完璧な母親 (幻冬舎文庫)

  • 幻冬舎
2.95
  • (4)
  • (24)
  • (73)
  • (37)
  • (1)
本棚登録 : 554
レビュー : 56
  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344425545

作品紹介・あらすじ

流産を重ね授かった最愛の息子が池で溺死。絶望の淵で母親の知可子は、息子を産み直すことを思いつく。同じ誕生日に産んだ妹に兄の名を付け、毎年ケーキに兄の歳の数の蝋燭を立て祝う妻の狂気に夫は怯えるが、知可子は歪な"完璧な母親"を目指し続ける。そんな中「あなたの子供は幸せでしょうか」と書かれた手紙が-。母の愛こそ最大のミステリ。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 流産を重ね授かった最愛の息子が池で溺死。息子を産み直し、兄と同じ誕生日に産んだ妹に兄の名付けをする。

    完璧な母親って何だろう・・・?
    どの母親も、これでいいのだろうか?間違えてないか?という葛藤の中で子育てしていることが多いのではないだろうか。
    子育てに正解なんて無い。
    私も幼少の頃、母親に姉と自分の間には流産した子がいたことを聞かされたことがある。
    翌年に自分が生まれ「生まれていたら年子だね」と言ったら、「子供は二人と決めていたから、その子が生まれいたらあなたは、居なかった」と言われ、複雑な気持ちになった。
    自分はこの世に誕生してなかったら、今ここで本の感想をポチポチしていられなかった訳だ・・・。

    • NORAさん
      奏悟さん
      初コメ失礼致します^ ^
      いつもレビュー楽しみに読ませていただいております(* ´ ˘ ` *)
      今回こちらを拝見して私とまるで同...
      奏悟さん
      初コメ失礼致します^ ^
      いつもレビュー楽しみに読ませていただいております(* ´ ˘ ` *)
      今回こちらを拝見して私とまるで同じ境遇であった事に驚き思わずコメントしちゃいました( ˘ᴗ˘ )
      たった今この瞬間好きな本に囲まれて思いのまま気持ちをポチポチ綴れる事、大変幸せに思います。
      これからもレビュー楽しみにしていますね☆(実は奏悟さんの影響で粘膜シリーズ読み始めました 笑)
      これからもどうぞよろしくお願いします☆
      2020/11/23
    • 奏悟さん
      NORAさん
      初めまして。いつもいいねをありがとうございます。
      ブク友様からの、コメントをいただくのが初めてで返信に緊張しております。
      親は...
      NORAさん
      初めまして。いつもいいねをありがとうございます。
      ブク友様からの、コメントをいただくのが初めてで返信に緊張しております。
      親はさらりと伝えてきましたが、子供側からすると複雑ですよね(^_^;)
      粘膜人間シリーズ、自分のレビューで読み始めたとあり大変嬉しく思います。
      古本屋巡りばかりなので、あと一冊がなかなか手に入らず未読です。
      NORAさんの、テンポの良い言葉選びのレビューを私も楽しく読ませていただいております。
      こちらこそ、宜しくお願いします(^^)
      2020/11/23
  • 社会派、というよりかはミステリーよりの作品でした。

    作品にあまり性別を持ち込みたくないのだけれど。
    男性の作家さんだと思って読んでいたら、やはり女性作家さんだったんですね。
    であるなら、もっともっと、ぐぐぐ、と心理的に迫ってもよい気がしてしまって。湊かなえに慣れすぎちゃったかなあ…

    様々な立場での「赦し」
    わたしも思うよ。お母さんの期待に添える娘じゃなくてごめんなさい、わたしが産まれたせいで、専業主婦になれなくてごめんなさい、って。
    その考え方は、苦しかった。だから、向き合って、整えた。いや、整えている。

    この作品に出てくる波琉をとりまく人たちは、誰もが赦しを請いながら生きていて、その罪悪感を誰にも言えずに背負い込んで生きていたり、ずっと親というものに縛られていて、自分の人生を生きられない。それがどれほど彼らを苦しめるか。背負わされた子どもに、罪はない。大人の罪は、重い。何かを取り繕って、その綻びがどうにもならなくなった時では、もう遅いんだ。子どもを救うなら、大人は取り繕ってはいけないんだ。その時に向き合わないと、犠牲者が出る。わかってる、人間はみんな完璧じゃない。でも。そうありたい。

  • 初まさきとしか
    母親のお話ですが、家族がテーマの作品です。
    登場人物は客観的に見ると皆、回り回って結局自分勝手なだけでメンヘラで読んでて腹立つわ!とまぁこんな感じではあるのですが
    そもそもそれがこの物語のベースであり、中身はともかく大きなくくりで見れば現実世界でもソンナモンデショ?
    とある意味現実味がある作品だなと感じました。
    母親の葛藤...間違いを侵しながらも子供を思う気持ちは...云々..な、ハートフル作品を期待してしまうと読了感はすこぶる悪いでしょう。
    1番の共感は、好きという気持ちに偽りは無くとも家族に当てはめるとさぶいぼ出てきちゃうマンの成彦くんです。まぁここは作品に大きな影響がある部分では無いのですが..笑
    この作品は読者の置かれている立場によって捉え方がガラッと変わってくるんだろうなぁと思いました。私は好きです、すこぶる。
    ただ、登場人物達の
    役割終了!はい退場!みたいな雑な扱いが勿体無いなぁと、終わり方はやや消化不良..お腹痛くなりました。

  • 事故で亡くした子供を産み直すというインパクトが大きくて裏筋を読んだ時にあー、イヤミスねって決めてかかっていたところがあったのです。しかし、全体的にぶっとんだ感はなく真面目に積み上げていったという印象の強い作品でした。
    完璧な母親であろうとする程に自分が理想とする母親像から遠ざかってしまうような焦燥、母親であれば感じたことがあると思う。
    親子という人間関係の難しさが描かれています。

  • 流産を重ね授かった最愛の息子が池で溺死。絶望の淵で母親の知可子は、息子を産み直すことを思いつく。同じ誕生日に産んだ妹に兄の名を付け、毎年ケーキに兄の歳の数の蝋燭を立て祝う妻の狂気に夫は怯えるが、知可子は歪な“完璧な母親”を目指し続ける。そんな中「あなたの子供は幸せでしょうか」と書かれた手紙が…。母の愛こそ最大のミステリ。

  • 歪な心を持っている人はどこか不気味だ。
    自分は正しいと信じているから歪んでいることに気づかない。気づこうともしない。
    誕生日のたびに死んだ長男の年齢まで言わせ、ケーキには長男が生きていたらなったであろう歳の数だけろうそくを立てる。
    妹は母親にとって死んだ長男と自分をつなぐイタコのような存在でしかない。
    幼い頃はいい。
    母親の言っていることの意味もわからず、ただ言われたことをそのまま信じているだけでいいのだから。
    でも、どんなときも母親が見ているのは死んだ長男でしかないとわかってしまったら…。
    波琉子は何故自分が生きているのかもわからなくなってしまうだろう。
    生きていることに意味がない。
    自分でいることに意味がない。
    自分単体には存在価値がない。
    母親はもちろん許せない。
    たとえ途中で間違いに気づいたとしても傷ついた心が元に戻るわけではない。
    失った母娘の時間が戻ってくるわけでもない。
    でも家族は二人きりではなかったはずだ。
    どうして父親は波琉子を守りきれなかったのだろう。
    どうして逃げ出してしまったのだろう。
    家族という場所は人にとって最後の逃げ場になり得る場所だと思う。
    絶対的に自分の味方でいてくれる人がそこにいる。
    なのに家族そのものが自分の存在を否定する場所になってしまったとしたら。
    波琉子の苦しみは母親が改心したからといって消えるわけもなく、簡単に修復できるような関係でもない。
    知可子も秋絵も弱すぎる。
    逃げても何も解決しないのに、辛いことから逃げてばかりいる。
    人間はそんなにも弱いものだということなのだろうか?
    ミステリーというよりも家族をテーマにしたホラー色のある一般小説のように感じた。
    やり切れない思いだけが残るけれど物語は一応の決着をみる。
    過去を振り返っても何も変わらない。
    これからの時間を、未来を見て歩き出さなければならないときが波琉子にも来たのだと信じたい。
    暗いテーマだし読んでいてきつい場面もある物語だった。

  • 最初はどんどん読み進められたけど、途中から疲れてしまった。
    母親になるって人生をかけたギャンブルのようなもので、無事に産まれるか、無事に育ってくれるか毎日毎日ヒヤヒヤもんなんだなと実感。

  • 最愛の息子を事故で失った母親は息子を産み直そうと同じ誕生日に娘を産み、二度と子供を失わないようにと完璧な母親を目指す…。人間関係においてそれが家族であっても完璧を目指そうとすれば無理が生じて歪みだす。当たり前のようで嵌りがちな罠。登場人物を弱いと断罪出来ない恐怖。

  • 前半を読んでいた時には母親の狂気ぶりに緊迫感がありましたが、
    途中ではホラー小説のようなオカルト小説のような不気味さが漂い、
    後半になると前半の内容とは異なったような気がして
    途中から何がテーマなのか分からなくなってしまいました。

    一つ言えることは「母親失格」と言われることを恐れて、
    その子供たちは人生を歪められてしまったり、
    過去の呪縛に囚われてしまい復讐ではなく赦すことを
    求めてしまったということです。
    また、「母親失格」と言われないために
    完璧な母親を求めていることだったと思います。
    けれどどこにも完璧な母親なんているはずがなく、
    自分を攻めてしまうという悪循環。
    子供にとって良い母親であれば
    完璧でなくても良いのではないかとこの作品を痛感します。

    母と子という関係は特別な関係だけにその親子にしか
    分からない間柄や距離感が必要なのだと思います。

    本の帯コメントに子供のために
    狂えるのは、私だけだけ。
    というのがありましたが、
    この母親の場合は一人目の子供に対しては良いとしても、
    二人目の子供に対しては子供のために狂っているのではなく、
    自分の都合の良さや、世間体を気にして子供を縛り付けて
    狂っているとしか思えなかったです。
    子供が子供らしい発言や行動ができていなかったところが
    読んでいても可哀想でたまらなかったです。
    だから余計に後になってから赦して欲しかったのかと思いました。

    湊かなえさんのような母親と娘の関係のミステリー
    かと想像していましたが、
    読み進めていくうちにそれとは違うので
    人物やストーリーに紛らわせないように
    読み進めていくと良いかと思います。

    まさきとしかさんの作品がこの本が初めてですが、
    読みやすくてストーリー展開としては面白い作品だと思ったので
    これをきっかけに他の作品も読んでみたいと思います。

  • 第一章で描かれる母親の心理状態はなかなか衝撃的。異常だと。だけどふと思う。異常という自分は正常なのか。子を亡くした絶望からどうやって立ち直るのか。母親の出した答えとそこから動き出す物語。意外な展開とつながり。完璧を求めたが故に起きた数々の出来事。圧倒される心理描写があったりして興味深く読めた。他の作品も読んでみたい。

全56件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1965年東京都生まれ。北海道育ち。1994年『パーティしようよ』が第28回北海道新聞文学賞佳作に選ばれる。2007年「散る咲く巡る」で第41回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)を受賞。著書に『夜の空の星の』『完璧な母親』『きわこのこと』など。

「2018年 『玉瀬家、休業中。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

まさきとしかの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

完璧な母親 (幻冬舎文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×