- 幻冬舎 (2018年12月6日発売)
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感想 : 44件
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Amazon.co.jp ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784344428140
作品紹介・あらすじ
海外で作品が高額で取引される村上隆が、他の日本人アーティストと大きく違ったのは、世界基準の戦略を立てたこと。
稀代の芸術家が、熱い情熱と冷静な分析をもって、アートとビジネスの関係を語る。
みんなの感想まとめ
アートとビジネスの関係を探求する本書は、村上隆が自身の経験を通じて、芸術家としての戦略的思考や市場での評価の重要性を説いています。彼は、従来の日本の芸術家に対する痛烈な批判を交えつつ、欧米での成功を収...
感想・レビュー・書評
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途中内容のまとまりがないように感じたが、それでもニューヨークで戦い成功した方の言葉は重い。大学教授にしかなれなかった従来の日本の芸術家への痛烈な批判が真を喰っていて爽快であった。
村上隆が、どうやって戦略的に日本のサブカルをアートの本場ニューヨークに紹介していったのか、過去の展覧会の資料などを改めて確認したくなった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
芸術は経済的価値を得てこそ---すなわち市場で評価されてこそ---真の価値を得る。芸術家とは起業家であり、芸術のみを追求していればよいのでは決してないことをくり返し説いています。
作者本人も認めているように、「怒り」を原動力(もしくは起爆剤)として活動しているようです。なぜ自分の芸術は理解されなかったのか、なぜ日本人の芸術家は欧米で評価されないのか、なぜそもそも彼らは海外で勝負しようとしないのか・・・。そうした怒りの疑問に突き動かされて、今日の地位を築いてきたことがよくわかります。
同じ日本人として共感ともいえなくもない気持ちを覚える箇所もあれば、みずからの手厳しさに酔っていなくもないように読める箇所もあり、複雑な印象を与える本書。
気づけば徹夜していたと語る知人に対しては、それくらいの努力で世界と勝負しようとしているのかと失望する作者。その反面、みずからが芸術に対して抱く飽くなき情熱に対しては、それを業として受け止める作者。こうした矛盾すらも人間なのだから、芸術家なのだから、よしとする作者。
芸術家の読者であれば理解できるのかもしれませんが、個人的には得るものは少なかったです。
最後に、良かった点を挙げます。
口述筆記であるからなのかはわかりませんが、インタビュー形式でもないのに丁寧語で書かれている点は読んでいて新鮮でした。 -
おもしろかったです。まさか村上隆に共感できるとは思いもしなかったので自分自身驚いてます…。村上さんはガリガリ亡者に見えて、かなりピュアでアツいハートの芸術家なんだなあと思いました。現代アートにはルールがあり、アーティストはプレイヤーという考え方がおもしろかったです。20年近く前の本だけど、今読んでも新鮮というのは村上さんも複雑な心境でしょうね…。
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「これがアートなの?なにがいいか全然わからない」。これが村上隆作品を初めて観た時のわたしの感想だ。お花、かわいい、ハイブランドとコラボ。難解ゆえに崇高で美しく、観る人を選ぶアートを俗世間に持ち込み、資本主義に全乗りしているように思えた村上隆は、なんだか自分には低俗に映った。
この人は、一体なにを考えているのだろう。理解できない人ほど気になってしまう性格のわたしは、菅付さんの推薦図書でもあった本書を手に取った。
結果、言葉の密度が高く、あまりに面白くて三回読んだ。
一回目 マガジン感覚でアート界の全貌を眺める
二回目 村上隆の考えと思想を解読
三回目 美術史の布石になったアーティストについて知る
現代アート一年生を自負するわたしにとって、アーティストを目指している美大生に向けられたであろう本書は、現代アートの世界線を知る上でとてもわかりやすかった。同時に村上隆がなぜあのような作品を作ったのかがよく理解できた。要は彼は、新しい解釈を美術史に持ち込んだという上で革新的であった。オタク文化、kawaii文化という独自形成された日本のカルチャーを世界に向けて翻訳したのだ。
圧倒的な知識量と努力量の彼こそ、美術のオタクであろう。「価値観の違う人にこそ話しかける。そうでないと未来は変わらない」という姿勢には、敬服するものがあった。
音楽も文学もアートも文脈で感動するのはよく理解できる。ただ、アウトプットの質、いわゆるアートとしての美しさというのは日本人にとっては特に大事なのではないか、と思った。 -
村上さんの考え方に共感。 単に素晴らしいモノ(アート)では売れない、そこには評価されるorする側も(判断できる)明解なルールと納得できる説明が必要。 それはそうだわぁ。とくに美術品は、作者の独特の感性から創造されている。
やっぱり創られた作品には、評価基準があるべきだ。見る側もその背景や知識を学ぶ必要があると感じた。あと、霞を食べては生きていけない、人間の欲や本能も分かりやすく書かれている。
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みのミュージックさんの動画で紹介されていたのを見て、気になって読んでみた。
私には少し難しい内容で、読了するのに時間がかかってしまった。
しかし、なるほどなと勉強になった所はたくさんあったため読んでよかったと思える内容。
村上隆さんのことはあまり詳しくなかったが、凄く努力家であり勤勉な方だと分かり、尊敬しかない。
美術関係の人のみならず、私のような普通の大学生が読んでも為になるし、勉強へのモチベーションが上がるのでおすすめしたい。 -
日本の現状、芸術業界の現状に、強い怒りを持っていることが、
伝わってきて、何が必要なのかが、納得できて、元気になれた。
村上隆はいう。
芸術には、世界基準の戦略が必要である。
世界基準を知るには、美術史つまりルールの成り立ちを
つかむことが必要であり、そのルールの文脈の中で位置付けること。
現在の芸術のルールを作っているのは、パリではなく、
アメリカ、ニューヨークである。
芸術に携わるものは、技術というよりも、発想、アイデア
であり、新しい発想を作ることに力を注ぐべきである。
その発想が、文脈上に載っているかを検証する。
想像力を膨らませることに、価値がある。
つまり、芸術といえども、ビジネスの中にある。
芸術の顧客である富裕層を納得させる物語を作る必要がある。
業界の構造を知り、経済的な自立を図る。
個人の歴史の蓄積が、その人のブランドを作る。
個人の持つ才能よりも、サブタイトルである。
唯一の自分の核心を作り、自己満足を超える価値を発見する。
成長するのは、怒りであり、挫折を乗り越えることだ。
「魂の叫び」とは、違う。
アーティストの目的は、人の心の救済にある。
そのために、強烈な欲望がいるのだ。
芸術家になる根拠の濃度を高めることと、長期戦を覚悟すべきである。
そのためには、タフネスでなければならない。
熱量のある雰囲気がなければ、お客さんはつかない。
作品の価値は、物自体だけでは決まらない。
ビジネスセンスや、マネージメントセンスがいる。
知的な仕掛けやゲームやパズル性を楽しめるようにする。
芸術品を作るには、観念や概念であり、多大な努力でもない。
現代芸術の評価の基準は、概念の創造である。
金銭を賭けるに足る商品の物語があって、
つまり、投機対象になるような商品の物語。
購買欲、征服欲、勝利欲を揺さぶり盛り上げる。
芸術とは、時代の価値と気分が市場である。
芸術も娯楽も日本人だったら、世界で認められるには、
「翻訳」に投資して、人に晒す機会を増やすことである。
時代の気分を誘発する機会を増やす。
生き残るためには、どうするのか?
追いつめられた人間は、能力を駆使して自前の正義を作る。
そこには、生き残るという情熱が込められていることだ。
表現で、未来を照らしたければ、夢や希望の方向が見えていた方がいい。
「芸術家の提出した謎」
Something New、New Something!
モヤモヤしていて、表現できないことを表現しようとしている。
何の目的でやるのか。人を超えたい。超人願望がある。
現代人の感性を揺さぶる一発を打ち込む。
根強い慣習や因習を振り切れる衝撃や発見や現実味。
歴史の残るのは革命を起こした作品だけ、
すでにあるものには、喝采は贈られない。
質の高い作品、魂の入った作品→アートの文脈を見つける。
日本の芸術家は、文脈の設定に対する理解不足にある。
日本の頼るべき資産は、技術。
欧米の頼るべき資産は、アイデア。
現状では評価できないものこそ革命的になるかもしれない。
だれでにもわかる説明の限界。
作品の価値とは実体のない虚構から生まれる。
夢の持ちにくい時代。
挑戦できるところは、すべて挑戦されたと思わせる時代。
アイデアは、出尽くしたと思わせる時代。
生きていることが実感できない時代。
マネジメントに集中していく人間が勝つ。
人間には、天才型、努力型がある。
ルールに則った、文脈のある シナリオに沿って作っていく。
ルールとの関係性における挑戦の痕跡。
実現不可能なことへの挑戦。
新しいゲームの提案。
芸術史の新解釈、解放。
確信的ルール破る。ルールの枠に収まらない。
他の世界にない世界観の提案。
新しい権威者を作り上げる。
世界で、唯一の自分を発見し、その核心を歴史と相対化させつつ、
発展させること。
仕事を好きになるより、好きなことを仕事をする。
自分の好きなことを究明する。自分の興味を究明する。
「興奮できるお祭り騒ぎ」を作り上げられるか?
興味を抱かせて、楽しませて、引き込んでいく。
文化の精神を説明する。
若いこと。貧乏であること。無名であること。
文化とは、色を塗る行為ではなく、輪郭を作り出す行為である。
久しぶりに、気分が高揚するいい書に会うことができた。 -
内容も面白いし、メッセージ性もあるんだけど、全体の構成がいまいちで、スッキリした読書感がなくなり残念
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村上隆さんがどのように成功したのか?
アーティストが納得した作品作りしながらお金を稼ぐことをここ最近よく議題にあがることがあるのですが、村上さんはセルフプロデュースが優れているのだなと納得した。
あまり村上さんの作品を知らないので実際見てみたいと思いました! -
村上隆の芸術の捉え方から現代アートやアートの歴史に対する視点が広がったように感じました。文脈や流れ、背景を踏まえた上でどのように自分を表現していくか、その上で会社を立ち上げた意図や社員(弟子ではなく)の育て方など、一貫していて面白かった。自分のイメージの中の芸術家らしくないかたで、そういうところから批判されるのかなと思った。
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芸術で生きていくための方法と視点と姿勢が詰め込まれた良書である。
芸術家や小説家、クリエイター全般に共通する内容である。
芸術家という視点で、欧米(世界基準)とどうやって戦っていくか、それは残念だが大学や大学院やアカデミアでは学べない。情報や知識は知り触れることができるかもしれないが、それを行動に起こさないと世界は反応してはくれない。
本書でも示唆されているが、学生でクリエイターとして将来独立や在学中や卒業後に専業で生きていくためには、市場のルールを学ばなければならない。特に語学は必須だ。英語は最低限必要だ。そして経営についても。
高学歴かはあまり関係ない。学校名は関係無い。作品よりも学校名や若さや容姿など見た目で勝負するアーティストは残念ながら多い。俗的な市場は心地よいだろう。だが、10年後には残念ながら生き残るアーティストはいない。それらは毎年補充されるからだ。
さて、本著では国際的に活躍するにはどういう視点と姿勢で戦うのかを教えてくれる。何度も読み込むことをおすすめする。
芸術家は美大に行かなくても名乗れるし、どの年齢でもどんな経験値でも名乗った瞬間にあなたは起業家なのだ。 -
「第四章 才能を限界まで引きだす方法」で「美術の地獄の世界を生き抜くつらさ」で、村上隆の美術への情熱が痛いほど伝わってきた。
日本の美術を世界に通用させたいという強い気持ちもひしひしと感じた。
あまりに激烈な感情で、仕事というものに疲れてしまった私にとっては読むのがやっとだった。
こういう人たちが歴史を作るんだと思った。
お金を稼ぎながら芸術を続けることは、作品の価値を上げることや、作品の良さを大勢に理解してもらうためにも必要なんだと思った。
村上隆はそこを勘違いされがちだけど、趣味として芸術をやるんじゃなくて、後世にも名が残るプロとして芸術をやりたいんだとわかった。 -
ビジネス
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この人が天才でないのであれば、天才がしのぎを削る世界線とはこの世にあるのだろうか?
凡人すぎる私には全く分からない! -
芸術でお金を稼ぐ正当性。世界のアートマーケットが求めているのはどんな作品なのか。
1ページ読んで、この人とは性格合わないと思った。芸術家は「嫌いだけどすごい」人であるべきなんだろう。
仲間にはなり得ない人からでも、じっくりと思想を語ってもらえるのだから、改めて本ってすごい。
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西洋のルールと価値基準が支配する現代アート界において、極東島国の芸術家としてどのように闘っていくのか、ということを徹底的に戦略的に考え抜いて実行に移す。そこには曖昧な自慰行為としての「自己表現」が入り込む余地など一切なく、むしろ企業のマーケティング戦略に近い。
いろいろ賛否両論はあるだろうけれども、村上隆以前/以後で日本のアート界の景色が全く変わったことは間違いない。 -
「日本文化をそのまま持っていっても評価される時代が既にきているということだと思います。
そのために必要なものは何か?
もちろんそれは『世界に持っていくというガッツです』」
元々、村上隆さんの作品は拝見の機会があったものの、自分の感性に引っかからなかった。
反面、どこの国に行っても「ムラカミ」作品や名前を見るのも事実で、国際市場で作品の値段が6000万円を超えることもある。
なぜ、日本一稼ぐアーティストなのか。
資本主義と自由な芸術はどう共存すべきなのか。
正直疑問が大きかったから、彼の作品作りの根底にある資本主義的芸術感を知りたいと思った。
結論から言うと、「世界に認めらる為に、西洋美術史の文脈を学び、熱意を持って作品をつくる。
加えて論理的に、日本と彼自身のアイデンティティを文脈に落とし込み、『伝える』ことが必要」というお話で、
自分が言語化しきれなかった文化の資本主義への昇華の意味と方法論が本気で綴られていた。
アツかった。
最近、自分がなぜここまで文字を追うのか、なんの問いを持ってどんな答えを探しているかもわからないなって思う。
けど、この状況下、ある種の孤独と対峙する日々の中で一方的に共感できる先、同志をどこかに探しているのかもしれない。 -
日本人が世界に通用するために、どう考えて欧米に向かっていくかを、ご自身の経験を踏まえて書かれているもの。ご自身の作品を作るばかりかと思ったら、他のアーティストにも指南しているとは知りませんでした。文体が、書いているというよりは喋ったままを文字にしているように感じ、読み慣れるのに少し時間を要しました。
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世界的に成功している唯一と言って良い日本人アーチストの著書
美術書でビジネス書、比較文化論
世界の政治文化史を徹底的に研究し、自己のアイデンティティを見つめて表現、百年経っても残っているかが基準
描きたい絵を独りよがりに描くのではない、経営、企画、プロモーション、育成まで
政治的に日本の置かれた位置の現実も提示してくれている
妬みに対しこうやって成功しました、みなさんやってくださいとノウハウを開示でもある、イチローさん的な、杉良太郎さんが偽善?と問うた人にあなたも売名しなさいと言ったこと、関口房朗さん金持学のオカネはモノサシと言ったのと同じ感覚か?
ガッツです。 -
神
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