午後二時の証言者たち (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344426504

感想・レビュー・書評

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  • 女児がなぜ死亡したのか、真相をめぐるストーリー。
    女児が交通事故で死亡した経緯をめぐって出てくる人間がまぁ~尽くクズ。自分が仮に女児だったら呪い殺すだろうな。
    母親の回想でようやく女児のこれまでが分かるのだが、母親の娘に対しての執着というか異常なまでの愛情?が凄すぎて共感しきれなかった。特に娘の母斑に対する脅威は全然共感できず、むしろこの話に必要なのか?と思うくらいだった。
    終わりに向けての不完全燃焼感が大きい。

  • 文章は読みやすいのですが、ミステリーと思って読んでいたら全くどんでん返しもなく終わってしまった。むしろミステリーと思わない方が良さが伝わったかもしれない。
    割と長編なのに盛り上がりが感じられず、それでいてつまらないというわけでもない。なんだか不思議な感じでした。

  • 羽生桜子ちゃんの轢き逃げ死亡事故に関する人々が、一人また一人と殺害されていく。
    犯人は果たして誰なのか。

    結局犯人は誰から情報を入手していたのだろうか。最初の手紙は、やはり戸倉病院のあの人だったのだろうか。

    スッキリと解決する話ではなかったなぁ。

    室井啓三、永光孝太の殺害方法が残虐すぎたのと、最後の終わり方がなんだか…。

    事件に巻き込まれた被害者の遺族が、復讐として殺人を犯さないのはどうしてか。
    それを考えられた良い機会でした。

  • 本屋ぶらぶらで見つけた作品。

    事故の当事者と目撃者、緊急搬送を断った病院と、それぞれのエピソードで語られる。

    事故に関わった人達が殺されていく中で、これは親による復讐なのかどうか…。

    病院側は、受け入れても体勢が整っていないので、ほぼ間違いなく助からなかった。
    それでも、断った事実と、その理由によっては恨まれてしまう。

    当事者は間違いなく悪い。そして、少しでも減刑しようと目撃者に嘘の証言を依頼。
    目撃者としても、嘘の証言をしたところで、命が助かるわけでも無い。
    しかし、亡くなった子供や家族の名誉の面もある。

    そんな、それぞれの思惑が描かれて、最後は娘を亡くした親のエピソード。

    何とも胸が痛い作品だった。

  • 初めての作家さんでしたが、読みやすかったです。
    ただ、グイグイと読ませる!という程のものではなかったか、と。



  • 読解力が足りないのと人の名前が多くて覚えられなかったので二度読み…笑
    ミステリー読者として失格かも

  • 娘を轢き殺された母親が、医者とか犯人とかを殺していく話かな?視点が違ったりそれぞれのボロが出たりして面白い。子供を殺されて復讐で殺して自分も子供のもとへ行く…オチは可哀想すぎるけど、子を愛する母の心理を突いてて良かった。


    まあ女を見たら男が知れるしそれはそれ、って書いてる。どんな悟りだよ

  • 表紙で「衝撃の結末なんてものもない」とあるのに、裏表紙で「衝撃の事実」と書くのはいかがなものか。いろんな人物の思惑や気の迷いがありのままに語られ、分かっているけど避けようのない展開に進むのがこの話の見所なのでは。

  • 大好きな桜子が横断歩道を渡っている時に車で轢かれた。救急車で搬送された最初の病院は外科医不在のため断られ、出血性ショックで桜子は死んだ。羽生志摩子ペンネーム岡田優子、桜子の母は我が子が赤信号で道路を渡ることはありえないと確信していた。
    しかし、車道は青信号だったと証言した女がいた。また、受け入れ拒否した病院には外科医がいたが不倫相手と会うためにその日の午後出かける寸前だったという情報を得た。医師、運転手をなんの証拠も残さず出血性ショックで殺し、最後に嘘の証言をした女を殺そうとしていたが、分かれた旦那と夢に出てきた桜子がお母さんの元に生まれて良かったという言葉を聞き寸前のところで止まる。
    2020/06/24 12:05

  • 初めましての作家さん。
    よく耳にするスピード違反、信号無視、前方不注意・・・
    結果、横断歩道を渡っていた小学2年生の少女が死亡。
    しかし、そこに関わる大人たちによって、
    ありがちな事故が、そうじゃなくなる。

    「レインツリーの国」の中の一文を思い出しました。
    「救急車で病院に担ぎ込まれるような重病人が近くにいても
     自分が指を切ったことが一番痛くて辛い、それが人間だ」
    証言1つで、加害者と被害者の立場がこれほどまでに
    変わってしまうという恐怖すら感じました。

著者プロフィール

一九四六年千葉県生まれ。初めて執筆した小説『氷の華』は二〇〇六年自費出版からスタートした後、文庫化され三十五万部を超えるベストセラーとなる。ドラマ化もされ、六十歳の大型新人として注目を浴びた。その他の著書に、『目線』『烙印』『彷徨い人』『午後二時の証言者たち』がある。

「2022年 『容疑者は何も知らない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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