ツバキ文具店 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 845
レビュー : 73
  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344427617

作品紹介・あらすじ

鎌倉で小さな文具店を営むかたわら、手紙の代書を請け負う鳩子。今日も風変わりな依頼が舞い込みます。友人への絶縁状、借金のお断り、天国からの手紙……。身近だからこそ伝えられない依頼者の心に寄り添ううち、仲違いしたまま逝ってしまった祖母への想いに気づいていく。大切な人への想い、「ツバキ文具店」があなたに代わってお届けします。

感想・レビュー・書評

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  • 先代から代書屋を引き継いだ主人公の、代書の依頼者や近所の人たちとの交流を描いたこの小説は、読者の心にポッと温かい灯りを燈してくれる。
    さらに、主人公が訪ね歩く鎌倉の街並みや訪れる小さなお店には、思わず言ってみたくなる、そんな思いをも掻き立てる(そういう読者に「ツバキ文具店の鎌倉案内」という文庫まで刊行されている)。
    それにしても、主人公が代書したという、書中掲載されている手紙などの書体は、すべて著者の自筆だろうか。
    依頼者ごとに書体を変えたその書き方の何と見事なことか。そして、依頼の内容ごとに、使用する筆記具及び用紙までも変えている。
    離婚を報告する手紙には、活版印刷を用い、あて名は万年筆でインクの色はグリヌアージュに。
    かつての恋人への手紙には、ベルギー製のクリームレイドペーパーにガラスペンで。
    借金の謝絶状には、原稿用紙に太めのペンで。
    絶縁状には、何と羊皮紙に羽根ペンで!インクは虫こぶインク(どんなインクだろう)を。
    著者の、手紙に対するこだわりをも感じさせる作品であります。

    • まーちゃんさん
      はじめまして。
      作中の手紙は萱谷恵子さんという方が全て書かれているようです。
      (単行本にはその旨記載があったと記憶してるんですが、文庫には書...
      はじめまして。
      作中の手紙は萱谷恵子さんという方が全て書かれているようです。
      (単行本にはその旨記載があったと記憶してるんですが、文庫には書かれていませんね)
      おひとりであんな風に書き分けられるなんてすごいですよね。
      いきなり失礼しました!
      2018/10/15
  • 代書屋さん 誰かに変わって手紙を書く人というイメージしかなかった。自分では書けない内容の手紙を書いてもらう人ってどんな人? 読みながら少し分かってくる。その人の気持ちに寄り添って書体を考え、紙・筆記用具も選ぶ。紙は想像するしかないけど、手書きの手紙はイメージが印刷してあって、読んでからしばらく見入る繰り返しが楽しかった。
    楽しいと言えば ページ隅の小さなカットはパラパラとめくると……お馴染みのあれでした。上手にめくれなくてぎこちなくしか目に入らなかったけれどクスクス笑いながら何度もめくりましたよ (^^♪

  • 久々の小川糸作品。
    右筆、という言葉、久々に聞いたなー。

    割とハードな展開が入っていても、主人公の生来の前向きさとか誠実さで和らげられてしまうのが、この作家さんの不思議な味だと思う。
    この作品にしても、両親が不在で、厳しく躾けられた先代(祖母)には反旗を翻したまま和解もならない(まま、ヤンキー化する)背景があるのだけど。
    どこかで、カラッと晴れている。
    落ち込んだり、ウジウジしたりするのに、曇り空は長く続かない。

    また、書体や用紙、色合いから切手まで、代筆として何を選ぶのかという部分が練られ、最後に形として見せられるのが素敵。
    何度も涙が滲んだし、手紙を書きたくなったし、ロメオNo.3をカートに入れかけた(笑)
    何より、そうやって相手の気持ちに寄り添いながら、言葉を選ぶことに時間をかけてくれる人がいるということが、嬉しかった。

  • 文庫化したので購入。
    単行本にあった鎌倉の地図がないのが残念だったけど、なんとページ下にパラパラ漫画が!可愛い♡
    じっくりと時間をかけて読んだ。

    自分では手紙を書けない人のための代書屋・ツバキ文具店。
    載ってる手紙は全部同じ人で書かれていて、こんなにも筆跡を変えられるのかとびっくり。

    最近はなかなか書く機会ないけど、手紙っていいよね。
    愛する人からの手紙で棺を埋め尽くすなんて素敵な人生・最期だなぁ。

    仲違いしたまま逝ってしまった先代である祖母。
    その祖母とイタリアの文通相手との手紙から鳩子への愛情が滲み出ていて泣ける。

    • hongoh-遊民さん
      コメントありがとうございます。
      あの手紙がすべて、一人の人が書いていたとは・・・
      あんなに筆致体を変えて書けるとは、いや驚きです。
      コメントありがとうございます。
      あの手紙がすべて、一人の人が書いていたとは・・・
      あんなに筆致体を変えて書けるとは、いや驚きです。
      2018/10/16
  • 鎌倉で小さな文具店を営むかたわら、手紙の代書を請け負う鳩子。今日も風変わりな依頼が舞い込みます。友人への絶縁状、借金のお断り、天国からの手紙…。身近だからこそ伝えられない依頼者の心に寄り添ううち、仲違いしたまま逝ってしまった祖母への想いに気づいていく。大切な人への想い、「ツバキ文具店」があなたに代わってお届けします。

  • とても優しい気持ちになった。背筋伸ばして文字を書きたくなった。
    ポッポちゃんはじめ登場人物がみないい人でホッとする。鎌倉もかつて仕事で通ったけど、こんなに優しい街だったかな?と思った。
    先代との関係だけが厳しくて違和感があったけど、最後の手紙に泣かされた。
    大好きな一冊になった。

  • 手紙っていつ書いただろうか。文字通りの言霊

  • 鎌倉で文具店を営むポッポちゃんの一年間のお話。鎌倉の四季を感じられそこに居るかのようなホッコリした気持ちになりました。鎌倉に行きたい。

  • 久々に「すごく素敵な本に出会った」と心から思った。
    読み終わった後、自然と「ありがとう」という言葉が口から零れた。

    読めば読むほど、自然と心が温かく、柔らかくなる物語でした。
    鎌倉に住むポッポちゃんと、それを囲む人々か温かくて優しい。陽だまりに包まれているような幸せな気持ちになりました。
    代書屋としてのエピソードもいっぱい出てきて、次はどんなお手紙が出てくるのかワクワクしました。それぞれのエピソードがそんなに長くないからちょうど良かったです。

    鎌倉に行きたいな。お手紙書きたいな。
    という気持ちにもしてくれる、素敵な一冊です。
    続編も早く読みたい!

  • 共和国も読破!
    凄く好き。鎌倉に住みたくなる。
    読んだら幸せになれる本。

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著者プロフィール

小川 糸(おがわ いと)
1973年生まれ、山形県出身の小説家であり、作詞家・翻訳家でもある。作詞家の際の名義は、春嵐(しゅんらん)を使用。
2007年に初の絵本を上梓し、さらに翌2008年に小説『食堂かたつむり』を発表。同作は第1回ポプラ社小説大賞に応募し、最終選考にも残らなかった作品だったが、目に留めた編集者によって刊行され、ベストセラーとなり映画化された。同作は、2011年7月、イタリアの文学賞である、バンカレッラ賞料理部門賞も受賞している。
2017年、『ツバキ文具店』が「本屋大賞2017」で第4位にノミネート。ドラマ化もされた。続編『キラキラ共和国』も発行、代表的シリーズかつヒット作となっている。
その他代表作として、テレビドラマ化された『つるかめ助産院~南の島から~』。

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