骨を彩る (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 1533
感想 : 111
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344425699

感想・レビュー・書評

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  • 最近一通り色んな作家さん巡りをしてます。
    めっちゃ好み!と思ったら2冊目を買います。
    なので、作家さんの初読みに選ぶ本は、私の中で重要です笑

    今回、彩瀬まるさんも初読み。
    これを1冊目に選んだのは、本屋さんが宣伝として最前列に並べており、表紙が綺麗(結構表紙で惹かれて買うのも多いです、ミステリー以外は)

    指のたより
    古世代のバームロール
    ばらばら
    ハライソ
    やわらかい骨

    と、短編の連作集というのでしょうか。
    登場人物は次の話にも出てきたりしますが、
    それぞれの短編毎に主人公がいます。

    人間多種多様とは言えども、骨はみんな同じ。
    頭蓋骨、肩甲骨……
    それに肉がついていて、
    心は見えないがみんな違う。
    なんか色々考えさせられました。

    人それぞれ何かを抱えていて、
    傷つかない人なんていないということ、
    ただし、なるべく傷つかないように防御したり、忘れたり、諦めたりと。大人になるにつれて身についていき、これがないと生きていけないのかもしれないなと。

    ※背表紙の抜粋※
    わからない
    取り戻せない
    どうしようもない。

    心に『ない』を抱える人々を痛いほど繊細に描いた代表作。

    読み終えて数日経過してのレビューなので、、
    やはり今後は読んだ後にすぐに書こうー
    その方が大事な事が鮮明に記憶に残る気がする。
    他の方のレビューも見てみよーと☆

    • さてさてさん
      なんなんさん、こんにちは!
      いつもありがとうございます。
      私も彩瀬さんのこの作品読みました。そもそも書名に『骨』が入るというのもインパク...
      なんなんさん、こんにちは!
      いつもありがとうございます。
      私も彩瀬さんのこの作品読みました。そもそも書名に『骨』が入るというのもインパクト大ですよね。おっしゃる通り、とても繊細に紡がれた作品だと思いました。
      また、お書きになられている通り初読みは重要ですよね。私も彩瀬さんはこの作品がスタートで、六冊まで読み進めています。良い作品との出会いはその作家さんを印象づけていくと思います。私は同じ作家さんの作品、三冊ワンセットで読むと決めています。合う合わないを三冊も読めばわかるかなあと。そこから次の三冊に進むか、そこで終了するか、そんな読書をしています。
      彩瀬さん、「新しい星」もとても良かったです。面白い視点という点では「さいはての家」もなるほどと思いました。
      すみません、自分のレビューのごとくコメントが長くなりました。失礼しました。
      今後ともよろしくお願いいたします!
      2022/09/29
    • なんなんさん
      さてさてさん、こんばんは!
      いつもレビュー読ませて頂いてます。
      なんでこんなに素晴らしいレビュー書けるんだろうなあってアウトプットスキル含め...
      さてさてさん、こんばんは!
      いつもレビュー読ませて頂いてます。
      なんでこんなに素晴らしいレビュー書けるんだろうなあってアウトプットスキル含めて尊敬しておりますっ!!!

      3冊ワンセットで読んでるんですね。
      素敵です!
      私、1冊目が飽きてしまうと、次にいってしまっておりました……。皆さんのこのようなサイクルというか読み方というか、選び方など知りたかったので参考になります!

      新しい星、さいはての家、要チェックします。教えて頂きありがとうございます!

      これからも宜しくお願いします☆
      2022/09/29
  • みんな誰だって隠しておきたい事、心に暗い影をもっているものなんだなと改めて思う作品でした。
    読み終えてみると、愛情や人の優しさ、思いはもっていても中々伝わらないものなんだな、と。
    相手を思う気持ちがかえって相手との距離を生み
    、ささいな誤解が大きくなり。
    人と繫がれる事は奇跡に近くて正解はないのかな。
    でも思う気持ちさえあればいつかまた理解しあえるのかも。
    感想は自分の気持ちも相手の気持ちも、理解するのは難しいでした。

  • 静かにゆっくりと流れる文章。
    なのに心の奥をぐいぐい抉られた。
    5つの物語が穏やかに繋がる連作短編。
    「隣の芝生は青い」というように、つい自分以外の人を羨ましく思ったり時に妬んだり…。
    でもその妬まれた人だって実は他人には明かせない弱さを抱えていることもある。

    自分の中で骨が一本足りない気がして落ち着かなくて、足りないものを補うみたいについ力が入ってしまう…この気持ち、なんか分かる。
    一人一人の喪失感が丁寧に描かれてあり何度も切なくなった。
    そして最初と最後の短編の、イチョウの黄金色の雨が繋がった時、とても泣けた。

  • 初めて読む彩瀬まるさん。
    登場人物それぞれの視点での話を集めた短編集だった。
    外からは華やかで満ち足りた人生に見えても、その人の中には決して埋められない何かを必死で抱えていたりすることを、物語を通して感じました。
    登場人物それぞれの幸せを切に願ってしまう、繊細で温かいお話だった。

  • 自分を形成するものの中で他の人とは違う部分、欠けてる部分をどう変えていくか、折り合いをつけるか。
    父の欠けた骨を埋めた景色が娘の骨を彩ってくれて良かったです。

  • すごく良かったです。
    抽象的な表現もあるので理解するのに難しいところもあるけど、それぞれの心の内を言葉で表現できるのはさすがです‼︎
    視点が違うと人の印象って全然違うんだなと、普通に考えればわかることなのかもしれないけど改めて気づかせてくれる作品でした。
    他のも読みます‼︎

  • 誰かのことを理解したいと思う気持ち
    私のことを、わかってほしいという気持ち

    触れてもいいの、いいのか、いいんだ
    いいですとも、
    と許される関係の特別さ

  • 人は皆、なにかが足りない、どこか満たされない、骨が疼くような「ない」を抱えて生きている…。緩やかに繋がる5つの物語の主人公たちは、それぞれ自分の中にある「穴」を埋めようともがいています。他人と比べてしまいがちですが、自分の中の「穴」は、自分にしか埋めることはできないのだ。静かな物語ですが、本書の美しい装丁のように柔らかな黄色い光が感じられ、読み終えたときに、私の「穴」も埋まったような暖かい気持ちになりました。とても良い作品でした。3話目が一番好き。タイトルと装丁も好き。

  • 引用
    「富士山みたいなもんだよ。縁がある奴はあまり深く考えずに登る。縁がない奴は一生登らない。ただ、登っちゃえばとりあえずどこに休憩所があるとか、何合目ではこんな感じとか、大体の道のりがわかるから、無闇に悩んだり、実物より大変な想像をしたりはしなくなる」
    このセリフがとても好き。確かに、いつも調べて不安がりすぎて持ち物だったりが多くなるけれど意外と持ってなくてもなんとかなったりするものな。
    あさのあつこさんの解説もとっても良かった。

  • 彩瀬まるさんの本4冊目。
    5つの短編やけど繋がってる、でも各物語がしっかり独立してる。
    彩瀬さんの抽象的な、幻想的な文章が掴みどころのない雰囲気を作ってるんだろうなぁ。

著者プロフィール

1986年千葉県生まれ。2010年「花に眩む」で「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞しデビュー。16年『やがて海へと届く』で野間文芸新人賞候補、17年『くちなし』で直木賞候補、19年『森があふれる』で織田作之助賞候補に。著書に『あのひとは蜘蛛を潰せない』『骨を彩る』『川のほとりで羽化するぼくら』『新しい星』『かんむり』など。

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