- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344426160
作品紹介・あらすじ
人生をつつがなく平凡に暮らしたいなら本など読まないほうがいい。しかし、本を読んだほうが人生は格段に面白くなる-。人類未踏の地に分け入り、暗闇の中で氷雪を踏み歩く探検家にしてノンフィクション作家が、古今東西の書物を通して、「なぜ、探検するのか?」を切実に模索する。爆笑にして深遠な読書エッセイ。毎日出版文化賞書評賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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Youtubeの日経テレ東大学での対談を見て初めて知った人物。
生と死についての考え方が僕と似ていたことから、この本を読んでみた。
角幡唯介がどのような本を読んで影響を受けてきたかがわかる作品で、僕も紹介された本を読んでみたいと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
チベットの奥地、ツアンポー渓谷で死と隣り合わせの遡行を経験した筆者は、自然とは死であると思い至った。
しかし、ある本を読んだことで、母親にとっては子を自らに宿すことは、自然それすなわち生ではないかと思い至る。
男にとっては、自らの命を代償にして自然へと分け入っていかなくては生死を感じることができないという結論を得る。
そして身重の妻に「だから山に行ってきます」と言って妻を置いて山に行くことに顰蹙を買うのだ。
探検家の三大北壁とは就職、結婚、出産である。
その度、真っ当な社会生活を送るか、探検に身を投じるかの選択を迫られる。
結婚もした。子供もでいた。
それでもなお探検をし続ける作者が、読書を通じて思考する。
探検家の視点だと、この本にはこういう読み方もあるのか、と思わせる。
自分の人生を変える本に、筆者は出会った。
俺も人生を変える衝撃を得られる本に出会えるだろうか。 -
角幡さんが読んだ本を通して、角幡さんの頭の中をちょっとだけ覗き見させてもらえるエッセイ集。
カバー裏にもある次の一節が、本読みさんを痺れさせる。
ーー人生をつつがなく平凡に暮らしたいなら本など読まないほうがいい。しかし、本を読んだほうが人生は格段に面白くなる。(p.11)
本当にその通りだ。
中島敦と宮沢賢治、そして杉浦日奈子先生に人生を狂わされた私としては、深く頷くところ。
さて、本書では小説・ノンフィクション併せて16冊を巡る角幡さんのエッセイと、読書日記が展開する。
私の既読本と重なる本で印象的だったのは『ハーモニー』と『告白』。なるほど、そう読むのかと面白かったし、物書きさんならではの受け止め方があるのだなと興味深い。
未読本で面白そうだなと思った本はたくさんあるが、中でも『狼の群れと暮らした男』はぜひ読んでみたいと思った。
普段、どうしても読む本の傾向が偏ってしまって、好き嫌いをなくす、という目標を見失いがちな私には、とても良いブックリストを提供してくれた本だった。本と探検が好きな方にはおすすめ。
ついでに、角幡さんも積読スペースがあって、なかなかの年数を重ねて積読されているらしいのが、私にとっては励みというか慰めというか安心につながった。私だけじゃ無いんだ感って大事だな。 -
ずいぶん時間を掛けて読了した。それは単に併読する中でこの本は寝る前の対象に区分されたためかもしれない。そして色々知らない作家の本に触発されて購入することになった。彼自身の表現についてはもともと好きなためとてもわかり易く感じたし楽しめた。彼の著作はまだ未読のものもあるけど、一区切りついたので今後はこの本に紹介の本もターゲットに読み進めたいと思う。
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冒険家の筆者の読書録。いろんなジャンルの本をめっちゃ読んでるのには脱帽。
「人生をつつがなく平凡に暮らしたいなら本など読まないほうがいい。しかし、本を読んだほうが人生は格段に面白くなる。」の文章にやられた。そして読んでる本が、私の既読本とか読みたい本と被ってるのにやられた。こういう本って、紹介されてる本が自分の心に響くかどうかよくわかんないものが多いんだけど、この本は「うわあ、読みたい…」と純粋に思わせてくれる本で感動した。
筆者の文章力もすごく自分好みで、好きな筆者がまた増えたのも喜びだった。 -
冒険家、角幡さんの読書記録。冒険しながら読書なんてと思ったが、吹雪や暴風の時はテントに籠るしかないので読書が進むというので納得。本書では、その本の内容や感想よりも、その本を読んだ時の状況やそれによって本人がどう変わったかだったり、作者の気持ちを解説したりしている。例として、「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」について、作者は柔道家であり、木村の大ファン(というか信者)である。木村は当時柔道界最強であるが、プロレスラー力道山に惨敗している。となれば、本当は木村の方が強かったと言いたいはずで、本書では、、、というくだり。こういう読み方もあるんだと感心した。全体的に冒険物、ノンフィクションが多かったが、面白そうな本が多かったので早速注文。
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知らない本がたくさん紹介されていて面白い。色々読んでみたくなる。
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2020年5月12日読了。
探検家、角幡唯介のブックレビュー式エッセイ。
角幡の本はほぼ読んでいるが、出会いは「空白の5マイル」だった。
驚いたのは角幡が読書家であること。1冊、1冊の本にものすごく丁寧に向き合っていること。それぞれの読後の感想に自分を照らし合わせ、独自の解釈を加え本を人生の糧にしていることだ。
「本は人生を変える」とも書かれているが、未だ人生を変えるほどの本に出会っていないのは幸せなのか、不幸せなのかそれはわからない。
また、読みたい本がたくさん増えてしまった -
次に読みたいと思う本がたくさん紹介されていた。冒険家はたくさん本を読むのだな。
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ん〜深みがない。前半読んだけど、あとも微妙そうで途中で止める
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元新聞記者で探検家である著者の書評集。ファンなので、つい買ってしまった。金原ひとみのマザーズの書評、「自分は生を感じる為に冒険に出掛けるが妻は妊娠しその体内に生を宿したので、女の人はわざわざ遠くへ冒険に行く必要がないのか、なんたることだ」みたいなくだりは笑ってしまった。そういうものなのかもしれないな。
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なんか参考になるかと思ったけど、私はおもしろい本は読みたいけど重たい本はもう読みなくないのでどれも無理だなーって思った。
あと自分の体験に絡めて書評書くのいいなって思ったけどこれもまあ真似できないね。 -
探検家はどんな本を読むのか。
本と冒険の密接な関係とは。