逃げるな新人外科医 泣くな研修医2 (幻冬舎文庫)

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  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344429697

感想・レビュー・書評

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  • 胸が苦しくなりページをめくる手が何度も止まってしまった。シリーズ2作目。

    雨野隆治は二年間の研修医生活を終え、新人外科医となった。大腸がん患者二人の主治医を任されるが、経験豊富な看護師にはまだまだ頭が上がらない。
    「大丈夫」と軽率な発言をしてしまい、病状が急変した患者の家族にキレられ「先生、失礼ですけど何年目ですか?」と迫られる始末。生と死の医療現場のリアルに唸ってしまう。

    コワモテで、隆治のことを「兄ちゃん」と呼ぶ水辺さん。身寄りのない単身者で大腸がんステージIV。腹が据わっていて隆治のことをよく見ているなと思った。
    自分の浅はかさに嫌気がさし、患者さんが死ぬことに慣れてしまったのではと恐れを抱く新米外科医は、自分のミスで水辺さんを気胸にしてしまった。

    頭をさげる隆治に「兄ちゃんがそうやってきっちり謝ってくれるなら、いくらでも俺の体で練習しな」 うぅ泣ける!
    薬剤性の間質性肺炎を起こした水辺さんが、かすれ声で「なあ…いい医者に…なれよ…もう…刺すなよ…肺…」 暫し茫然!

    「人の人生の終わりを見届けるのも医者の仕事」と後輩の研修医、凛子に伝える隆治だったが、同じ大腸がんで緊急手術後に急変した鹿児島の父を前に、自分の無力さを知る。患者の家族でありながら、医者の目で状況を判断する自分が嫌だ!
    なぜ自分は帰ってこなかったのか…
    なんのために生きているのか…

    隆治の泣き声が聞こえてきた。

  • シリーズ第2作品。

    前作を読み終え、そのままシリーズ第3作まで続けて読む気満々だったのが2日前の15日。

    ですが、当日に気づいてしまったんです(><)

    大好きな知念実希人の最新刊発売日であることを。

    気づいてしまった...

    だから仕事を早めに終わらせてその足で本屋へ行き、先にそちらを読み終えました。

    そして、先程本作を読み終えることが出来ました。

    シリーズ第2作となる本作は前作から2年後、つまり、西野隆治は27歳で研修医生活を終えて新人外科医へと成長。

    そんな新人外科医のもとには新たな研修医として西桜寺凛子も加わります。

    医師になったとはいえ、外科医としてはまだまだ初心者マークの西野は同時に二人の大腸ガン患者の主治医となり、懸命に治療にあたります。

    自分が主治医としてかかわった患者の為に本作も西野は真正面から向き合うことを学び、成長していきます。

    成長と共に生まれるのは医師としての西野の姿。

    患者に向き合い、患者に助けられ、そんな患者を看取り、死亡判定を行いながら、一人前の立派な外科医になるべく成長の階段を一歩一歩上っていきます。

    そんな時に母から知らされたのは父親が大腸ガンになり、手術を受けたという事実。

    多忙な毎日に忙殺されながらようやく休暇をとらせてもらい生まれ故郷である鹿児島に父を見舞いに戻ることに。

    やっとの思いで病室に辿り着くも父はベッドと共に病室から居なくなっていました。

    看護師に尋ねると容態が急変しICUへ運ばれたことを知らされ、父親のもとへ駆けつけるも言葉を交わすこともないまま、更に父は危険な状態に。

    外科医としての西野は父の状態が非常に危険だということは理解出来る。

    心電図がフラットになった後、心肺蘇生法を行うかどうかを父の主治医から問われ、医者としての自分と、父の息子としての自分という2つの視点で見てしまい判断が出来なくなってしまいます。

    そんな時に訪れた心肺停止という現実。

    必死で蘇生を行う医師や看護師と今まさに人生の幕を閉じようとしている父を見つめることしかできない。

    そして最後に西野がくだした結論は心肺蘇生法を止めること。

    迎えた父の死。

    医師であると同時に両親の子供である西野先生の成長物語。

    このままシリーズ第3作を読み進めていきます。


    内容紹介
    「俺、こんなに下手クソなのに
     メスを握っている。命を託されている」

    ひたむきに命と向き合う雨野の物語。
    待望の続編、文庫書下ろし!

    雨野隆治は27歳、研修医生活を終えたばかりの新人外科医。
    二人のがん患者の主治医となり、奔放な後輩に振り回され、
    毎日、食事をする間もないほど忙しい。
    責任ある仕事を任されるようになった分だけ、
    自分の「できなさ」も身に染みる。
    そんなある日、鹿児島の実家から父が緊急入院したという電話が……。
    現役外科医が、生と死の現場を圧倒的なリアリティで描く。
    内容(「BOOK」データベースより)
    雨野隆治は27歳、研修医生活を終えたばかりの新人外科医。二人のがん患者の主治医となり、後輩に振り回され、食事をする間もない。責任ある仕事を任されるようになった分だけ、自分の「できなさ」も身に染みる。そんなある日、鹿児島の実家から父が緊急入院したという電話が…。現役外科医が、生と死の現場をリアルに描く、シリーズ第二弾。
    著者について
    1980年神奈川県生まれ。鹿児島大学医学部卒。都立駒込病院大腸外科医、福島県広野町・高野病院院長を経て、郡山市・総合南東北病院外科医長。著書に『幸せな死のために一刻も早くあなたにお伝えしたいこと』『医者の本音』『がん外科医の本音』などがある。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    中山/祐次郎
    1980年神奈川県生まれ。鹿児島大学医学部卒。都立駒込病院大腸外科医、福島県広野町・高野病院院長を経て、郡山市・総合南東北病院外科医長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 「泣くな、研修医」の続編。
    研修医期間を終え、新人外科医となった雨野の物語。
    外科医となり、担当する患者も出来、手術の助手もこなすようになった雨野。
    今作では2人の癌患者とのふれあいをベースに、生と死を丁寧に描いている。
    救える命と救えない命。
    相変わらず、現役医師の書く物語には説得力がある。
    自分もだが、家族の生死に接した際に自分だったらどうるか?
    どうしても、そんなことを考えながら読んでしまい、医師としての雨野の成長ぶりに頭が回らなかったけど、相変わらず弱々しい感じがして、医者としてはまだまだかな?
    3作目、4作目と重ねて、さらに成長する姿に期待しよう。

  • シリーズ2作目。
    隆治が医者3年目になっていて、後輩の研修医もいる。1作目の時より少しだけ頼りになる感じ。
    ただ、やはり激務すぎる。最後の親御さんとのシーンも…泣ける。

    医療従事者のみなさま、特に医師の方々、尊敬しかない。日々このように仕事をしてくださる方がいるおかげで、病院は、社会は回っているのだと。ありがとうございます。

  • 雨野先生と一緒になって、悲しんだり喜んだり涙したり。TVドラマでは派閥やお金を優先するドロドロが多い中、全ては患者様のために、命と向き合う医師の姿勢に尊敬と感動しかありません。

  • シリーズ2作目。
    研修医の頃から成長してできることが少し増えたけれど、やっぱり万能ではないお医者さんの歯がゆい気持ちが描かれていた。
    なんて残酷な仕事なんだろう。
    最初は優しいお医者さんだった人でも、経験を重ねるほどに、自分の心を守るためにもそのままではいられないのかもしれないと思った。

    あと前回も思ったけど、読んでるとCoCo壱食べたくなるね。

  • 研修医生活を終え、外科医となった雨野隆治。
    まだまだ失敗続き…

    父も大腸がんで緊急入院したとの知らせが届くが、日々の業務に振り回わされ、鹿児島の父を見舞うことすら…

    隆治はほんとに真面目で素朴でいいヤツ。
    ちょっと手の抜き方を覚えた方がいいのに。
    川村を見習って。
    はるかの言う通り、ほっとけなくなるだろうな…
    看護師の吉川さんとくっつくのかと思ったが…
    これから、どうなっていくんだろう。

    医者はほんとに肉体的にも精神的にも大変なんだろうな、特に外科医は。

    隆治は大丈夫なんだろうか…
    はるかがずっーと支えてくれるんだろうか…

    隆治は患者に誠実に向き合う、ほんとにいい医者になるんだろうな。

    隆治がどう成長していくのかが、楽しみだ。

  • シリーズ第2弾。
    前期研修が終わり、外科医1年目の雨野隆治。

    寝る間もない多忙な新人外科医の様子が描かれている。生と死へ直面し、怒られ悩む雨野。

    真面目で優しい、裏表のない素朴な人柄。うーん、ちょっとウダウダと迷い過ぎ…外科は決断力が必須条件じゃないの⁈と、げきを飛ばしたくなった。

    病気の父の見舞い、気になる女の子への優柔不断さにちょいちょいイラッときたけど、雨野くんの今後の成長を期待!
    私も最後まで見守っていくよ!

  • 隆治の成長と共に描かれる、人の死に対する様々な感情、そして『慣れ』。そんな言葉は使いたくないが…。次回もすぐ読みたくなる作品です。

  • 2も面白かった〜
    少しずつしっかりしてきてる。

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著者プロフィール

1980年神奈川県生まれ。鹿児島大学医学部卒。現在は湘南東部総合病院外科勤務。著書に『泣くな研修医』シリーズなどがある。最新作は『やめるな外科医 泣くな研修医4』(幻冬舎文庫) 。

「2022年 『ココロギミック 異人と同人3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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