弱いつながり 検索ワードを探す旅 (幻冬舎文庫)

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  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344425019

感想・レビュー・書評

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  • ぼくたちは環境に規定されています。「かけがえのない個人」などというものは存在しません。ぼくたちが考えること、思いつくこと、欲望することは、たいてい環境から予測可能なことでしかない。⇄ここにこそ大きな矛盾、「ひとりひとりはかけがえのない自分」だと感じてしまう。

    弱い絆はノイズに満ちたものです。そのノイズこそがチャンスなのだというのがグラノヴェターの教え。(略)現実のネットはそのようなノイズを排除するための技法をどんどん開発しています。めんどうだと思ったらすぐにブロックしたりミュートしたりできるからです。

    著者としては、はじめてのタイプの「哲学とか批評とかに基本的に興味がない読者を想定した本」です。飲み会で人生論でも聞くような気分で、気軽な気分でページをめくっていただければ幸いです。

    観光客は無責任です。けれど無責任だからこそできることがある。無責任を許容しないと広がらない情報もある。

    言葉にできないものを言葉にすること。そのために大事なのは、まずは言葉にできないことを体験すること、つまり「現地に行くこと」です。

    メタゲームを止めるためです。
    →あるゲームにおいてゲーム外の駆け引きや戦略のことを指す言葉である。

    弁証法的な時間に対する異議申し立てということ
    ・・・相反する要素(正と反)が衝突し、どんどん高い次元(合)に到達していくという思想

    齟齬(そご)

    21世紀の哲学は、あらためて「物理的な実在」の力を評価し直すべきだと考えています。それは存在論的な意味においてではなく、実践的(プラグマティック)な意味においてです。

    ルソーは、人間は本来は孤立して生きるべきなのに、他人の苦しみをまえにすると「憐れみ」を抱いてしまうので、群れを作り社会を作ってしまうと説くのです。
    → 憐れみを感じるから社会を作っている。

    国民と国民は言葉を介してすれちがうことしかできないけれど、個人と個人は「憐れみ」で弱く繋がることができる。そこにこそ、21世紀のグローバル社会の希望があると考えています。

    ひとは性欲があるからこそ、本来ならば話もしなかったような人に話しかけたり、交流を持ったりしてしまうのです。その機能は「憐れみ」ととても近い。

    東洋と西洋の意匠が混ざった植民地建築というのは、独特の美しさ、というか艶めかしさがある。

    日本人はとにかく村人が好きです。正社員が好き。ウチとソトを分けて、ウチで連帯するのが好き。

    人間関係を(必要以上に)大切にするな。

    x

  • 書を捨て、旅へ出よう

  • 入門書。安いし読みやすい。観光客という主体に関しては、こちらの方を参照必須。既存の価値観に捉われない疎外から回復された人間像、ここまでは交通に着目した柄谷行人と同様。しかし、それを旅人と呼び、場にも根ざして生きるというのが柄谷行人から先へと進もうとする東浩紀の決定的な思想。
    ともに外国を旅する家族が、その示唆を与えたのは明白だろう。

  • 初めての東浩紀。負担にならないやつから始めたかったので、一番ライトそうで事実かなりライトだったこれから。社会学あたりでは「弱いつながり」というキーワードはよく聞く。ネットの網の目があらゆる生活圏に張り巡らされてしまった現代は「強いつながり」の安定した社会になってしまった。グーグルでもアマゾンでも、自分の趣向が読み解かれ、いつもの検索ワードでより近しい情報が与えられていく。生き方としては楽になったんだけども、こういう自足的な生き方に息苦しさを感じることは少なくない。じゃあ、そういう生活の中でいかにノイズを生じさせるか。これがこの本のとっかかりである。

    その前提で著者は「旅」を薦める。今の世の中、私たちの豊かさが差別化される部分は、文字化できない、情報化されない「モノ」だという。しかしそういうモノに触れることは日常ではできない。ポイントはいつもと違う「検索ワード」をいかに見つけるか。日常では出てこない検索ワードを見つけるには、環境を変えるしかない。そのために旅をする。旅をすることで環境が変わり、見るもの触れるものが変わることで、思考が変わる。そうすると検索ワードが変わり、グーグルの予測から外れる。これがノイズである。ただ重要なのはそういう新しい情報ではなく、やはり「モノ」自体なのだという。新しい環境で新しいモノに触れて、イレギュラーな自分が生まれる。これがこれから生きてくるだろうと、そんなメッセージだったと思う。

    分かりやすい。小難しい理論も出てこない。しかし理性に響く。さすが。


    17.6.14

  • 高城剛さんがよく言っている「アイデアと移動距離は比例する」という言葉、それに少し通じるようなお話。
    テーマは身体性。最近感じていた問題意識に近い。
    自分の身体が感覚装置として、受信機として、正しく機能するためにメンテナンスしておく必要があるし、どんどんと物理的に移動したり、人に会い、新たな環境や刺激に身を曝すことが必要なんだな。
    そして言葉の限界。言葉よりも物の方が強いことは確かだ。
    ただモノをやリアルを大事にすることは、今いる環境を大事にすることじゃない。そうすると逆に狭く規定されていってしまう。

  • 検索キーワードは自分の中にある探したい欲望からでしか出てこないため、無限に知・視野を広げられるというのは誤解である、という訴えを主にしている。

    そこで著者が進めるのは旅。
    旅に出てこそ、普段の自分が巡り会わないキーワードを探し当てることになり、Googleの予測キーワードの予測を越えたキーワードにたどり着ける。これがAIを越えるということにもなる。

  • ネットワークの話
    表層をなでるだけの観光でも学びは多い

    ヨーロッパ哲学の大きなテーマ
    表象不可逆性ーホロコーストは表現できるか?

    情報の提示のみではなく環状の操作が必要
    「情報にアクセスしたい」と言う欲求

    身体的拘束+時間が仮想現実との相違


    フーコー
    人間の現実ー言葉とモノから出来ている

    リアル<言葉?
    ←言葉の世界を回すために現実が必要。めたゲームの阻止

    20cフランス・デリダー脱構築
    あらゆるテキストは解釈の仕方によってどんな意味でも引き出せる

    言葉による議論のメタ化は際限ない
    →ことばで真実を探さないことが合理的

    ものは言葉を上回る

    弁証法
    相反する要素(正と反)が衝突し、更なる高い次元へ(合)

    歴史の保存ー後世に残る記憶の書き換えを意識すべき


    20c哲学…記号や言語の力
    21cでは物理的なぞんざいを重視すべき
    not存在論、but実践的(プラグマティック)


    実践的観点の持ち主としてのルソー
    ホッブズ・ロックといった社会契約説の論者とは異なる
    社会契約説…人間は理性的・論理的で頭がいい⇔自分の本性を抑圧し社会をつくる

    ルソー
    人間は本来孤立して生きるべき、他人の苦しみを見ると理念とか正義関係なく「哀れみ」を抱いてしまうために社会を作ってしまう
    社会的契約の根拠は動物的感情
    お8

    コミュニケーションは合意で終わるのではなく、参加者の疲弊によって終わる

  • あるお方から紹介されて購入。
    平易な言葉で書かれていたので、こういった分野の書籍はほとんど読まない私でも概ね理解できました。
    何度か読み直したい書籍です。
    まとめ方が難しいですが、検索ワードによって見えてくる世界が変わること、その検索ワードを見つけるには旅が有効であること、その旅での偶然の出会いは弱いつながりであるかもしれないけど、それは後々強いつながりになる可能性があるということ、かな。
    検索ワードを広げる必要性は日々感じておりますので、旅に出てみようかな。

  • 普段何気なくネットで検索する行為は、自分の志向を反映し、情報はある意味好きなものしか見ていない。本書では今後ますます進化していくインターネットとの正しい付き合い方が述べられる。
    より深くネットを活用するためにリアルからきっかけを作ることが大切でリアルの刺激こそネットを最大限に活用を変化させ、結果的にリアルを充実させる。
    ネットとリアルの繋がりが、今後の生活スタイル鍵となるのでは。

  • 旅をすることは検索ワードの幅を広げること。なるほどねー。インターネットであらゆる情報が誰にでも開かれた、ということになった今、その情報にたどり着けるか、どの情報を見聞きして信頼するのか、これまで以上に「自己責任」で、より学力とかリテラシーの格差が顕著に反映されるだろう。賢いものはより賢く、低位なものはそこに澱んでそこそこ気持ちよく生きることができる。人と比べなければそれでいい、んだろうか?私は嫌だなー!比べる比べないとは別の話で、よりいろいろあったほうが世界は、っていうか人生は楽しいだろう。そういう話(だと私は受け取った)。

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