スクールセクハラ なぜ教師のわいせつ犯罪は繰り返されるのか (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344425859

作品紹介・あらすじ

相手が先生だから抵抗できなかった-教師が絶対的な権力を持つ教室や部活動の現場で、被害者は「隙があったのではないか」と責められ、教育委員会は事なかれ主義を貫き、隠蔽体質がはびこる。わいせつ行為で処分を受けるのはごく一部で、泣き寝入りが大半だ。他人事ではない学校だから起きる性犯罪の実態を浮き彫りにする執念のドキュメント。

感想・レビュー・書評

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  • 学校内で行われる生徒に対して行われるセクハラ。
    読んでいると、もはやただの犯罪。
    何故、このようなことが繰り返されるのか、何人かの当事者たちの話から浮かび上がるもの。

    多くの人は普通に真面目な教師だったはずなのに、何がきっかけでそうなってしまったのか。
    こうした犯罪だけに関わらず、大体の犯罪なんてものは、そんな人じゃないと思われる人も手を出してしまうものなのだろうな。

    教師というとどうしても人を指導するという点から人を支配するというか上から見てしまい、いいなりにしてしまう。学校という閉鎖された環境だからこそ、それが当たり前だと思ってしまう。
    読んでいて、なんでそれがおかしいと思わないのだろう?と思う面もあった。しかし。当事者になって、その場にいてしまうとその状況に押し流されてしまうのかもしれない。

    やはり、こうした現状があるということは広く知らせる必要があるのだろうなと。

    本筋とは関係ないが、はたと気づいたことがある。部活動の話で、教師がその成績によっても自分の成果になり、評価に繋がるというような話があった。
    部活動ほぼボランティアのような状態で、教師は苦労しているというような報道を見ていて、多くの教師は部活動の顧問なんてやりたくないとかいうイメージを抱いていた。実際にそのような声もあると思う。しかし、このように評価に繋がることを考えたときに、全ての教師が部活動の顧問がなくなれば良いと思っているわけではないのかもしれないと感じた。

    報道1つとっても、印象や片側だけの意見を聞いて判断するのは怖いのだと改めて思った。
    本書内でもそれを感じる面はあり、そういう点でも読んで良かったと思える本だった。

  • もしかしたら自分の学生時代にもスクールセクハラの被害にあいながらも誰にも相談できず苦しんでいた
    友人がいたのかもしれない…
    そして今現在でも同じことが続いているとしたら…
    と想像すると怒りの感情が爆発しそうになる

    ただここで大事なのはやはりその構造なんだと思う
    権力を持った正しい存在とされる(そもそも無自覚すぎる)教師、大事にしたくない学校の隠蔽体質
    逆に告発者を非難する二次被害の例もあるとしたらと考えるだけで胸が苦しくなってくる

  • 東2法経図・6F指定 374.3A/I34s/Ishii

  • スクールセクハラや教師のわいせつ犯罪は本当に難しい問題。はっきりとスクールセクハラやわいせつ犯罪となるような問題は断じて許せないけれど、その一方で男女の恋愛は個人間の問題という面もある。実際に、教師と生徒間の恋愛は少なくないし、中には教師と生徒が卒業後に結婚するケースだってあるのが現実。それまでも完全にダメとしていまうのも違うと思うし、本当に難しいと思う。

  • これはもう、職業として選んだ段階で間違ったとしか思えない事例ばかり。憤りしか感じない。

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