大人になれない (幻冬舎文庫)

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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (371ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344429260

感想・レビュー・書評

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  • 心の奥底がチクチクする本です。
    文体は軽めですが、内容はヘビーですね。

    他の居候者に対しお互いが疎ましく感じているような描写はありつつ、なんだかんだ家族に近い関係性になっているように見えました。
    不器用ながらもそんな関係が形成されていく中、捨てた母親があんなにも軽い態度で帰って来ると…そりゃー「死ね」って思っちゃうかも…。

    得ると失うを繰り返し、大人になっていく事が人生なんですかね。
    大人になるとは何でしょうか。
    誰もがこのテーマに一生付きまとわれ、逃げられないと思います。
    …かくいう私も(笑)

  • 自分の心の中の大人像は、子どもの頃に見ていた「子どもから見たら大人に見えていた人たち」のことだと思うから、大人になるにはまだまだ時間がかかるものだと思い続けているような気がする。
    同時に、大人になるにはまだまだ長い時間が必要なのだとも思い続けたいのだろう。

    自分の中に大人を探して、もう大人なんだからと自分に言い聞かせることに疲れたときに、読みたい本。

  • いい加減な母親・カレンに捨てられた小学生の純矢は、親戚だという万知田歌子の家で暮らすことになる。そこには歌子の母・政江の他、太助と江口という2人の無職の男たちも居候しているという奇妙な家。おかしな家族との生活を経て、純矢は母親との関係を見つめ直す。
    荒唐無稽な設定で、あまりにも濃いキャラクターたちに圧倒されながら読んでいたが、不思議と物語の言わんとするところは伝わってきた。

  • 大人になったら仕返しする
    の、タイトルが大人になれない
    ラストに向けて歌子さんのことが途端に愛おしくなっていく話だったなぁ〜そしてタイトルに気づいて心震えた

    はじまりはみんなのことあんまり好きじゃなかったけど、だんだん好きになってしまって不思議だった

    スッキリ大田園ではないこともあるけど、(純矢のこれからとか、歌子さんの自殺の真相とか)面白かったぁ

  • 小学5年生の純矢は母子家庭。ある日母親から捨てられ親戚の歌子に引き取られる。無職の中年と67歳の引きこもりが居候している吹き溜まりのような場所。人との触れ合いの中で純矢は自分の居場所を見つけ出していく。夢見た未来と現実の狭間でもがきながら誰もが大人になれずにいる。それでも最後は温かかったな。

  • 2023.03.17読了。

    純矢江口ペアがなんか好きなのと、私はまさきさんのつくる「余白」が心地いいのだと気づいた。

  • 年末年始のお供にする本が欲しいなと思い近所の本屋で購入。この本を読んでいる最中に年を越した。
    意外と適当に生きても人って何とか生きていけるのかなとか、思った。
    日常を描いているような書きっぷりなのに中々ぶっ飛んだ世界観。異世界に連れていかれた。読んでいて楽しかった

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著者プロフィール

1965年東京都生まれ。北海道札幌市育ち。1994年『パーティしようよ』が第28回北海道新聞文学賞佳作に選ばれる。2007年「散る咲く巡る」で第41回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)を受賞。
著書に『熊金家のひとり娘』『完璧な母親』『大人になれない』『いちばん悲しい』『ある女の証明』『祝福の子供』『あの日、君は何をした』『彼女が最後に見たものは』などがあり、近刊に『レッドクローバー』がある。

「2022年 『屑の結晶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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