- Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344425545
作品紹介・あらすじ
流産を重ね授かった最愛の息子が池で溺死。絶望の淵で母親の知可子は、息子を産み直すことを思いつく。同じ誕生日に産んだ妹に兄の名を付け、毎年ケーキに兄の歳の数の蝋燭を立て祝う妻の狂気に夫は怯えるが、知可子は歪な"完璧な母親"を目指し続ける。そんな中「あなたの子供は幸せでしょうか」と書かれた手紙が-。母の愛こそ最大のミステリ。
感想・レビュー・書評
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完璧な母親。かなり偏った考え方。
第二章に出てくる他の家族の話より、もっと知可子と波琉子の心の闇について知りたかった。波琉子に対する気持ちが変化したあたりを、知可子目線でもっと詳しく描いて欲しかった。
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流産を重ね授かった最愛の息子が池で溺死。息子を産み直し、兄と同じ誕生日に産んだ妹に兄の名付けをする。
完璧な母親って何だろう・・・?
どの母親も、これでいいのだろうか?間違えてないか?という葛藤の中で子育てしていることが多いのではないだろうか。
子育てに正解なんて無い。
私も幼少の頃、母親に姉と自分の間には流産した子がいたことを聞かされたことがある。
翌年に自分が生まれ「生まれていたら年子だね」と言ったら、「子供は二人と決めていたから、その子が生まれいたらあなたは、居なかった」と言われ、複雑な気持ちになった。
自分はこの世に誕生してなかったら、今ここで本の感想をポチポチしていられなかった訳だ・・・。
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奏悟さん
初コメ失礼致します^ ^
いつもレビュー楽しみに読ませていただいております(* ´ ˘ ` *)
今回こちらを拝見して私とまるで同...奏悟さん
初コメ失礼致します^ ^
いつもレビュー楽しみに読ませていただいております(* ´ ˘ ` *)
今回こちらを拝見して私とまるで同じ境遇であった事に驚き思わずコメントしちゃいました( ˘ᴗ˘ )
たった今この瞬間好きな本に囲まれて思いのまま気持ちをポチポチ綴れる事、大変幸せに思います。
これからもレビュー楽しみにしていますね☆(実は奏悟さんの影響で粘膜シリーズ読み始めました 笑)
これからもどうぞよろしくお願いします☆2020/11/23 -
NORAさん
初めまして。いつもいいねをありがとうございます。
ブク友様からの、コメントをいただくのが初めてで返信に緊張しております。
親は...NORAさん
初めまして。いつもいいねをありがとうございます。
ブク友様からの、コメントをいただくのが初めてで返信に緊張しております。
親はさらりと伝えてきましたが、子供側からすると複雑ですよね(^_^;)
粘膜人間シリーズ、自分のレビューで読み始めたとあり大変嬉しく思います。
古本屋巡りばかりなので、あと一冊がなかなか手に入らず未読です。
NORAさんの、テンポの良い言葉選びのレビューを私も楽しく読ませていただいております。
こちらこそ、宜しくお願いします(^^)2020/11/23
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初まさきとしか。母親視点の家族がテーマ。
理解が追いつかなかったのでいつかもう一度読みたい。 -
母親失格
子の人生を歪める
バースデーケーキのろうそく
はるちゃん
赦す
サルバドール・ダリ
冷やし中華
死んだ兄の代わりとして
母親の狂気の元育った妹
自分自身の存在意義を求めて
さまよう波琉子が痛々しくて辛かった
ミステリ要素は薄めかな -
社会派、というよりかはミステリーよりの作品でした。
作品にあまり性別を持ち込みたくないのだけれど。
男性の作家さんだと思って読んでいたら、やはり女性作家さんだったんですね。
であるなら、もっともっと、ぐぐぐ、と心理的に迫ってもよい気がしてしまって。湊かなえに慣れすぎちゃったかなあ…
様々な立場での「赦し」
わたしも思うよ。お母さんの期待に添える娘じゃなくてごめんなさい、わたしが産まれたせいで、専業主婦になれなくてごめんなさい、って。
その考え方は、苦しかった。だから、向き合って、整えた。いや、整えている。
この作品に出てくる波琉をとりまく人たちは、誰もが赦しを請いながら生きていて、その罪悪感を誰にも言えずに背負い込んで生きていたり、ずっと親というものに縛られていて、自分の人生を生きられない。それがどれほど彼らを苦しめるか。背負わされた子どもに、罪はない。大人の罪は、重い。何かを取り繕って、その綻びがどうにもならなくなった時では、もう遅いんだ。子どもを救うなら、大人は取り繕ってはいけないんだ。その時に向き合わないと、犠牲者が出る。わかってる、人間はみんな完璧じゃない。でも。そうありたい。 -
事故で亡くした子供を産み直すというインパクトが大きくて裏筋を読んだ時にあー、イヤミスねって決めてかかっていたところがあったのです。しかし、全体的にぶっとんだ感はなく真面目に積み上げていったという印象の強い作品でした。
完璧な母親であろうとする程に自分が理想とする母親像から遠ざかってしまうような焦燥、母親であれば感じたことがあると思う。
親子という人間関係の難しさが描かれています。 -
❇︎
他の方のオススメを見て、
いつかは読みたいと思っていた一冊。
本の帯に書かれたコメントを読んで、
『これは絶対に引っ張られるタイプ』と思い、
読んでいてどうしても苦しくなったら
勇気を出して読むのを諦めようとルールを決めて
読み始めました。
前半半分まではやっぱり読んでいて苦しくて、
分かると分かりたくないという相反する
共感と拒絶の間で何度か止めようと思いました。
視点が変わった第二章で、なんとか気分が
持ち直してそのまま一気に読み終えました。
第一章は一章の息苦しさがあり、
第二章は二章の疑問と戸惑いがありました。
混乱の怒濤の中、その流れのままに第三章に
なだれ込んで驚愕に胸を震わすラストでした。
どんな人なら、この母のように凄まじく
狂おしいほどに子を愛し、押し潰さんばかりの
愛を注ぐことができるのか。
そして、その狂気的な愛を真っ直ぐな想いに
昇華させられるのかと深く想像しました。
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2つの家族が、どこでどう繋がっていくのか気になり、後半は一気読みした。バラバラだったパズルをはめていく感覚。読後感はあまり良くなかった。
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母親になったことないから、激しく共感はできないけど、世の中の母親は「完璧でなければならない」という思いをもっているのかな?
だとすると、その呪縛みたいなものは自分も自分の周りの人も傷つけることがあるんだな、と感じさせる1冊だった。
この作品の中に何度も出てくる「赦す」という表現。
「私を赦してくれますか?」
完璧を求める母親たちが、完璧になれない自分を誰かに赦してほしくて、命乞いをするように発していた。
そして、その母親をもつ娘・息子も完璧を目指して、でも完璧になれなくて、もがき苦しむ。