土漠の花 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 909
感想 : 110
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  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344425125

作品紹介・あらすじ

ソマリアの国境付近で活動する陸上自衛隊第一空挺団の精鋭達。そこに命を狙われている女性が駆け込んだ時、自衛官達の命を賭けた戦闘が始まった。一人の女性を守ることは自分達の誇りを取り戻すことでもあった。極限状況での男達の確執と友情。次々と試練が降りかかる中、生きて帰ることはできるか?一気読み必至の日本推理作家協会賞受賞作!

感想・レビュー・書評

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  • 陸上自衛隊第一空挺団の精鋭部隊が、ソマリア国境付近で捜索救助にあたっていた。その野営地に、小部族の首長の娘が助けを求めて駆け込んで来る。部族間争いで、村を襲われる命をも狙われている姫。
    彼らは、状況把握もできないまま、一挙に戦闘に巻き込まれていく。
    冒頭から、一挙に臨場感あふれる戦闘地域の描写に映像を見る様です。自分達、まして日本には全く関係ない小部族の女性を守り、安全な地域まで護送する。自衛官としてのプライドか、人としての責任感か、彼らの命を賭けた戦闘は続く。
    緊迫感の連続で、誰も助からないのでは?って登場人物たちは諦めてないのに、読んでて諦めそうだった。
    隊員達の信頼関係とか鍛えられた技術とかはもちろんですが、時折挟んでくる、自衛隊組織への不信感とか、隊員同士の確執からの心情変化など、良いスパイスになっておりました。
    自衛隊とは、後方支援とは、防衛費とは、戦闘を選ばざる得ない状況への判断とは、何かちゃんと考えなければいけないよね、って、お炬燵にて。

  • あらすじはコピペでーす。

    【ソマリアの国境付近で活動する陸上自衛隊第一空挺団の精鋭達。そこに命を狙われている女性が駆け込んだ時、自衛官達の命を賭けた戦闘が始まった。一人の女性を守ることは自分達の誇りを取り戻すことでもあった。極限状況での男達の確執と友情。次々と試練が降りかかる中、生きて帰ることはできるか?一気読み必至の日本推理作家協会賞受賞作!】

    まんまドストレートな活劇物。

    隊員たち1人1人のバックボーンというか背景が描かれているのが良かった。
    逆に女性、アスキラについてはもっと描かれてもいいかなと思う。足りない。

    アクションに次ぐアクションでハラハラさせられるのだが、予定調和というか一本道というか。
    まあ、そうなるだろうなという流れと結末。意外性はない。澱みも歪みも裏もなくスッキリしている。

    「機龍警察」シリーズや「脱北航路」などで有名な月村良衛さんの初読みでした。
    まあ、読みやすい。

    作品の内容上、銃器をつかったアクションシーンが多い。
    それで思い出したけど、俺、大藪春彦さんの小説って1冊もまともに読めたことないわ。映画ばっかりで。
    2、3度本を手に取ってみたことはあるんだけど、どうしても途中で放棄してしまう。
    相性かなぁ。
    西村寿行さんなんかのはわりと好きなんだけど。エロいが(笑)

    本作、途中までは☆3でもいいかなと思ったんだけど、ラストがなんか嫌だったので☆2としました。

    • 土瓶さん
      ちゃたさん、ありがとうございます。
      「最強」なんですが、やはり実戦不足というか、苦戦を強いられます。
      まあ、圧倒的に数も物資も相手が上で...
      ちゃたさん、ありがとうございます。
      「最強」なんですが、やはり実戦不足というか、苦戦を強いられます。
      まあ、圧倒的に数も物資も相手が上でアウェイだし。殺す気まんまんでやってくるし。
      ☆5作品。今年は当たるといいなぁ。
      2024/01/22
    • 松子さん
      どんちゃん、こんばんは(^^)
      土漠の花、漫画で2巻まで持ってるんだ。
      どんちゃんのレビュー読んで、また読みたくなって引っ張り出してきたよ。...
      どんちゃん、こんばんは(^^)
      土漠の花、漫画で2巻まで持ってるんだ。
      どんちゃんのレビュー読んで、また読みたくなって引っ張り出してきたよ。
      最後、3巻まだ買ってないからラスト知らないんだけど…、アスキラ助かるっ?
      あぁ、気になるっ_:(´ཀ`」 ∠):
      2024/01/22
    • 土瓶さん
      マンガにもなってるんだ。
      へぇ~。
      アスキラは、アスキラはっ、アスキラはぁぁぁぁ!!

      秘密です(^_-)-☆テヘッ
      マンガにもなってるんだ。
      へぇ~。
      アスキラは、アスキラはっ、アスキラはぁぁぁぁ!!

      秘密です(^_-)-☆テヘッ
      2024/01/23
  • ソマリア沖での海上自衛隊による海賊対処活動は事実、隣国ジブチには自衛隊にとって初の海外拠点があり、ソマリアの国境付近で活動する陸上自衛の物語。

    墜落したヘリの捜索救助要請を受け隊長に任命された吉村3尉以下12名が墜落地点へと出発。

    そこへ現地の3人の女性達が命を狙われている、助けて欲しいと駆け込んで来ます。

    避難民として保護した矢先、彼女達を追ってきた武装集団により目の前で2人の女性が撃ち殺され、隊長を含め5人もの仲間が一瞬にして命を奪われる。

    生き残った1人(アスキラ)を保護しワーズデーン小氏族の民兵に追われながら70km先の活動拠点を目指す隊員達。

    自衛隊の隊員が戦闘で命を落とし、交戦する。

    まさに命懸けの戦闘が始まります。

    2014年、当時の安倍内閣が強行採決した所謂「安保関連法」。

    きっと著者である月村了衛氏はこの法に対しそれぞれが真剣に考え、向き合わせたかったのでしょう。

    海外での戦闘で日本の自衛隊隊員が命を落とす。

    ちょっと出来すぎ感はありましたが、手に汗握る戦闘シーン、そこで芽生える隊員達の絆。

    思わず一気読みさせられました。


    内容(「BOOK」データベースより)
    ソマリアの国境付近で活動する陸上自衛隊第一空挺団の精鋭達。そこに命を狙われている女性が駆け込んだ時、自衛官達の命を賭けた戦闘が始まった。一人の女性を守ることは自分達の誇りを取り戻すことでもあった。極限状況での男達の確執と友情。次々と試練が降りかかる中、生きて帰ることはできるか?一気読み必至の日本推理作家協会賞受賞作!
    著者について
    一九六三年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。二〇一〇年に『機龍警察』で小説家デビュー。一二年に『機龍警察自爆条項』で第三三回日本SF大賞、一三年に『機龍警察 暗黒市場』で第三四回吉川英治文学新人賞、一五年に『コルトM1851残月』で第一七回大藪春彦賞、本作で第六八回日本推理作家協会賞受賞。他の著書に『水戸黄門 天下の副編集長』『ガンルージュ』『影の中の影』『槐(エンジュ)』など。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    月村/了衛
    1963年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。2010年に『機龍警察』で小説家デビュー。12年に『機龍警察自爆条項』で第三三回日本SF大賞、13年に『機龍警察暗黒市場』で第三四回吉川英治文学新人賞、15年に『コルトM1851残月』で第一七回大藪春彦賞、『土漠の花』で第六八回日本推理作家協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • ソマリアで、墜落した米軍ヘリを捜索する任務についた陸上自衛隊の12名の隊員たち。事故現場で夜営していると突然、現地氏族の女性3人が保護を求めてやってきた。その直後、彼女らを狙う過激派武装勢力に急襲され、女性2人と隊長ら数名を失った隊員たち。何とか窮地を脱したメンバー(友永、新開、朝比奈、由利、梶谷、津久田、市ノ瀬の7名)は、生き残った女性アスキラ(氏族長の娘)を連れて何とか敵を振り切り、活動拠点へ帰還しようと試みるが、敵は執拗に襲いかかってくる。どうやらこの内紛には利権も深く絡んでいて…。

    アフリカ・ソマリアの土漠での死闘、「ハムシン」(高温の砂塵嵐)の圧倒的猛威、いずれも迫力満点だった。いかにも起こりそうな展開もリアリティたっぷり。(自衛官たちが格好良すぎるきらいはあるものの)派手なエピソードを盛り過ぎることなく、ストーリーが淡々と進む点好感触。そしてかなり読みやすかった。

    良質なサスペンスアクションを満喫できた。著者の作品は本書が初めて。「機龍警察」なども手にとって見ようかな。

  • 「脱北航路」が面白かったので、月村氏の作品を続けて読んでみました。
    こちらもとてもレベルの高い社会派エンターテイメント作品でした。

    舞台はアフリカ大陸。
    内戦の続く地で墜落ヘリの捜索救助活動をしていた自衛隊員のところへ現地民族首長の娘が助けを求めてやってきたことで凄絶な闘いに巻き込まれてしまうー。

    最初から最後までずっと痛い感覚に襲われ続け、心がヒリヒリし通しでした。
    登場人物達が身体的に受けた痛みはもちろん、彼らが受けた心理的ダメージ、ショック、諦念ー。
    そういったものが活字を追っているだけのはずの読み手にも我が身のように感じさせる文章力は他の追随を許さないと言っても過言ではなく、映像化してほしいと強く思う一方で、この文字による表現に果たして映像が追い付けるのだろうかとも思いました。

    それぞれの思いや過去を持つ自衛隊員たち。
    彼らが命を賭した戦闘を前に見せた勇敢さ、人間臭さにはフィクションであると分かっていても尊敬の念を抱かずにいられません。

    激しい戦闘シーンが続き、何度も現れる追っ手達の存在に私も身体が強ばってしまい、読了後はヘトヘトになりましたが、こんなにも作品の世界観に引き込まれたのも久しぶりで、手放しで「おもしろかった!」と思えました。
    あくまでもフィクションだから、ですが。

  • 今の日本では想像出来ない事が東アフリカでは起こっていて、そこに自衛隊が派遣されていたという現実を感じながら、本当の意味での平和について考えさせられた。映画だったマッドマックスの世界が現実化している〜
    と感じた。

  • 自衛隊員たちのもとに女性が逃げ込んできたことから、隊員たちの命と誇りをかけた撤退戦が幕を開ける。数々の試練、そして犠牲を払い、果たして女性を守り、生きて帰ることはできるか。
    冒険活劇小説として、なかなかに面白かったです。

  • 全体的に面白く、先が気になってしかたなかった。どんどん次のページを読みたくなっていく感じ。ただ私の理解力が乏しく、建物や人物などの状況位置や状況把握が難しいなと感じた。まぁそこまでじっくり理解しようと思ったかと言えば違うかもしれないが。また、最後は少し尻すぼみ感も感じた。ただ総じて面白いと思える作品だったし、戦争と自衛隊についても考えさせられた。

  • 我々が知らないだけで、こんなことが実は起こっているのかも。

  • 機龍警察シリーズが好きで、この本も読んでみました。

    間接的に後方支援しか行わないと言っても、小説のように戦闘に不可抗力で巻き込まれる可能性は大いにあると感じました。

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著者プロフィール

1963年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。2010年『機龍警察』で小説家デビュー。12年『機龍警察 自爆条項』で第33回日本SF大賞、13年『機龍警察 暗黒市場』で第34回吉川英治文学新人賞、15年『コルトM1851残月』で第17回大藪春彦賞、『土漠の花』で第68回日本推理作家協会賞、19年『欺す衆生』で第10回山田風太郎賞を受賞。近著に『暗鬼夜行』『奈落で踊れ』『白日』『非弁護人』『機龍警察 白骨街道』などがある。

「2021年 『ビタートラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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