- Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344428102
感想・レビュー・書評
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「ペンギン鉄道なくしもの係」の2冊目。
前作と同様、駅や電車で忘れ物落し物をして、鉄道会社の遺失物保管所を訪れる人たちのお話。
親の離婚届を代わりに出しに行く姉弟、学校の遠足に行かずに自分たちだけで水族館へ行く兄妹、重い病気と闘う女性と彼女を気に掛ける女医。それらの話すべてに気儘に出没するペンギンとモヒカン頭の男が絡む。
いずれも少しうまくいっていない関係が探し物をしている内にわらわらと解きほぐされていく展開は、どうってことないけど結構泣かせる。
最後の話でモヒカン男が主人公になり、ばらばらに見えたそれまでの話が繋がるところも前作同様だが、ここで明かされる秘密にもほっこり。
前作で「ヘアバンドのよう」と表現されたペンギンの頭の白い帯模様が、今作では「カチューシャのよう」になったのが微妙に気になった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ハートフル日常の謎のミステリーですね。
「ペンギン鉄道なくしもの係」の二冊目です。
四話の短篇連作物語です。
今回は、家族を中心に、心の在り方のなくしものをした人々の物語です。
四話がバラバラにみえて、最後にちゃんとつながりをみせる、面白さをかねそなえています。
いっけん、強がりをみせている姉弟、兄妹、同級生、そして兄弟、それぞれのかかえている苦悩をペンギン鉄道を通して、描き出しています。
ペンギンも、今回は苦悩するようにさまよい、ペンギンを追いかける迷い人たちを軽快な文章と、心の奥の迷いを謎解きめいて解き明かしていきます。
最後の四話で見事にすべての物語が終結して、涙なしには読み進められません。
心を揺さぶる感動の物語です。 -
「ペンギン鉄道 なくしもの係」の続編。前回同様4章から成り、色々な人が駅や電車でなくしものをする。
今回は守保の家族も出てきた。「あの時のあの人がこの人と繋がっていたのかー!」というような繋がりが面白い。
「誰かとかかわることって難しいし、面倒なことも多いですけど、でもまずはかかわらなければ、助けることも助けてもらうこともできないんじゃないでしょうか?」 -
ペンギンがかわいい!
キラキラ設定の姉弟は、正反対の性格かと思えば…
小6と小4の兄妹の卒業旅行は水族館。
病院の先生は妹と患者を重ねて、つい入れ込んでしまい、
その病院で発見されたペンギンの素性が明らかに!
4つのストーリーがペンギン鉄道を中心に描かれていて、登場人物も少しづつ重なっていて、読んでいてふんわりあったかい気持ちになる1冊でした。
そこそこに登場するペンギンの描写のかわいさったらないです。
こんな鉄道があったらなぁ。いや、ペンギン飼えたらなぁ -
巡り巡る出会い、想いの一冊。
今回も良かった。テーマは“家族でも親とはまた違うポジションにいる関係”かな。
前作よりも話がコンパクトにまとまっていた気がし、どの章もそれぞれじんわり来る。
そして刺激され、波打つ心。
巡り巡る出会い、想いが集結する最終章はやっぱりBig Waveに襲われた。
そしてゆっくりと心が凪いで行く感覚、これがたまらない。
誰かの凍りついていた時間が誰かとの出会いや言葉によって動き出す。そんなことを教えてもらった、心をもみほぐされた、そんな読書時間だった。 -
前作を読んで早速続きを読みました。
今回は兄弟のお話。血が繋がっていてもいなくても。そして、そこの兄弟の話しがきたかぁーとなった最終話。
ほっこりあたたかいお話しでした。 -
心温まる短編4篇。
遠足に行きたくない小学生の兄がイケイケの妹と遠足に行くお話。旦那の元に帰りたくない患者と、同じ名前の妹がいた看護師のお話。
そして前三話に共通して出てくる赤髪のモヒカンの男の正体は…?
読み進めれば現れる前作キャラとの関係性
ペンギン鉄道シリーズは前三話を伏線にした最終話が特に心温まる -
前作よりも好き。ストレスなくさらっと読める。よりペンギンが存在感増していてほっこりした。
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ペンギンを通じて、心温まる話が展開される
物を失くすより、心のつながりを失くすほうが辛い
生きるという気持ちを失うことも辛い
と、思った