わたしたちは銀のフォークと薬を手にして (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
4.16
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本棚登録 : 761
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344429666

作品紹介・あらすじ

残業も休日出勤もいとわない仕事熱心なOL
の知世。そんな彼女の楽しみは、仕事で出会
った年上のエンジニア・椎名さんとの月二の
デート。江の島の生しらす、雨の日の焼き鳥、
御堂筋のホルモン、自宅での蟹鍋……。美味し
いものを一緒に食べるだけの関係だったが、
ある日、彼が抱える秘密を打ち明けられる。
行方のわからない大人の恋を描いた恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • 場所と人と食べ物が章ごとに次々変わっていくけれど、この本は、どこの情景も浮かんできた。その人の顔とか表情とか、服とかそういうのまでパッと浮かぶくらい、スッと入り込んでくるお話ですごく好きだった。

    この人の小説をもっと読みたいと思った。全く違うジャンルで。

  • 読んでいてとても心地が良く、大切に文字を追いたくなった本だった。

    出てくる女性それぞれに共感できるものがあり、過去自分が感じたこと、今参考にしたいこと、そしてこうでありたいと願いたくなること…そんな話がたくさん散りばめられていた。

    一文だけ、心に留めて置きたいフレーズを記録します。






    “薄々分かっていた。年収じゃない。顔でもない。いや、外見はちょっと大事だけど、それより必要なもの。
    それはなにひとつ特別じゃないわたしと向き合ってくれる、関心と愛情。”

  • 48冊目(4-8)

  • HIV キャリア男性との恋愛、主人公を取り巻く妹、女友達、情景が目に浮かぶ読ませる一冊

  • 「大人になるって、この人を好きになるとは思わなかったっていう恋愛が始まる事かもしれない。」

    行方のわからない大人の恋。
    それで本当の自分を見つけられたら、それで大切に思う人に出会えたら、それこそが1番幸せな事なんだと思う。

    読み終えた時に、ふんわり柔らかな感覚で本を閉じる事ができた。

    島本理生さんのことば遣い、好きです。

  • 私が言うと稚拙なんですが、あたたかい、なんて事ない日常を大事にしたいな、と思わされる作品。すらすら読めた。

    そして色んな人がいて、なんでこんな言い方しちゃうんだろうって不快な気持ちにさせてくる人って世の中に沢山いるけど、みんな人それぞれに気遣いとかその人なりの考え?ある種の優しさ? みたいなのがあるんだよな、と凄く思わされた

    だからそういう人に対しても瞬発的にイラっとして返すんじゃなくて、愛ある返しできる大人になりたいなーーーーとおもいました

  • 評価が高かったから読んでみたけど、とても良かった。

  • 心に残ったフレーズ


    ✴︎薄々わかっていた。年収じゃない。顔でもない。いや、外見はちょっと大事だけど、それよりも必要なもの。
    それは何一つ特別じゃないわたしと向き合ってくれる、関心と愛情。


    ✴︎何一つ特別じゃない私の話をいつまでも飽きずに聞いてくれて、真剣に心配したり、絶対に傷つける言葉を使わずにアドバイスをくれたり。
    旅行をすれば、楽しくて、何を食べても二人一緒ならおいしい。初めてだったよ。そんな人。

    ✴︎あんな不毛な恋愛をしながら、毎日会社に通って、笑ってお茶汲んで入力作業して。
    何一つ特別じゃないわたしだって一生懸命がんばっていて、世界の本当の端っこで一ミリくらいは役に立っている。
    そのことを大事に扱っていないのはわたし自身だった。十万円で赤の他人がなにもかもかえてくれることを期待するくらいに。

    ✴︎大人になるって、この人を好きになるとは思わなかったっていう恋愛から始まることかもしれない

    ✴︎この世は焼き鳥とレモンサワーを一緒に楽しめる相手とできない相手に別れる
    一緒に焼き鳥を食べられるって、一緒に生きていけるくらい大きなことなのかもしれない。

    ✴︎ムードのあるリゾートもいいけれど、気楽なのもいい。家でほっこり鍋を突くのも、温泉宿でしっとりとするのも、いつだって等しく楽しかった。

    ✴︎一人でだって生きられる。だけど二人が出会ったことで、お互いやまわりまで変えるほどの波がどこまでも広がって打ち寄せていくのだ。

    ✴︎あまりにも夢が鮮明だったので、どちらが現実か分からずに呆然としていた。
    ふいに、どちらでもいいのかもしれないと考える。
    数年前は今の自分なんて想像もしてなかったのだから。未来は確実にやってくるけど、きっと予想もしていなかったことや叶わなかったことも多いだろう。だけど、なんとかなるのだ、と思えるほどの現実感がさっきの夢にはあって、それはわたしと椎名さんの今までがあるからこそだと気づいた。

    久々恋愛小説を読んだ。

    かゆい恋愛小説ばっかりだけど
    この小説は本当の愛や思いやりについて気づかせてくれる本だった。
    こんな恋愛をしたいなって思わせてくれた。

    そして世の中の当たり前や普通という価値観に押しつぶされそうになった時に読みたいと思える本。

    例えば飯田ちゃんにとっての結婚

    特に結婚は女にとって一番悩ましいことかも。

    飯田ちゃんが言っていた
    どうして人生には、結婚以外の正解が用意されてないのだろう

    確かに歳をとって、年金に頼り介護生活をして
    ひと段落ついた時には一人ぼっち
    を想像すると戦慄するけれど

    結婚したくない人だっているわけで
    それなのに結婚してないだけで
    あの人は難があるのではないか
    子育てしていない人は未熟など色々と言われる

    けど自分がしたくないと思っているのに
    無理してなんとなく愛される女になるのは違う



    次に結婚、出産、親孝行が人生に必須だと信じてきた知夏

    けれどそれに縛られる必要は全くない

    それぞれに生きたらいいのだ。私たちは大人同士なのだから。
    親だって別々の人間なのに、期待に全て応えとか、
    思い通りにならなきゃいけないとか
    そんなこと考える必要はないということ


    これからは自分に正直に
    そして欲張りに生きたいなと思えた

    人生は、時間は有限じゃないから
    まだ一生を永遠のように錯覚しているから

    好きな人と好きなご飯とお酒を飲んで
    たくさん話して笑って怒って泣いて
    思いっきり生きたいなって思わせてくれたこの本は
    わたしにとって大切な本になった


  • すきな人と、すきなものを食べて、幸福に満たされたなら、人それぞれ持っている苦悩や不安を、超えられるのではなくて、なんとかなると考えられるのだな、と思う。

  • 登場人物全員に、ちょっとずつ感情移入できるお話。

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著者プロフィール

島本 理生(しまもと りお)
1983年東京都板橋区生まれ。都立新宿山吹高等学校に在学中の2001年に「シルエット」で、第44回群像新人文学賞の優秀作を受賞し、デビュー。06年立教大学文学部日本文学科中退。小学生のころから小説を書き始め、1998年15歳で「ヨル」が『鳩よ!』掌編小説コンクール第2期10月号に当選、年間MVPを受賞。2003年『リトル・バイ・リトル』で第128回芥川賞候補、第25回野間文芸新人賞受賞(同賞史上最年少受賞)。2004年『生まれる森』が第130回芥川賞候補。2005年『ナラタージュ』が第18回山本周五郎賞候補。同作品は2005年『この恋愛小説がすごい! 2006年版』第1位、「本の雑誌が選ぶ上半期ベスト10」第1位、本屋大賞第6位。2006年『大きな熊が来る前に、おやすみ。』が第135回芥川賞候補。2007年『Birthday』第33回川端康成文学賞候補。2011年『アンダスタンド・メイビー』第145回直木賞候補。2015年『Red』で第21回島清恋愛文学賞受賞、『夏の裁断』で第153回芥川賞候補。『ファーストラヴ』で2回目の直木賞ノミネート、受賞に至る。

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