明日の子供たち (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
4.20
  • (57)
  • (70)
  • (21)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 840
レビュー : 62
  • Amazon.co.jp ・本 (522ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344427143

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 有川浩好きだけど、今回は今一つ・・・

    有川浩の持つ雰囲気と、児童養護施設が合わない気がした。
    「いやいや上手くいきすぎでしょ」みたいな。

    恋愛ものならベタベタの展開もバシッ!とハマるんだけどねぇ。

  • 一気に読み終わった。
    なんというか、重たいテーマであると思うのに、爽やかだった。登場人物がとても魅力的。
    児童養護施設というものに対して、エアポケットに入っているというのはすごく納得できることだった。
    個人的には、本を読むのは素敵なことという施設長の人柄、言葉がすごく素敵だと思った。

  • 再読。登場人物がみんな真っすぐで、児童養護施設の持つ問題点をわかりやすく伝えてくれるので、理解したいなあという気持ちが自然とわきあがってくる。

  • 本当に有川さんのところに届いた手紙に端を発し、ある社会問題な現実を小説を通して世の中に認知させたと言う点は素晴らしい。
    評価としては辛いですが有川さんの小説としては中の下。
    が、ともすれば堅い問題提起に終わりそうなこのテーマを扱ってきちんとエンターテイメントとして読ませるだけのものにするのはやはり流石。

  • この作品が生まれたいきさつなど
    まるっきり知らず 大好きな作家さんの
    文庫が出たから買ったわけですが。

    まさかそれがこの本が出版された理由だとは!
    まさに私は策にはまり 「砕かれ」ました。

    自衛隊シリーズと図書館戦争に共通する
    内側からの視点が この作品にもあります。
    児童養護施設をモチーフとすることの難しさは
    自衛隊と同じですよね。世間の人は知っていても
    正しくは知らない。それを真面目に、正しく
    描こうとする姿勢に 掛け値無しに共感します。

    児童養護施設を「家」だといい
    職員を「家族」だなどという誤解は
    何も知らない方が施設にそんな幻想を抱き
    社会が薄っぺらな理想論に
    染まっているからでしょう。

    職員は親でも兄姉でもなく
    子供たちの幸せな暮らしと将来の自立を支える
    児童福祉のプロフェッショナルなのだということを
    こうしてあらためて真っ直ぐ提示されたことに
    清々しさを感じます。

    自衛隊も図書館も児童養護施設も
    その本来の機能と存在意義 そして
    信念を持ってそれを支え続ける
    多くのプロフェッショナルたちがいる。

    内側の視点を的確に自分のものとし
    誰の立ち位置から見ても正しいと思える
    ありのままの真実として伝えることができる
    唯一の作家。

    それが我らの有川浩さんだと私は思うのです。

    解説も含めて最後まで読んでようやく
    「そうだったのか!」と制作事情に
    気づくわけですが
    やたらと出てくる「ハヤブサタロウ」なる
    奇妙な作品名は長い長い伏線だったんですね。

    最も胸を刺したのは 児童養護政策が
    エアポケットであるという事実でした。

    老人介護や障がい者は多くが選挙権を持ち
    持たない方でもそれを持つ保護者がいる。
    でも児童擁護施設の当事者たちは選挙権を持たず
    保護者であるはずの家族との関係は
    必ずしも良好ではない。

    政治に対して声をあげる立場にないこと。
    それが政策的に後回しにされ 社会の偏見にも
    さらされる大きな要因であること。

    このことは この作品を読むまで うかつにも
    気づいていませんでした。でももう 気づきました。

    これからは私も支援者として行動することが
    自分に対して恥ずかしくない。
    きちんと知り 正しく支援できます。

    この作品は 多くの人に読んでほしい。
    自衛隊シリーズや図書館戦争シリーズと
    同じ意味と 同じ強さでそう思いました。

  • 児童養護施設の現状と課題やそこに働く職員とそこで暮らす子供たちの心情について丁寧に説明し、偏見や誤解を解き、物語の形を借りて広く世間に知らしめる、みたいな本。
    最後になって分かるように、実際に施設で暮らしていた女性が自らの思いを手紙で作者に伝えてこのような本としてまとまったよう。
    しかし、そこに暮らす人に対して「かわいそう」ではなく「大変だなぁ」というのは参考になったが、話の流れとしては、どうにも素直に読めなくて…。

    最初の話が、”かわいそうな子供たち”の支えになろうと飛び込んできた職員の三田村に、誤った見方からの同情は要らないとばかりに反発する”問題のない子”奏子、という作り。
    そこからしてベタなんだけどで、二人の間が気まずくなって、だけども歩み寄りがあって、二人が分かり合えるようになるって、この展開はどうでしょう。
    その後も、施設の子であった彼氏に上から目線で接して振られた過去から施設の職員になった和泉が、今なら彼のことが分かるのかとか、進学を勧めた子が奨学金が払えなくなって大学を退学して以来、進学を勧めるのに踏み出せない猪俣が、ある再開をきっかけに再び思いを直すとか、まあ、ありがちな話が続く(手練れた作者はそこをきっちり読ますのだけど)。
    元より施設の子にしても優等生の奏子と久志以外には殆ど登場せず、職員にしろ、三田村・和泉・猪俣の他には、出来た施設長の福原と頑迷な副施設長・梨田しか描かれず、これまた類型的な描き方。

    私は有川さんのお話はいつも楽しみにしていて、本作もとてもためになるし真っ当なお話しだったと思うけど、今回は作風とテーマがしっくりマッチしなかったように思う。

  • 慎平ちゃんのキャラクターが愛らしくて好き。伏線が忘れかけた頃に回収されてスッキリする。児童養護施設という少し重いトピックなのにくすくすと笑えるような場面が多くみられ、心の奥が温かくなるような気持ちになった。

  • 久々の☆5つ。県庁おもてなし課や空飛ぶ広報室とかこの手の有川浩のシリーズ、ホント好き。
    今回はいわゆる「施設」の子供たちと、そこの職員たちのお話し。全く知らない世界だったのに、本当に勉強になった。作者(と手紙を出した女の子)の思う壺ということです。にしても何事も先入観なく、ゼロベースで物事を見るということのなんと難しいことか。
    そして勉強になった系なのに、ここまで引き込まれるのはなぜだろう。何回かジーンときました。
    やはり自分は数多くの取材に裏付けられたノンフィクションが好きなんだなぁと改めて。
    それと話の本筋とは違うけど、読書をすることで「色んな人の人生が体験できる」というのは、これまでなかった視点だった。読書が趣味で良かったと今回かなり思った。

  • とても素敵な本だった。
    今まで児童養護施設について深く考えたことがなかったけれど、この本に出逢えたことで、確実に私の中で何かが変わったと思う。

    この題材を描こうと決めた有川さん、そして何より有川さんに手紙を送った、当時施設にいた少女にも感謝したい。その少女が大人になって解説を書いているのも、また素敵だ。
    ページ数は多いけど、有川さんらしい人間ドラマにウルっとしたり、ほのかに恋愛要素が入っていたり、とても読みやすかったし楽しめた。

  • アッコの件。やっぱり有川浩好きだ。
    ーーー
    三田村慎平は転職先の児童養護施設で働き始めて早々、壁にぶつかる。生活態度も成績も良好、職員との関係もいい”問題ない子供”として知られる16歳の谷村奏子が、なぜか慎平にだけ心を固く閉ざしてしまったのだ。想いがつらなり響く時、昨日と違う明日がやってくる。先輩職員らに囲まれて成長する日々を優しい目線で描くドラマティック長篇。

全62件中 1 - 10件を表示

プロフィール

有川 浩(ありかわ ひろ)
1972年高知県生まれ。PN由来として、「有川」は書店に本が並んだ時に「あ」から始まる名前として、著者五十音順で棚の最初のほうにくるから。「浩」は本名から。
2003年『塩の街 wish on my precious』で第10回電撃ゲーム小説大賞を受賞。2006年『図書館戦争』で「本の雑誌」が選ぶ2006年上半期エンターテインメントで第1位を獲得し、さらに2008年には同シリーズで第39回星雲賞日本長編作品部門を受賞。映画化もされた代表作となる。
『植物図鑑』で第1回ブクログ大賞小説部門大賞、『キケン』で第2回ブクログ大賞小説部門大賞を2年連続で受賞。2011年には『県庁おもてなし課』で「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2011」で総合1位と恋愛小説1位、第3回ブクログ大賞小説部門大賞を3年連続で受賞。2012年『空飛ぶ広報室』が「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2012」で小説部門第1位。
その他、ドラマ化作『フリーター、家を買う。』、映画化された『阪急電車』『県庁おもてなし課』『植物図鑑』などが代表作。

有川浩の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印

明日の子供たち (幻冬舎文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする