ミ・ト・ン (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 88
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344429185

感想・レビュー・書評

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  • ラトビアがモデルになっているルップマイゼ共和国に住むマリカの物語。
    とても素敵な国の人々。
    静かに流れる物語。
    でも、夫が「氷の帝国」に連行されてしまう。

    「このクルミを兄弟3人でみんなが納得するように分けるにはどうしたらいい?」
    「年の順に分ける。
    「全員に等しく分ける。」
    「一番下の弟にたくさん食べさせるんだ。だってまだ小さいから。それでまんなかの子には少しだけ。いちばん上の兄は、がまんして食べない。」
    「がまんはしなくてもいいよ。いちばん上のお兄さんだってちょっとは食べたいだろ?でも、正義っていうのは、だいたいそういうことだ。」
    マリカ「クルミを土に埋めて、大きくなって実がついたら、みんなでおなかいっぱいになるまで好きなだけ食べるの。」

    読後感も素晴らしく、次に読む本をどうしようか悩んでしまいました。

  • たいして長い本ではないけど、人生を一から見ている気がするので、長く感じた。(о´∀`о)

  • 以前、中田早苗さんの「エストニアの暮らしとこもの」を読んで、バルト三国や手編みのミトンや暮らし振りを紹介した写真や文章にとても興味を持ちました。また、小川糸さんのエッセイ「針と糸」にラトビアを取材したお話しがあり、この小説「ミトン」のことにも触れてあり、今回読むに至りました。人々の丁寧な暮らし振りやミトンに寄せる想い、豊かな自然が描かれていて、かの国へのイメージが膨らみました。物語は泣けました。淡々とした文ですが、かえってそれが主人公の悲しみや辛さが想像できました。ちょっと童話のような本ですが、心に残るお話しです。

  • この世に生を受け、人を愛し、自然に囲まれながら幸せな毎日を送っていた。
    その国には男の子も女の子も、国民として認められるための試験があった。
    マリカはミトンを編むことがとても苦手で、試験は大変だったけれど、いつしか生きがいになっていく。

    別れを認めること、受け止めること、憎むのではなく、笑顔で暮らすことが周りのひとを幸せにする。
    氷の国に支配される期間はとてつもなく長い。それでもミトンを編み、笑顔で暮らす。自分たちの文化を忘れることなく。

    小川さんは欧州で暮らしたこともあるからこそ、取材を通して得られたものがあるからこそ、こうしたお話を描けているのだと思います。

    手作り品は、既製品にない暖かさがありますよね。
    羊毛つむぎ、毛染めの、手作業から得られる暖かさ。実物を見たらきっとその魅力に取りつかれることでしょう。
    2年前、天然色素で茜色に染めた織物を展示会でみました。すばらしかったのを思い出しました。

  • 友人に薦められて読みました。
    ラトビアをモデルにしたお話し
    一見牧歌的だけれど厳しい暮らしがある
    そこで自然を大切にあるがままを受け入れる人々の暮らし
    なんて素敵、そして強いのでしょう

    ラトビアは旧ソ連に奪われていた
    自国の伝統を禁止された

    でも人々は悲しい歌は歌わない
    哀しい歌も笑いながら歌う
    森の恵みを謙虚に頂く

    今報道で知るウクライナの惨状
    クロスして辛い

    でも、きっと……

    ≪ そのミトン 祈りと愛の 文様で ≫

  • 旧ソ連時代に自国の文化を否定されてていたラトビアをモデルにした物語。

    つましくても、豊かで温かな生活を送る事はできるのだと主人公のマリカが教えてくれる。

    子どもができなくても、夫が敵国へ連れていかれ、心を込めたミトンか片方しか戻ってこなくても。

    人は、その相手を赦し、穏やかに過ごすことができるのだ。

    私も、こうありたいと願う。

  • 伝統として受け継がれていくミトンを編んで贈ることで、人と人の意思疎通が計られてゆく物語。
    ラトビアの風土や風習がベースになっていると書かれていたけれど、「イエス」に値いする言葉がないというのも……?

    取り立てて何が起きるわけではないのだ。
    でも、それは主人公であるマリカという女性の側に立っているからだと言える。

    彼女を囲う国と、その国を狙う敵国との間には、本文では描かれない凄惨な争いがずっと続けられていることが読める。
    本当ならそこに触れることで、マリカの悲しみは一層身近なものになるはずだ。でも、小川糸は描かない。

    そして、もう一つ。
    この物語は語り手が面白い。
    登場人物として顔を出すわけでもないのに、急に文章に熱を持ち出したりする。
    だから、いわゆる昔話よりも、生の感じがしっかりと伝わってくる。

    ゆったりしたい時におススメ。

  • ラトビアをモデルにしたルップマイゼ共和国に住むマリカの生涯を通して、人は心の持ち方次第で人生を楽しめる、前向きに生きられるんだということと、丁寧に生きることの大切さを教えてくれる、童話みたいなストーリー。

    マリカは初恋のヤーニスと結婚し、幸せな日々を送るものの、子どもには恵まれず、二人で楽しむことを決める。しばらくして、ヤーニスは戦争に行きそのまま帰らぬ人になってしまう。
    それでも、彼が戦争に行って40年、多くの人にミトンをプレゼントしながら毎日を前向きに過ごし、最後によい人生だったと振り返ることができるってスゴいことだと思う。

    ラトビアに行ってみたくなった。

  • 久しぶりの小川糸。

    知らないことばかり、
    ラトビアの国、物語ではルップマイゼ共和国。

    母と父とおじいさん、おばあさん、兄3人の中に
    マリカは生まれてくる「待ちに待たれて」

    生まれてから、大きくなり恋をして
    ヤーニスと出会い恋をして
    家庭を築きー
    春、夏、秋、冬と送る、
    こんな生活は理想だわ、
    毛糸を紡ぎ、ミトンを編み、「ここではミトンが大きな意味を持っている

    蜂蜜を育て、蜜をえ
    野菜を育て

    大変だけと理想の生活
    人間はこんな生活をしなければね

    もう後には戻れないけど
    おとぎ話のような、メルヘンなような
    やはり小川糸の世界?
    本文よりー
    ルップマイゼ共和国の人々は
    つらいときこそ思いきり笑うので

  • 大人の童話…かな?

    さっそくミトンをググった
    美しい!凄い!そしてお高い笑笑

    なんとも切ないラストでしたm(_ _)m

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著者プロフィール

作家。デビュー作『食堂かたつむり』が、大ベストセラーとなる。その他に、『喋々喃々』『にじいろガーデン』『サーカスの夜に』『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』『ミ・ト・ン』『ライオンのおやつ』『とわの庭』など著書多数。

「2021年 『グリーンピースの秘密』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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