人魚の眠る家 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
3.78
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本棚登録 : 901
レビュー : 65
  • Amazon.co.jp ・本 (469ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344427303

作品紹介・あらすじ

「娘の小学校受験が終わったら離婚する」。そう約束していた播磨和昌と薫子に突然の悲報が届く。娘がプールで溺れた―。病院で彼等を待っていたのは、“おそらく脳死”という残酷な現実。一旦は受け入れた二人だったが、娘との別れの直前に翻意。医師も驚く方法で娘との生活を続けることを決意する。狂気とも言える薫子の愛に周囲は翻弄されていく。

感想・レビュー・書評

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  • 他の作品のところでも記したが、著者の小説(文庫化後であるが笑)には、つい手が出てしまう。
    魅力的なタイトル(どういう内容だろうと興味をそそられる)と、読みやすさから。
    平易な文章と、読者の胸に問いかけるテーマの多様性により、普段あまり本を読まない人々も手に取り、ベストセラーになるのだろう。
    本作のテーマは、諸外国からは遅れているとみなされる日本の脳死と、臓器提供を巡る問題。
    娘の脳死を受け入れられない夫婦が、驚くべき方法(最先端の技術の応用)で、娘との生活を続ける。ここら辺は、如何にも理系出身の著者らしい発想。娘はこの先どうなるのだろうかと、読者は目が離せない。
    そして終盤、現代日本の法制の不完全さを衝く母親の行動には、頁を繰る手が止まらなくなった。
    遂に迎える終局は、著者のストーリーテラーとしての巧みさに瞠目。
    最後、母親が娘の遺影を前に語る。
    「この世には狂ってでも守らなきゃいけないものがある。そして、子供のために狂えるのは母親だけなの」
    母は強し!

  • 脳死判定は家族に委ねられているようなもの。
    目の前では眠っている(様に見える)のに
    まさか我が子が死んでいるなんて認められないだろう。
    ただでさえ人の死に関して素人なのに。
    この本を読んでおけて良かったと思う。
    今までより価値観が広がった気がする。

  • 作家の力はすごい、と思った。
    問題提起ができ、それに関するいろいろな考えを伝えることが出来る。同じ問題に関して、学者や政治家がテレビで喋ったところで、なんならお涙頂戴、と思ったりするが、読ませる文章を書く人が書けば、伝わる。
    無銘の作家ではなく、有名な、本を出せばとりあえず売れるし、読まれる、という人が書いたのもよかったのではないだろうか。
    街で募金活動をしている人を見て、「信じて募金しよう」とは思わないが、疑うぐらいなら調べて確認しよう、と思うし、大金を募金すること等ないだろうから、それならそこまで考えなくてもいいかな、とも思う。
    人に語りかけるときは、直接ではなく間接的に話すのも一つの方法。ただ、又聞きになったり、マイナスな感情を伝えたりするのは良くない。
    映像化が割りと愉しみ。

  • 題材が面白かった。
    東野圭吾の中でも好きな話。
    命とは魂とは人生とはを考える。
    何をもって生なのか。死なのか。
    臓器移植は素晴らしい行為だけど、
    直面した時に、考えが変わらない確証はないなと感じた。
    自分の命の重さは、関わる人によって
    重さが違うものと改めて気付かされた。
    東野圭吾さんの文章は、読解しやすく読みやすい。

  • ★4.0
    ほぼ脳死状態にある娘・瑞穂の生を信じる薫子、臓器移植が必要な娘・雪乃のドナーを待つ江藤夫妻、どちらの親も我が子を想う気持ちは同じ。時に薫子から狂気を感じることがあるものの、そうならざるを得なかった彼女の状況を考えると居た堪れない限り。ただ、瑞穂の弟にあたる生人が、薫子と姉と世間の狭間で揺れ動き、小さな心を痛めたことが何よりも辛い。今まで意識したことがない脳死判定のあり方、子どものドナーの少なさと臓器移植の現実を知り、薫子や江藤夫妻、彼らの周りの人たちの心に思いを巡らせ、考えさせられる1冊だった。

  • 読んででなかなか辛い感じですが、最後は心に響きます。そう、いつもの東野ワールドです。

  • 2018./7/10

    脳死、臓器提供など、できるなら関わりたくない問題を嫌でも考えてしまう。 自分の子供の死を認められず、あらゆる手を尽くしてしまう気持ちは親としてよくわかる。それだけの財力とチャンスがあれば誰でも同じことをしてしまうんじゃないかと思った。 ゾッとするシーンや修羅場もあるけど、最後がファンタジーだったのがとってもよかった。

  • 重いテーマではあるけれど、事故時に関わった人、事故後に脳死と向き合う人々の、それぞれの立場と心情が分かりやすくて読みやすかった。
    冒頭の少年との関係は、実際には有り得ないけれど、読後感を良くしてくれた存在だった。

  • 母親の感情を愛ととるのか、狂気ととるのか、見極めが難しい。難しいテーマで辛い展開だけど、最初と最後の挿話(?)が態とらしいので☆4つのところひとつ減らした。

  • タイトルが良いと思ったのと映画化するとのことで気になり。
    しかしながらまぁ、うーん、これほんとに映画化するの⁇って感じではある。
    かなり地味では⁇
    なんかめっちゃ事件めいた感じにして色々オリジナル設定入れないと持たなそう…脚本家の腕にかかっているな……なんて偉そうにお節介なことを考えてしまった。

    まぁあとは好みの問題かなぁ。
    ただ、脳死については自分でもちょっと考えてみようと思った。

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プロフィール

東野 圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。
1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。
テレビドラマ・映画化された作品が多い。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほか、映画化が決まっている作品に2018年11月16日公開予定『人魚の眠る家』、2019年公開予定の木村拓哉主演『マスカレード・ホテル』、同年公開予定に玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』。

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