雨に泣いてる (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 54
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344426634

感想・レビュー・書評

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  • 応援教師を主人公に、東日本大震災の被災地の子供たちや地元の人々との交流を描いた著者が、本書では新聞記者を主人公にそえた。
    記者魂の塊のようなベテラン記者が、東日本大震災の現地雪を志願する。彼は、阪神淡路大震災の時に書いた記事で深い傷を負い、その克服のために取材を敢行する。
    一人称で書かれており、他社とのスクープを巡る戦いや本社幹部との確執など、記者版ハードボイルドの感。
    冒頭から続く被災地の壮絶な様子に加え、被災者の心情を克明に描写できるのは、著者自身が阪神淡路大震災を経験している所以か。
    被災地での過酷な取材活動が続くが、中盤から俄然ミステリー性を帯びてくる。新人記者を救助する際に犠牲になった、地元の人々からも尊敬される僧侶が過去の凶悪事件と関係があるのでは、と。
    周囲の反対を押し切り、関係者と軋轢を起こしながら、主人公は真相を追い求める。彼は殺人犯なのか、それとも・・・
    やがて、衝撃的な真相が明らかにされる。
    新聞記者とはどうあるべきか、そして、人はなぜ過ちを犯すのか、を問う、挑戦作。
    著者は、読書の醍醐味を十二分に味合わせてくれる。

  • 真山仁『雨に泣いてる』幻冬舎文庫。

    文庫化されたので再読。

    冒頭から東日本大震災当時の記憶が鮮明に蘇ってくる迫真の描写に物語に引き込まれていった。この世の終わりかと思うような激しく長い揺れ、地震発生後にワンセグで見た三陸沿岸を襲う大津波の映像、ラジオから聞こえた宮城県の荒浜に2、3百体の遺体が流れ着いたという信じられないニュース、耳を疑った町が壊滅という言葉、まさかと思った福島第一原発事故、大津波で何も無くなった三陸沿岸の光景…

    東日本大震災発生の翌日、阪神・淡路大震災を経験した毎朝新聞社会部記者の大嶽圭介は被災地である宮城県へ現地取材に向かう。そんな大嶽に三陸市で取材中に被災し、行方不明となった新人記者である社主の孫娘捜索の指令が下る。

    帯には社会派ミステリと記載があるが、中盤まではミステリの欠片も感じられなかった。しかし、物語は意外な方向に展開していく。新聞記者として事実を伝えることの難しさ、厳しさを描いた秀作。

    創作と解っているのだが、大災害を目の前にして何も出来なかったことに対する無念、喪った家族への無念の思いが行間から伝わる。

  • 3.11もうすぐです!

    各章のはじめに新聞記事が掲載されており、読み応えがありました。
    東日本大震災が起こり、その地へ取材に。
    7年前の事がよみがえりますので、描写内容に胸が痛みました。
    物語はいくつもの事象が重なり合い、結果も予想外となりましたが、記者社会の厳しさにもふれることが出来、知らないことを知る事の面白さを感じました。

  • 東日本大震災をテーマにした小説。
    震災文学としてだけでなく、サスペンスとしても面白い。新聞記者が主人公で、仕事についても、いろいろと考えさせられた。

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著者プロフィール

真山仁(まやま じん)
1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。読売新聞記者を経て、フリーランスとして独立。2004年、熾烈な企業買収の世界を赤裸々に描いた『ハゲタカ』(講談社文庫)でデビュー。これが代表作となり、ドラマ・映画化された。
「ハゲタカ」シリーズのほか、『虚像の砦』『そして、星の輝く夜がくる』(いずれも講談社文庫)、『売国』『コラプティオ』(いずれも文春文庫)、『黙示』『プライド』(いずれも新潮文庫)、『海は見えるか』(幻冬舎)、『当確師』(中央公論新社)、『標的』(文藝春秋)、『バラ色の未来』(光文社)、『オペレーションZ』(新潮社)がある。

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