女の子は、明日も。 (幻冬舎文庫)

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  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344425682

作品紹介・あらすじ

略奪婚をした専業主婦の満里子、女性誌編集者の悠希、不妊治療を始めた仁美、人気翻訳家の理央。元同級生達は再会を機にそれぞれの悩みに向き合うことになる。前妻への罪悪感、要領のいい後輩への嫉妬、妊娠できない焦り、好奇の目に晒される戸惑い-。華やかな外見に隠された女性同士の痛すぎる友情と葛藤、そしてその先をリアルに描く衝撃作。

感想・レビュー・書評

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  • あなたには、『どれだけ欲しがっても、どうしても手に入らないもの』があるでしょうか?

    あれも読みたい、これも読みたい、ブクログでみなさんのレビューを読ませていただいていると、日々読みたい本、読みたい作家さんがどんどん増えていきます。私は、読んでレビューした作品しかブクログには登録しないポリシーを続けていますので読みたい思いがみなさんのお目に触れることはありませんが、他の方の本棚を見れば見るほどに読みたい本は積み上がってもいきます。

    ここはブクログの場なので私の欲について読みたい本を挙げてみましたが、もちろん本以外にも欲求はあります。あれが欲しい、あれが食べたい、そして○○へ旅したい…と欲求にはキリがありません。これは決して私だけのことではないと思います。このレビューを読んでくださっているあなたにもさまざまな欲求があると思います。そうです。全ての人間は日々数多の欲求と抗いながら生きているのです。しかし、さまざまな事情からその全てが叶えられるわけではありません。

    そんな私たちはその欲求を叶えるべくさまざまに努力して、その欲求を満たそうとはします。その感情が努力という言葉で言い表されれば欲求を叶えるという行為が別物に見えてきたりもします。しかし一方で、私たちには幾ら努力しても、どんなに願っても叶わないことがあるはずです。それは、例に出すまでもないでしょう。あなたが胸に手を当てるまでもなく、自分自身のこととしてあなたが一番よくわかっているはずだからです。

    さてここに、『どれだけ欲しがっても、どうしても手に入らないもの』の存在を感じる四人の女性が主人公となる物語があります。高校の元同級生という繋がりの先に偶然の再会を果たしたことで、一見、何の不平不満もなさそうに見える友人にも、外からは決して窺い知れない悩み苦しみがあることを知ることになるこの作品。友人と自分を見比べる中に悩みを深めていくそれぞれの姿を見るこの作品。そしてそれは、「女の子は、明日も。」という書名にピンとこない今のあなたが、これ以上ない共感の中に本を読み終える、女性なあなたに必読な物語です。
    
    『夫が残したバゲットの半切れ』を『ポトフに浸して、口に放り込』みながら『もしかして、夫が残すのはこの硬さのせいだろうか』、『噛む億劫さが勝つようになってきたのかも』と思うのは主人公の満里子。『ねえ、今日友達からお誘いメールがあったの。来週の水曜の夜、食事に行っていい?』と夫に訊く満里子は、『高校の同級生の子たち。最近、時々遊んでるでしょう』と続けます。それに『編集者や翻訳家の子か。あと、もう一人いたな』と訊く夫に『編集者が悠希ちゃんで、翻訳家が理央ちゃん。もう一人は仁美ちゃんで、マッサージ師』と説明する満里子。そんな満里子に『来週の水曜ね。わかった』と言う夫は『こっちは再来週の土曜なんだけど、病院の連中がまた家に来たいって言ってるんだ』、『みんな満里子の手料理に感激しててさ』とホームパーティの計画を告げます。それに『わかった』と頷いた満里子は、『壁のカレンダー』にメモしながら、過去のその日付の頃は何をしていただろうと振り返ります。『短大を出たあと就職先がなく』、派遣の登録先から紹介された『高級住宅街の中に立つ、斉藤クリニック」という眼科のみの小さな病院』で満里子の面接をしたのは、妻だという女性でした。子育て中で休んでいるもののの自分も皮膚科の医師という女性に、『きりりとした人』という印象を持った満里子は、そのクリニックで働き始めます。時々やってきては『「きりり」と指示を出』す女性。一方で院長は『床に広げた新聞』をうずくまって読む癖があり、そんな場面に出くわして『くすっと笑い声を立ててしま』う満里子。そんなある日、院長から食事に誘われた満里子は、それ以降もときどき誘いを受けるようになり、やがて『ホテルに誘われ』ます。そんな日々の中に、『見慣れない番号』から電話を受けた満里子は『聞き覚えのある「きりり」とした声』に『何が起こったのか』を理解しました。結局、妻と子と別居し、クリニックを閉めて『総合病院の勤務医になった』先生は、『申し訳なかった…言ってくれたらお金は用意する』と満里子に告げるも、ウェイトレスとして働き始めた満里子が彼を頼ることはありませんでした。そして、子供が小学校に入学したことを機に離婚、『あちらへの責任は、取り終わった』という先生から『今度は君への責任を取りたい。結婚しないか』と告げられたことで『満里子は十五歳年上の、離婚歴のある勤務医の妻』となりました。場面は変わり、『約束したイタリアンの店』へとやってきた満里子が一番乗りした場に四人が揃います。悠希、仁美、理央と、満里子という四人は『千葉の片隅の町にある公立高校で、同級生』。『今は三十二歳で、十四年ぶりに場所を変えた東京で再開したきっかけは、悠希の作っている女性誌』でした。そして、会話の進む面々を見ながら『このメンバーじゃなかったら、高校の同級生の集まりになんて、自分は絶対に来なかっただろう』と『息を潜めながら校舎に生息していた』高校時代のことに思いを馳せます。『おとなしそうなのに目を引くわよね』と大人たちから言われる風貌と『声をかけてくる男の子』と『深夜まで時間を潰す』といった『行動が相俟って、当時は多くの女子から嫌われていた』という満里子。そんな満里子に『他の子と分け隔てなく接してくれた、悠希』、『いつも愛想よく、満里子にもやさしくしてくれた仁美』、そして『常に自分のやり方で満里子に接してくれた、理央』という三人を見て、『この三人だからこそ』、『十四年の時を経て、同じ空気を味わうことができているのだと』満里子は思います。それぞれに結婚したものの子供はいないという三十二歳のアラサーの今を生きる四人。そんな四人のさまざまな感情渦巻く日々が描かれていきます。

    “略奪婚をした専業主婦の満里子、女性誌編集者の悠希、不妊治療を始めた仁美、人気翻訳家の理央。元同級生達は再会を機にそれぞれの悩みに向き合うことになる。華やかな外見に隠された女性同士の痛すぎる友情と葛藤、そしてその先をリアルに描く衝撃作”と内容紹介にうたわれるこの作品。登場する四人の主人公たちの年齢は三十二歳。1979年生まれの飛鳥井千砂さんがまさしく同年代に執筆され2014年に刊行された作品です。人生のどの年代にどういった感情を抱くものなのか、どの年代に一番戸惑いを感じるのか、その結論は年を経て人生の最期の瞬間にならないと分からないものだとは思います。しかし、一般論として三十代という時代に対する女性のみなさんの思いは特別、もしくは複雑なものがあると思います。昭和の時代とは異なり、必ずしも誰もが結婚する時代でも、必ずしも誰もが出産を経験する時代でもなくなりました。しかし、人が生物である以上、女性の体内事情に変わりはなく、結婚、出産ということと昭和の時代にはなかった仕事との確執という事態を前に複雑な感情を抱く方も多いと思います。

    私は今までに800冊ほどの女性作家さんが書かれた小説ばかりを読んできました。そこでは、やはり三十代を生きる女性という側面に光を当てた作品を多々目にしてきました。”’私たちの人生のピークって、やっぱり十代の半ばだったのかしらね’と、一緒に活躍した過去を振り返りつつアラサーの今を思う三人の女性の苦悩が描かれる角田光代さん「銀の夜」、そして、”四人で一人。でも、一人だって頑張れる”と人生のあまからを一緒に噛み締める中学からのアラサー親友四人が描かれる柚木麻子さん「あまからカルテット」などそこには傑作が多いように思います。同じく女性だからこそ気づける視点、考える視点が女性作家さんにはあるのだろうと思います。

    では、まずはこの作品に描かれていく四人のアラサー主人公たちをご紹介したいと思います。三十二歳の高校の元同級生の四人です。なお、この作品では彼女たちが身につける服の描写も一つの特徴です。その表現も加味してお伝えします。『どこにでもある居酒屋』で月に一度の機会に集まったという条件でそれぞれが着てきたものという視点でご覧ください。また、高校時代の彼女たちの個性を表した表現も併せて抜き出してみます。

     ・満里子: 専業主婦、夫は15歳年上の総合病院眼科勤務医、略奪婚
      → 『胸元にレースの付いた、上質そうな生地の黒いキャミソールの上にアンサンブルの黒いカーディガン。下は光沢のある、鮮やかな緑のロングスカート』。
      → 『校舎の中で一定の存在感を放』つ『風貌』と、男の子との『行動が相俟って』『多くの女子から嫌われていた』

     ・悠希: 女性誌の編集者、夫は5歳年下の料理人兼バーテン、偶然の出会い
      → 『白いカッターシャツに、黒と白のギンガムチェックの七分丈パンツ。動きやすいのが好きなので、大体いつもこんな格好をしている』。
      → 『リーダータイプではあるものの、決まったグループには属さ』ない

     ・仁美: マッサージ師、夫は3歳年上で電子部品メーカー勤務、お見合いパーティー
      → 『ミルクティー色のサマーニット。下は黒いフレアスカート』
      → 『目立たないグループの子たちと一緒にいることが多かったけれど、いつも愛想よ』い

     ・理央: 帰国子女で翻訳家、夫は同い年で広告会社勤務、大学時代の同級生
      → 『紺の無地のワンピース。よく見ると、濃い赤、緑、黄色などで模様が描かれている(だまし絵になっている)』。
      → 『個人主義で』『常に自分のやり方』

    おおよそそれぞれの女性の特徴がお分かりいただけたでしょうか?女性なあなたであれば彼女たちの服装からも大よそのイメージを思い浮かべることができるのではないかと思います。物語はそんな四人に章ごとに順に視点を切り替えながら展開していきます。

    そして、そんな四つの章には日本語と英語による章題がつけられています。ここで注目したいのは英語は日本語の章題を単純に英訳したのではなく、日本語は言葉のリズムを意識した抽象的なもの、英語がその内容を端的に説明するという役割を果たしているところです。では、そんな章題とそれぞれの章で視点の主を務める主人公および概略をご紹介しましょう。

     ・〈女の子は、あの日も。〉
      → an idol of girlfriends.
      → 満里子: 略奪婚に至るまでの過程と結婚後のそれからを見る物語

     ・〈女の子は、誰でも。〉
      → My prince is here now.
      → 悠希: 編集者としての苦悩と5歳年下の夫との出会いと関係性を見る物語

     ・〈女の子は、いつでも。〉
      → to lose is to win.
      → 仁美: マッサージ師としての仕事と3歳年上の夫との微笑ましい出会いの先を見る物語

     ・〈女の子は、明日も。〉
      → I can’t do it alone.
      → 理央: 大学時代からの関係の先に結婚した夫と偶然にも開けた翻訳家としての日々を描く物語

    そんな四人の物語の最大の特徴は、三十二歳の今を生きる彼女たちの心の機微が非常に細やかに描かれていくところだと思います。その繊細さは女性のこんな機微な部分まで表現するの!と驚くレベルです。それは間違いなく女性のみなさん、中でも同年代である三十代の今を生きる女性のみなさんの心に寄り添うものだと思います。そんな物語の一つのポイントは『子供』を持つということへのそれぞれの主人公たちの思いに現れてもいきます。結果的に略奪婚の先に総合病院の勤務医の妻としての今を生きる満里子は15歳年上という夫との微妙な感情のすれ違いの中に今を生きています。『ねえ。子供を作らない?』という満里子の提案に、『こうなるまでの過程のことも考えると、僕たちは子供を持っちゃいけないんじゃないかな』と諭す夫。複雑な感情に揺れ動いていく満里子を見る物語がそこに描かれていきます。希望していた編集者としての仕事に忙しい日々を送る悠希は、『生理休暇をよく取る後輩』を冷ややかに見る一方で『勢いと流れ』で結婚した5歳年下の夫に生活のあらゆることを委ねる毎日を送っています。『まだ子供とか考えてない』と仕事に勤しむ中にまさかの運命が彼女を襲います。マッサージ師としてサロンに勤める仁美は『お見合いパーティー』でどちらも不器用な生き方を認め合う中に結婚した今を生きています。『子供が欲しい』と夫婦共に願うも『「いいお母さん」になれる日が、また遠ざかってしまった。今月も生理が来てしまった』と不妊に悩む姿が描かれていきます。そして、帰国子女として『海外暮らしが長くて、感覚ずれてる』と自身のことを思う理央は予想外の展開の先に『翻訳家』としての今を大学時代から付き合ってきた夫との暮らしの中に生きています。一方で『子供があまり好きではないので、母になりたいという欲求も今はない』という理央は別の悩みを引きずってもいます。

    そんな四人の女性たちがときに相手と自分を比較する中で、嫉妬し、ときに励まし合いながら絶妙な距離感でお互いのことを大切に思いあってもいく姿が描かれていくこの作品。そんな物語には四人それぞれの人生観が滲み出てもきます。四人の女性たちはそれぞれに悩みを抱えています。同じ時代をかつて共に過ごした者同士だからこそ他の三人と自分を嫌でも比べてしまう中に焦りや苛立ち、そして嫉妬からくるさびしさを感じてもしまう彼女たち。三十二歳という時代を生きる彼女たちの心の機微を丁寧にとても細やかに映し取っていく飛鳥井さん。そんな飛鳥井さんが描く極めて読後感の良い物語に今まで感じたことのない気持ちが込み上げてくるのを感じました。三十代の今を生きる女性のみなさんには是非手にしていただきたいこの作品。心の機微を具に感じる物語がここにはありました。

     『誰にでも、どれだけ欲しがっても、どうしても手に入らないものって、きっとあってさ。そういうものがあるってことにおいては、誰でも平等だと思う』

    高校の元同級生四人が偶然に再会を果たした先に、そんな四人がお互いの人生に大切な存在として関わり合いをもっていく姿が描かれるこの作品。そこには、一見順風満帆と見える人生の裏側にそれぞれに悩み苦しみながら生きていく『女の子』の姿がありました。そんな『女の子』という表現が結末を読んでストンと心に入ってくるのを感じるこの作品。『男の子』よりも『女の子』にこそ是非読んでいただきたいこの作品。

    四人の女性たちの心の内を極めて細やかに紡ぎ出す表現の頻出に、飛鳥井千砂さんの上手さを見る傑作だと思いました。

  • それぞれ違ったライフスタイルを送る4人。
    各章で4人の日常がそれぞれ明かされ、集まった時には、表面的には分からないお互いの事情が見えて、自分の人間関係も同じく、全て分かったつもりにはなれないのだと改めて感じた。

  • いつもは女性同士のドロドロした関係とか嫌なとこの詰め合わせみたいな物語を結構読むのですが(笑)
    この作品は不妊治療だとか婦人科系の病気だとかデリケートな問題を扱っているので、マウントとか探り合いとかに発展するのかと思えば、そうではなかった。各々抱えているものは違って、みんな分かち合えるわけではないけれど、大人になってからも友人関係って築けるんだなぁと。また、それぞれのパートナー(夫)との関係も描かれており、みんな違うタイプで夫婦という形でおさまっていてよかった。

    フィクションとしてドロドロした物語はよくあるけど、実際はこのお話ぐらいがリアルなんじゃないかと思う(そうあってほしい)。

  • 隣の芝生は青く見える。
    この本に登場する人たちは皆、それぞれ良い人生を送れていると思う反面、嫌なことも沢山あるというような感じ。
    気持ち的にちょっと凹んだり、上手くいかないこととががあったりすると誰でも他人の方が良く見えてしまう。そういうことを端的に表した本。
    たまたま人物が全員女性だけど、男性でも同じことが言えると思う。
    大切なのは、自己肯定感かなと。

  • 20代前半の私が読み終えた感想としては
    「うわぁ〜〜まだまだ、もっともっと悩むのかぁ!」と言う感じ。
    想像できそうでできない、リアル(なんだろうな)な女性の悩みや葛藤に「自分なんてまだまだだなぁ」と思わされた。

    教科書のような感覚で読んだ。30代になったらこの話題はデリケートな話題なのかぁ、、、。30代になった時の人間関係は一体どんな風になっているのだろう、、、。

    女性同士の複雑なコミュニケーションは"繊細な心がそうさせている"と表現した瀧波ユカリさんの解説がしっくりきたというか、素敵だなぁと思った。

  • 登場人物の4人の女子。
    みんな、それぞれの悩み…
    多分、女子なら一度は思ったことがある悩みと一つくらいは重なるかな?

    女子特有のドロドロした話もなく
    サクサクと読めました。

    同級生に会いたくなりました。

    幸せそうに見えても、みんな外には見えないけど
    悩みを抱えてるよなぁ。

  • 飛鳥井さん、やっぱり大好き!

    描かれるひとりひとりが抱える問題は
    あり得ないくらいくっきりとしていて
    非現実的なのかもしれない。

    でも…本当に元気になれる瞬間が
    必ず訪れる。登場人物だけでなく
    読んでいる私にも。

    類型的とも言える展開かもしれない。
    でも、凄い。ひとりひとりの問題は
    それぞれに異なっているのに
    ストーリーの最後には きちんと
    前を向いて歩く元気を注入されている。
    異なるものが収まるべきところに収まる。
    その類型の中に それぞれに異なる
    ありとあらゆる心の問題を収めてしまう
    ヴァリエーションを生み出す
    飛鳥井さんの作品から 私は目が離せない。

    ところで。

    理央が翻訳に煮詰まっていた3つの会話。
    その3つ目。
    I can't do it alone .
    理央は媚びでも依存でもなく
    「あなたが頼り。私一人じゃできない」と
    訳していたが もう少しだけ現代の女性に
    そして理央の気持ちに寄り添えば こうは
    ならないだろうか。

    「あなたがいなければ 私は私でいられない」

  • 30代女性の4人のそれぞれの悩み。
    羨ましいなぁと思う人にもそれぞれ悩みがある。
    そんなもんなんだなぁと思う。
    自分は1番リオと旦那さんの関係が好きだった。
    読みやすくて、またこの作家さんの本読んでみたいな。

  • 初めましての作家さん。
    いい意味で思いがけず名作に出会えて幸せ。

    出産、恋愛、仕事。
    体調や人間関係まででてきて、まさに30代前半今の私にドンピシャな小説だった。

    ホルモン系の病気とか婦人科とか、ホント響いた。みんな悩んでるんだね。
    子育てと仕事、パートナーとの関係、周りと比べての劣等感。
    どの登場人物の悩みや思いにもすごく共感できて、ずっと読んでいたいと思う小説だった。

    女性同士のドロドロした感じがなく、明るく背中押してもらえる感じも良かった。
    この作者さん好きかも。違う作品も読んでみたい。

  • タイプが違う同級生4人が大人になった時の話。それぞれの視点で書かれていて、葛藤はあるが全員が友情を大事にしていて良かった。

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著者プロフィール

1979年生まれ、愛知県出身。2005年 『はるがいったら』 で第18回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。11年に上梓した 『タイニー・タイニー・ハッピー』 がベストセラーとなり注目を集めた。他の著書に 『君は素知らぬ顔で』(祥伝社文庫) 『女の子は、明日も。』 『砂に泳ぐ彼女』 など多数。

「2021年 『そのバケツでは水がくめない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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