。
    小さな出版社の経営の大変さ、旅行ガイドの制作の大変さ・・・などなど私の自宅の本棚にある旅行人ノートシリーズが多くの人たちの努力の結晶だと再認識しました。あらためて私の大好きなガイドブックたちを届けてくれたことに感謝したいです。

  • こんな人生もあるんだなあ。

全13件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

蔵前仁一
1956年(昭和31)鹿児島県生まれ。旅行作家・グラフィックデザイナー。
慶應義塾大学卒業後、80年代初頭からアジア・アフリカを中心に世界各地を旅する。
個人旅行者のための雑誌、『旅行人』編集長を務め、多くの旅行作家を輩出、
バックパッカーの教祖と呼ばれた。
『ゴーゴー・アジア』や『ゴーゴー・アフリカ』(ともに凱旋社」)をはじめ、
『旅で眠りたい』(新潮社)、『あの日、僕は旅に出た』(幻冬舎文庫)、
『よく晴れた日イランへ』(旅行人)など著書多数。

「2018年 『テキトーだって旅に出られる!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

蔵前仁一の作品

あの日、僕は旅に出た (幻冬舎文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×