- Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344426382
作品紹介・あらすじ
赤いスイートピーは赤いが、なぜ私たちはスイートピーが赤いとわかるのか?「超高速ですれ違う亀田兄弟」にとって、お互いのパンチはどのように見えるのか?もしも"もしもボックス"がこの世に存在するとしたら?光・相対性理論・重力・宇宙-真面目な科学の本質を、バカバカしいたとえ話で解き明かし、爆笑と共に世界の謎と不思議に迫る!
感想・レビュー・書評
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「本書はバカバカしい本です」と著者がいう通り、難しい数式などは一切なく科学的な疑問をわかりやすく伝えるという趣旨の本。
本書扱う科学は、宇宙の話がメインで他には進化論の話なども少し。
たとえ話(というか妄想?)が多いのですが、そのたとえ話の着眼点が面白い。
例えば、色の項目では「色がなくなったら私たちはどうやってスライムとスライムベスを判別すればいいのか?」というコメント
確かに困る。スライムかと思ったら、めっちゃダメージ受けてやられてしまう。一応、スライムベスの方が一回り大きかったんだっけか?
ちゃんとした科学の話も色々と知ることができるのも魅力だ。
本書によると、光速に近づくと、モノの長さが縮むという。
光速の90%で長さが44%に、光速の99%の速度ならなら長さは4.4%まで縮小される。
著者はこれにより、ダックスフンドが犬らしいボディになれることを指摘している。
こんな感じで、壮大な科学の話からの、急に身近な例になる構成がクセになる。
次はどう来るんだ?と待ち構えてはかわされる(笑)。
以下で本書を読んで面白いと思った点を紹介します。
◆宇宙での時間変化
宇宙では、時間の流れが地球上とは異なる。
人工衛星では、スピードによる時間変化と重力による時間変化があり、前者の影響で1日に100万分の45秒進み、後者の影響で1日に100万分の7秒遅れる。
ちなみに光速に近いスピードで3年間旅をすると、地球上であなたは会社を60年間休職していた人になるので、無事復帰できるかはわからないという。
◆高速に近づくと重くなる
高速移動中の物体は質量が重くなる。
光速に近づくと、イチローも地球より重くなる。
◆特殊相対性理論の応用法
新幹線が通過する瞬間にパンチを出すと、両方とも「お前のパンチ、止まって見えるわ!!」状態になる。
◆場所によって重さが違う話
北極点と赤道では重さが0.5%違う。60kgの体重なら300gか。ボクサーなら0.5%でも結構影響でそう。最近は補正してくれる体重計もあるそう。
◆ゴーストについて
壁をすり抜けるなら、床もすり抜けないとおかしいし、
落ち続けて地球の中心はゴーストだらけになる。
重力を受けていない設定では?
→重力を受けていないなら質量は0。質量0なら光速で移動することしかできない。
・・・なるほど
◆光を曲げるためには
地球の6倍の質量のブラックホールを置けば、光を曲げ、前を歩く女性のスカートの中を見ることも可能。ただし、全てが吸い込まれることになるだろう。
◆量子ゼノン効果
「あるものの状態を変化させたくなければ、頻繁に観測すればよい。」という理論らしい。
・・・そういうものなんだろうか?
◆テレポーテーションについて
テレポーテーションとは、自分と同じ存在を別の場所に出現させること。
時間が来れば消えるような設定をして置けば、テレポーテーションの実用化もできる?
◆透明マント
景観を損ねるからと高層ビルを透けさせたら、鳥はガンガンぶつかるのが課題
◆コールドスリープ
コールドスリープの歴史は古く、ピラミッドやミイラも一種のコールドスリープだという。
著者の、「亡くなってからコールドスリープしても、復活したとき高齢者」だから意味ないという理論はなるほどと思った。
◆宇宙で背が伸びる話
宇宙では身長5cm伸びます。ただし、もともとある程度の身長がないと宇宙飛行士の試験を合格できない。
◆人類滅亡の危機
1996に1996JAという小惑星が月と同じくらいまで接近。ぶつかっていたら広島原発10万発以上の威力だったというが、発見されたのはなんと通過の5日前だった。
なにそれこわい。
・・・衝突は確率の問題だから、宇宙開発は進めないといずれ人類滅ぶのでは?と思った
◆ダークマターとダークエネルギーについて
星の重力だけでは説明できないほど、光が曲がっている→見えないし正体不明だけどなにか重力を発生させる物質がある→それが暗黒物質(ダークマター)
宇宙にあるエネルギーは、5%が星やガス、25%が暗黒物質、75%がダークエネルギーだという。
このダークエネルギーは物理法則が他の物質とまるで逆で、ダークエネルギーは斥力を持ち、空間が広がっても密度が変わらないという。
・・・初めて知ったけどさすがに理論が自由すぎる感じする。今後何かわかったら理論が変わったりするのかなと思った。
◆動物園説
宇宙人はずっと前から地球という未開の星を発見しているけど、未開な地球人の生態系を壊さないように地球近隣を立ち入り禁止区域にして今も姿を隠して密かにその成長を見守っている、という動物園仮説。
著者のこの理論で考えると、「UFO見かけたら撃墜したくなる、現地民なめんな」みたいなコメントが面白かった。
ただ実際、マチュピチュの遺跡などは当時の建築技術を超えているそうで、宇宙人の関与が考えられているらしい。
◆進化論
キリンの首が長くなった理由。
上の葉を取るために頑張って長くなったわけでなくて、少し首の長いやつが生き残った。それを繰り返して今の長さになったということ。
◆偽物で優位性を失ったオオカバマダラ
オオカバマダラが不味さで天敵から身を守っていたのに、不味くもなく毒もないけど姿を似せた種が登場。これにより、鳥は勘違いしてオオカバマダラも食べるようになる、という、オオカバマダラには迷惑しかない偽物。知的財産権の侵害?
◆サメハダイモリの強すぎる毒性
サメハダイモリは一匹で100人殺せるほどの過剰な毒力を持つという。
なぜかというと毒に耐性がある天敵のガーターヘビとのいたちごっこの結果だという。
「ドラゴンボールで言えば、切磋琢磨した悟空とベジータに対し、人間は完全に取り残されたヤムチャです。」とは著者の弁。
◆ウエストとヒップの黄金比
ウエストとヒップの比率が7:10がモテるらしい。
◆人類の大先輩たち
生物の先輩といえば、ワニ先輩とゴキブリ大先輩。海外のゴキブリは噛む。ゴキブリは元々森に住む虫で今も9割は森にいるという。
・・そいつらが街に出てきたら詰む、と思った。
「後輩に手加減されるというのは屈辱なので、全力で叩き潰しましょう!」とゴキブリ嫌いな著者は言う。
ゴキブリは下半身のセンサーで空気を察知して逃げるので、前からの方が叩きやすいらしい。
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軽い気持ちで読み始めたら、かなり引き込まれてしまいました。
ブラックホールでした(笑)。
科学と哲学とネタの間どりしたような作品で、オススメです! -
光:性質 色彩 速度の相対性と光速度不変の原理 特殊相対性理論:長さの縮みと質量変化 時間と長さの相対性 質量とエネルギー 万有引力:地球の重力 一般相対性理論:空間の歪み 重力と時間 量子論:素粒子の性質 量子ゼノン効果 重ね合わせ 多世界解釈 タイムマシン:閉じた時間的曲線の存在可能性 親殺しのパラドックス 発明:量子テレポーテーション 光学迷彩 人体冷凍保存 宇宙:誕生・終焉 暗黒物質とダークエネルギー 地球外知的生命体 進化論:獲得形質の遺伝 個体差・突然変異 共振化と性選択 ネオテニー化
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ちゃんと読んだら科学のことがなんとなくでも分かるんだろうけど。。
自分にははまらなかったな。 -
おバカな本だけど、嫌いじゃない。
2、3年後に読み返してみるとよい。 -
目次やパラパラ読みで興味をそそる内容ばかりだったので迷わず購入‼
目に見えているもの、聴こえるもの、そこに存在するもの。全てが科学と深い関わりがあることに衝撃を受けました。
そして本書が私にとって、相対性理論に触れた初めての本になりました。 -
かなりおバカな説明ですが、分かりやすい科学の解説、真の初心者向け。
まずは興味が持てて、曲がりなりにも自分の知識にできる。 -
どこまで信じていいか分からないけど、著者のいう「入門書の入門書」としてはすごく楽しく読めた。
人に解説をするにあたり、こう嚙み砕くこともできるのかという参考にもなる。
科学だとか物理学の話になるとどうしても基本的な知識がないと入り込めず、かつ先も見えないから読んでて辛くなる。この本にはその「辛くなる」がなくて、著者の悪ふざけもオチがなんとなく分かるのでテンポ良く読める。
他の本も読んでみようかなと思えた。