平成紀 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344424999

感想・レビュー・書評

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  • 昭和天皇 崩御 から新元号 発表まで…時代の転換点で奔走する記者の 半ノンフィクション。

    元号が『平成』に決まった 裏話の更に裏があったとは…
    (驚きです)


    昭和から平成 そして令和の世の中になっても 変わらない
    セクハラ パワハラ そして過度の自粛 変わらない世の中 なんだなぁと感じた……

    そして何より 主人公は一貫して【一(イチ)記者】を貫いているのに、昨今は いちアナウンサーやコメンテーター でさぇ「ジャーナリスト」気取りでいる事 の痛烈な皮肉も垣間見え、色々 考えさせられる作品だった。



  • 平成天皇にいたる数年間の間の記者目線の物語。

    少し構成の組み立てを考えれば、もっと読み易く、意義ある一冊になる可能性は感じました。
    題名負けしてる感じだけど、歴史の瞬間を間近で見た人の日記と思えば、悪くない。

    手に取ったタイミングが、令和発表でなければ★5じゃないかもだけど、半ノンフィクションとしてなかなか知りえない内容で良かった。

    改元のことが毎日のようにニュースでやっているので、漢文の事や学者の選定、政治がどう絡むのか?、憲法の穴や象徴天皇制の課題など、たかが改元、されど改元、なんだなーと。
    「平成」になる時の色んな方々の苦悩が、ものすごく理解出来た時間になりました。

  • 令和に変わった時、元号を誰が決めてどういう裏話があったのかなど恥ずかしながら正直何も興味がなかったです。しかしこの本を読んでふと「令和」はどうだったのだろう、昭和のジャーナリズムと令和である現代のジャーナリズムは何か違うのだろうかと興味を持ちました。

    日本の象徴である「天皇」の崩御の前後、縁のある目の前の仕事に真摯に向き合い、自粛とジャーナリズムの狭間で揺れ動く筆者の心情に自然と引き込まれてしまいます。

    「令和」は万葉集にある(漢文での序)「初春(しょしゅん)の令月(れいげつ)にして 気淑(きよ)く風(かぜ)和(やわら)ぎ、...」という文から採り、「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」という意味が込められているそうです。
    「令和」に決まった瞬間は「ふうん」としか思わなかったけれど、様々な人が心をかけてこの世に産み出されたものだと思うと、急にこの元号が愛おしく感じるようになりました。

    どんな出来事にもたくさんの人の思いがつまっている。流れゆく日常のなか、ふと足を止めさせてくれる一冊です。

  • 自粛がでてきますね。

    21ページまでは必要だったんだろうか?

  • 泣けた、とかいう狭義の意味ではなく、もっと広い意味での感動のきわめて少ない一冊であった。

    天皇崩御、新元号決定。どのような人がかかわり、どのような苦労や思惑があるのか…といったことを間近にいた青山氏の等身大の存在である主人公の記者を通じて知ることができる。

    ただ、読んでいて盛り上がることなく、ふうん、ここまで心血注いで、取材なり報道なりせなならんもんかな?報道、記者って不思議な生き物やなあと一歩二歩さめた感想を抱きつつ読み、それが最後まで変わることはなかったのは否めない。

    その、過熱報道や自粛ムードの日本に対するむなしさが、作者がこの作品に込めたメッセージなのだろうか。

    今という、歴史的な、平成から令和への過渡期においては、ふうん、と読むくらいの価値はあるのではないでしょうか。

  • 一応昭和の生まれですが当時は子どもだったので、元号が変わる頃の雰囲気を全く知りませんが、昭和天皇の体調の変化や、記者がいかに大変な日々を過ごしていたのかを感じるとことができました。
    ときどき文章が読みにくかったので、二度読みした部分がいくつもあります。

  • 青山氏の現在まで変わらない原点の考え方が込められています。元号の決定がコアですが、天皇陛下への思い、女性差別など色んなテーマが読み取れます。

  • 記者の視点で昭和から平成への転換点を描く.「平成」が選択される過程はもちろん記されているものの,解説書的なドキュメントとは異なる.それよりも当時の空気感みたいなものが主人公の行動を通して伝わってくる.

  • 昭和の終わり、新しい元号(平成)が何になるのかいち早く知り、報道するミッションを受けた通信社の政治部記者のお話。
    どこまでがフィクションなのか全く分からないほどリアルな描写でグイグイ引き込まれて、あっという間に読み終えてしまった。

    この平成ももうすぐ終わり。
    今も記者の方達が命を削って、次の元号が何になるか駆けずり回っているのだろうか?

    時代と、実体験をベースにした内容が「ボクたちはみんな大人になれなかった」に近い気もするけど、共感レベルはこちらの方が遥かに高い。

  • 1に限りなく近い2。

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著者プロフィール

青山繁晴(あおやま・しげはる)
神戸市生まれ。慶應義塾大学文学部中退、早稲田大学政治経済学部卒。共同通信記者、三菱総合研究所研究員、独立総合研究所代表取締役社長・兼・首席研究員を経て、現・参議院議員(二期目)。派閥を超えた新しい議員集団「護る会」(日本の尊厳と国益を護る会)代表。ほかに現職は、東京大学学生有志ゼミ講師(元非常勤講師)、近畿大学経済学部客員教授。作家。小説に「平成紀」(幻冬舎文庫)「わたしは灰猫」(小社刊)、ノンフィクションに「ぼくらの祖国」(小社刊)「きみの大逆転」(ワニブックス【PLUS】新書)など。

「2022年 『夜想交叉路』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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