ツバキ文具店 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 257
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344427617

作品紹介・あらすじ

鎌倉で小さな文具店を営むかたわら、手紙の代書を請け負う鳩子。今日も風変わりな依頼が舞い込みます。友人への絶縁状、借金のお断り、天国からの手紙……。身近だからこそ伝えられない依頼者の心に寄り添ううち、仲違いしたまま逝ってしまった祖母への想いに気づいていく。大切な人への想い、「ツバキ文具店」があなたに代わってお届けします。

感想・レビュー・書評

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  • 久々の小川糸作品。
    右筆、という言葉、久々に聞いたなー。

    割とハードな展開が入っていても、主人公の生来の前向きさとか誠実さで和らげられてしまうのが、この作家さんの不思議な味だと思う。
    この作品にしても、両親が不在で、厳しく躾けられた先代(祖母)には反旗を翻したまま和解もならない(まま、ヤンキー化する)背景があるのだけど。
    どこかで、カラッと晴れている。
    落ち込んだり、ウジウジしたりするのに、曇り空は長く続かない。

    また、書体や用紙、色合いから切手まで、代筆として何を選ぶのかという部分が練られ、最後に形として見せられるのが素敵。
    何度も涙が滲んだし、手紙を書きたくなったし、ロメオNo.3をカートに入れかけた(笑)
    何より、そうやって相手の気持ちに寄り添いながら、言葉を選ぶことに時間をかけてくれる人がいるということが、嬉しかった。

  • あったかい話。
    登場人物のキャラクターが想像しやすく読んでいて楽しいです。先代との対立、仕事での葛藤。ぽっぽが少しずつ代書の必要性、意義を理解しながら成長する姿が良いです。

    読みやすくてすら〜っと読めちゃいます!ほっこり。

  • 主人公は代書屋さん。でも落語に出てくる昔の代書屋さんと違うのは、依頼人になりきって、その人らしい手紙を書くこと。もちろん、現代の日本なので、全く字が書けないわけではないけれど、書きにくい手紙だったりが依頼される。主人公は、紙や筆記具を選んで仕上げる。文具好きにはたまらない小説。鎌倉が舞台で、美味しそうなものがたくさん出てくる。行って食べ歩きしたくなる小説でもある。

  • 泣いた。面白かった。
    優しい物語だった。

    夏バテ中に読んだんだけど、ポッポちゃんがお客さんに出す飲み物とお菓子が美味しそうで食欲が回復したりした笑

    ハードカバーのときからずーーーーっと文庫になるのを待ってたから読めて嬉しい!
    代筆屋ってあるから、単純に書きづらいことを代わりに書いたりするだけなのかなぁとおもってたけど、その人の文字、使うペン、紙などもろもろをこだわっているのが代筆屋なんですね。

    おばあちゃんの不器用なところに涙止まらなかった。
    人の気持ちを伝えるのは得意なのに、自分の気持ちを伝えるのは下手な親子の話。

    落ち込んだ時はキラキラって唱えてみる。


    2018.08.07

  • 古都・鎌倉を舞台に代筆業を営む鳩子の一年を描く物語。移り行く四季と共に育む丁寧な暮らし、そして心優しき隣人との交流は都会の喧騒とかけ離れた静謐さを届けてくれる。依頼人の意を汲み、言葉を紡ぐ鳩子にも先代である祖母との間に消せない蟠りが。しかし、その溝を埋める手段もやはり手紙である。遠くの他人に軽々しく言えても、近しい家族に面と向かって言えない言葉もある。そんな想いすら手紙は雄弁に語ってくれる。合間に挿入される直筆の手紙もこの世界観の構築には必要不可欠。現実味に欠ける部分もあるが、晴れやかな気持ちになる一冊。

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プロフィール

小川 糸(おがわ いと)
1973年生まれ、山形県出身の小説家であり、作詞家・翻訳家でもある。作詞家の際の名義は、春嵐(しゅんらん)を使用。
2007年に初の絵本を上梓し、さらに翌2008年に小説『食堂かたつむり』を発表。同作は第1回ポプラ社小説大賞に応募し、最終選考にも残らなかった作品だったが、目に留めた編集者によって刊行され、ベストセラーとなり映画化された。同作は、2011年7月、イタリアの文学賞である、バンカレッラ賞料理部門賞も受賞している。
2017年、『ツバキ文具店』が「本屋大賞2017」で第4位にノミネート。ドラマ化もされた。続編『キラキラ共和国』も発行、代表的シリーズかつヒット作となっている。
その他代表作として、テレビドラマ化された『つるかめ助産院~南の島から~』。

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