作家刑事毒島 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344427952

感想・レビュー・書評

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  • 実体験なのかフィクションなのか。どちらの感覚で読めばよい。

  • 以前、中山七里先生の一日に密着した動画を拝見したことがあります。
    ほぼ食事や睡眠をとらずにひたすら執筆をし続けていた様子だったので、作家さんはこんなに過酷な生活を送っているのか、、、と衝撃を受けました。
    本作の毒島先生も、3日に一回締め切りがやってくるスケジュールをこなし、誰かと会話する時も常に執筆の態勢を崩さず…というキャラだったので、まさにご自身をモデルにされているんだろうなぁと思いました。
    (あの独特の口調ももしかして…)

    出版業界の周りで発生する事件に対して、毒島先生がさすがの視点から次々と解決していく様がコミカルに描かれていて、とても読みやすかったです。
    本を読むことは好きですが、書く側には絶対なれないなぁと改めて実感しました(笑)

  • 短編になっているので詠みやすいです。
    毒舌が気持ち良い。
    スッキリ、スカッとします。
    実際に自分が話すのは遠慮したいけど。
    続編も買うこと決定です!

  • 本作は、「出版業界をブラックユーモアたっぷりに描いた作品」(解説)であり、「デビューできずに荒れる作家志望者、売れなくて鬱々とする新人作家、作家をゴミのように使い捨てる編集者、原作へのリスペクトが欠如した映像プロデューサーなど、出版業界の負の側面を凝縮したような人物たちにまつわる殺人事件」(解説)を扱った良質なミステリーでもある。

    解説によれば、「猛毒をまき散らしながら犯人を追い詰めていく」作家兼刑事(刑事技能指導員)毒島のモデルは著者自身であるという。

    本作、捜査一課の犬養と高千穂明日香が脇役として登場する。

    何処までもドライな毒島の「うふ、うふふ、うふふふ」という不気味な笑いが印象に残る。本作を読んだら、作家志望者の気持ち、萎えるだろうなあ。巻末に「この物語は健全なるフィクションです。現実はもっと滑稽で悲惨です。単行本の刊行から二年後経過しましたが、状況は悪化の一途を辿っています。」とのだめ押しのメッセージもあるし。

    続篇もあるようなので、是非読んでみたい。

  • 犬養刑事の師匠なんや。毒島刑事って…
    (まぁ、師匠というより、作家本人な気もしないではない…)
    こんな後ろ向きな犬養さん見たことないけど、そんなに、魑魅魍魎が跋扈して、常識が通じない出版業界。
    そこに、元警察官の毒島さんが、作家兼警察官として登場!

    凄い優秀やけど、キツい…こんな人と話してたら精神的にやられる!
    実際に、取り調べでは、全て自供させたらしい。
    ミステリーではあるんやけど、出版業界を皮肉ってる中山さんの笑う姿が思い浮かぶ〜!
    犬養刑事も、事件が出版業界と分かると自然に退く姿が面白い!そして、自動的に毒島刑事に…

    このパターンで、進む短編集やけど、分かってはいるけど、面白いものやな。

    毒島刑事の人間性は、ともかく、事件は解決に導く〜(^-^)v

  • 作家さんが作家志望者の暗部を描くお話。
    一つのことに熱中すると結構周りが見えなくなって病んでくることもあるんだろうなぁとかんがえさせられる。
    が、社会には通じないそんな病みの常識をぶった斬る毒島は痛快。現実にはできないからこそこの本読んでストレス発散!

  • 先日2作目にあたる「毒島刑事最後の事件」を読んで面白かったので1作目にあたる本作も読んでみた。著者には珍しく4年も間隔が開いたのはあまり人気が出なかったのかな、基本短編だしあまりにも簡単に事件を解決しちゃうのもちょっと読み応えに欠けるのかな。でも「うふふ、うふふふふ」の笑いはいいよ、これの長編作も期待しちゃう。でも短編ライト感覚で読めるのもいいかもしれない。

  • 今年読んだ本の中でもっともスッキリした読後感でした。
    毒島の毒舌が、ストレス溜まっている私にはよかったのかも。

    容疑者たちがこじらせ過ぎというか、病んでる人ばかりで、出版業界ほんとにこんな危険人物たちの宝庫なのか?と疑いたくなりました。(たぶんほんとのことなんだろうけど。。)

    ぜひシリーズ化してほしいところですが、既に出版されている『毒島刑事最後の事件』のタイトル読む限り、終わってしまうのでしょうか。。(T-T)

  • ライトな謎解きミステリーエンターテイメント
    短編連作ものでした。
    しかし、どちらかというとこの手のストーリは嫌い(笑)

    展開がワンパターン(わざとそうしていると思いますが)で、主人公の毒舌キャラでスッキリ終わるという感じ。
    やはり、爪痕が心に残るような骨太な物語が好きです

    出版業界、作家業界の闇というか裏側を知ることができます。
    そして、その業界に出てくる勘違い野郎たち。
    その勘違いの人たちの誰かが犯人なわけですが、主人公毒島が、その毒舌でばったばったと詰め寄りつつ、犯人を明らかにするというもの。

    エンターテイメントとして楽しめます。
    テレビドラマでやるのにちょうどよさそう
    とおもったら、ドラマ化されているのね

  • 本当に怖いのは怒らない人かもしれない。でもこういう人って実際に存在していて、人を見透かす。

    読み切り短編で、少しトリッキーな作家刑事の話。短編でちょうどいいかもしれない。痛快な毒舌ではあるが、長編で見続けるのは少々、気が引けてしまう。一つずつ、程よい感覚で読むのをオススメする。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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