サーカスナイト (幻冬舎文庫)

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  • 幻冬舎 (2017年8月4日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344426443

作品紹介

バリで精霊の存在を感じながら育ち、物の記憶を読み取る能力を持つさやかのもとに、ある日奇妙な手紙が届いた。「庭を掘らせていただけないでしょうか」。それは左手が動かなくなった悲惨な記憶をよみがえらせ…。愛娘の世話や義母との交流、バリ再訪により、さやかの心と体は次第に癒えていく。自然の力とバリの魅力に満ちた心あたたまる物語。

サーカスナイト (幻冬舎文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ちょっとした幸せを噛みしめながら、ときに親や恋人、世話になった人々の愛情を反芻しながら、日々を過ごしていく主人公さやか。そんな生活のなか、さやかは不思議な巡り合わせで悲しくもある物語と引き合うことになる。やがてその物語は、彼女と彼女を守ってきた愛情によって、輪郭をともない、生きる人へとつながっていく。

    ①現代社会に平和、憩いとして描かれるものに注目
    多くの愛情を受けたことが幸せを呼び、その幸せがまた愛情を呼ぶという循環によって延々と続いていく優しい世界。そんな世界が描かれることは、その世界が現代と近くて遠い状況にあることを意識させる。

    ②生き方を分ける境界
    主人公さやかは最後まで幸せな側として描かれるが、絶対的なこととして幸せであるわけではない。作中の印象的なセリフ「それでもね、なにか、ひとつ薄い膜だけれど、幕のようなものがあって、私はなかなかあそこに世話になる状況にはなりにくいと……」
    ここでのキーワードが古井由吉の『杳子』を連想させる。健康と病気の間の「薄い膜」に留まることで生を実感する杳子。膜に守られて自分があるとするさやか。いずれの場合も、「薄い膜」を意識した瞬間に顕在する、生き方への思いというものがある。

    ③著者から読者への愛情
    幸せで憩いのある小説として描かれた小説であるが、読み手は「薄い膜」の向こう側からの視点をイメージしてこの小説をみつめることもできる。しかしそんなことは著者も想定しているだろう。むしろ誰であってもこの小説から、幸せに生きるためのエネルギー、愛情を注ぐことへの信頼を享受しても良い。そんなメッセージが感じられる。

  • 自分がああだこうだと思うことなんてたいしたことない。喪失と生死と、それを包み込むもっと大きな力。優しい言葉で時間と思いが紡がれていて、それでいて力強い小説。
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    バリに来てみると、日本で考えていたいろんなことがみんなどうでもよく思えてくる。小さくて、取るに足りないことに。そのくらい、まるで川がごうごうと流れるみたいななにか大きなものがこの島では流れている。
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    まさに。バリでも読もう。

    #よしもとばなな #サーカスナイト #大切な1冊

  • 帯にある「あるものをないことにするのがいちばんいけないのだ」というのは真理だ。
    血を巡る神社での殺傷事件が取り扱われていて、フィクションとノンフィクションはどこまでも紙一重だ。

  • 2回くらい読んだ。
    出てくる人たちが好き。

    バロン、触りたい。
    読んでいて、さわれたような気持ちになれるから不思議。

  • 愛に満ちたお話。好き。

  • 後になってわかることはたくさんあるし、いまそのときだということもあれば時期尚早ということもある。
    いろいろある。

  • 思わず人に勧めたくなるような、激しい面白さではなく、静かに心に寄り添い、癒されながら、自分を省みながら最後まで読みきってしまうようなお話でした。
    あくまで主人公の主観で進んでいくのに、理解の範疇を越えた人生なのに、すっと馴染んでくる、自分にもわかるところがある、不思議な感覚。
    子どもに対する愛がこれほど伝わる文章はないな、と思いました。

  • 昔大恋愛をした相手との辛い過去や、結婚相手の病死など、悲しみを抱えつつ、親切な義理の両親や、昔生活していたバリの人々、愛娘のあたたかさに救われる、さやかの物語。

    温かく穏やかな話だったが、後半はやや失速気味な印象...。

  • 土地の描き方は本当にさすがだと思う。バリの風景やむんむんとした空気が漂ってくる感じだった。でもちょっと間延びしてる?途中からなんだかページをめくるスピードが落ちてしまった。

  • 買ってからしばらく読めていなかったのですが
    いま読み終えて、土曜日にあったあれこれがリセットされた感じがします。
    いま読めてよかったです。

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