イマジン? (幻冬舎文庫 あ 34-8)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 1504
感想 : 108
  • Amazon.co.jp ・本 (516ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344432161

作品紹介・あらすじ

「朝五時。渋谷、宮益坂上」。その9文字が、良井良助の人生を劇的に変えた。飛び込んだのは映像業界。物語と現実を繫げる魔法の世界にして、ありとあらゆる困難が押し寄せるシビアな現場。だがそこにいたのは、どんなトラブルも無理難題も、情熱×想像力で解決するプロフェッショナル達だった!有川ひろが紡ぐ、底抜けにパワフルなお仕事小説。

感想・レビュー・書評

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  •  小5でゴジラと出逢い、映画に魅了された良助。「映画には作る人、物語と現実を繋げる人がいる。自分も物語と繋がりたい。」と夢に向かって突き進む成長物語です。
     主人公の良助の前には、映画やTVドラマの制作現場で、半端ない無理難題が次々と立ちはだかります。しかし、持ち前の明るさ、一途さと空回りしながらも気遣いで克服し、周囲に認められていきます。
     現実的には、こんなに上手くいかないよなと思いながらも、良助の爽やかなキャラと仲間との協調、困難に立ち向かいクリアしていく様子に、知らず知らずときめき、応援したくなります。こんな子がいたら、老若男女問わず人気者になること請け合いです。
     映像業界に入ることが夢でありゴールと思っていた主人公が、夢の続きへ決意を新たにするという、読み手にとっても明日への希望をもたせてくれる物語でした。
     有川浩ファンにとっては、「空飛ぶ広報室」「図書館戦争」もどき(?)の話も登場し、別の楽しみもありました。

  • 久しぶりの有川ひろさん。
    相変わらず、言葉のテンポがよく、人の心の機微が濃やかに表現されてます。

    娘の評判が良かった図書館戦争シリーズなど、まだまだ読んでない作品が多く楽しみは尽きないですね。

  • 有川さんの本、久し振りに読むのだけれど、いつの間にやらお名前を変えてらっしゃったのね。(3年近くも経つのに今まで気がついていませんでした)

    夢をもって上京してきながら今は歌舞伎町でビラ配りをしている主人公が、ひょんなきっかけで憧れだったドラマ制作の現場に入って、ドジを踏みながらも、持ち前の性格と行動力で成長していく、というお話。

    第一話 いつものこの作者のテイストで進められる話は読み心地は悪くはないが、紆余曲折もなく現場に入り込んで、いつの間にやら主演女優にいじられるようになるなんて、新味もなくてなんとなく面白くない。自分の作品をネタにするのも感心できず。

    第二話 監督の横暴さにチーフ・サード助監のクズっぷり、殿浦・佐々の出来の良さはありがちではあるが、ドラマや映画製作の現場の雰囲気はよく知れた。

    第三話 そう言えば少し前に映画監督のセクハラ(性加害)って話題になったよね。

    第四話 再び自作ネタ、且つご本人まで登場。臆面もなく自画自賛されて、とても居心地が悪い。

    第五話 描かれる映画の企画といい作家先生の風格といい大団円に相応しい展開のはずだったのに、最後になってカタルシスもなくスケールの小さな話でまとめられてしまい残念。 

  • 全く知らない世界、お仕事の話でもすぐに深くはまり込んでしまうのはやっぱり作者さんはすごいなと改めて思いました。
    分厚目な本ですが最後まで楽しく読めました。
    話としても面白いのですが、原作を映像化する事について作者の気持ちが書かれています。以前読んだエッセイ集に書かれていた作者の思いが物語の中にも書かれています。
    エッセイ集を読んでから作品を読むとまた違う面白さや気付きがあります。

  • 映像業界というと、華々しさがありつつも厳しい世界というイメージがありましたが、本作はキツイ部分を描きつつも、エンタメとして昇華していたため、楽しく読むことができ、気づけば一気読みしていました。

    この作品の推しポイントはなんといってもキャラクターです。主人公は映像業界に憧れがあり、ひょんなことから映像業界に飛び込むことになるのですが、どこか純朴で素直かつ、人懐っこいところがあるといったパーソナリティは魅力度満載で、読めばきっと好きになると思います。

    また、主人公を取り巻く人々もステレオタイプではあるけれども、それぞれに魅力があるうえ、組み合わせが王道で小気味よく読んでいられました!

    この作品に出てきた主要人物が良い人ばかりかつ、嫌味が少なく真っ直ぐで読んでて凄く癒されましたし、
    元気を貰えました!

  • 有川さんの作品はやっぱりいいなぁ!
    結構厚めの本でしたが、イッキに読み終えました!
    映像業界を舞台とした物語で、縁の下の力持ち的な役割の制作会社で働けるようになった良井良介を中心にドラマや映画の現場で役者の皆さんが良い演技ができるように、監督の希望に沿うように イマジンをフル回転させて走り回る。
    イマジンはまさに日常生活でも必要。
    これをしたら、こう言ったらどうなるか?
    やっぱり色んな事を想像しながら仕事をしたり、家庭の中で過ごしたり、必要な事だと思います。
    良介と幸さんの今後も気になります。

    書き漏らしてましたが、セクハラ、パワハラが無い世界が良いですよね!実際にあるんだろうけど、ハラスメントの無い世界になって欲しいです。

  • 映像業界を舞台にした有川節全開のライトノベル。短編連作の体で、それぞれの短編ごとに一つの映像作品の制作とリンクしたストーリーが紡がれる。
    ……のだが、それぞれのその映像作品としていちいち自作のパロディというか自作ほぼズバリのようなテレビドラマや映画の制作現場を舞台にしており、著者の大ファンにはたまらないのかもしれないがそこまででない私にはちょっと有川臭が濃くて疲れました。映像化された作品が非常に多い人気作家だけに、実際に作られている現場に足を運んだりスタッフから裏話を聞いたりした経験が活かされているんだろうなあと思うわけですが、そういうのをまたこうやって小説にするあたりがよくいえば素直な人なんだが、なんとなく「自給自足」という言葉と「自家中毒」という言葉が頭の中をぐるぐるもやもやしてしまう。考えすぎなんだろうけど、どうもすっきりしないまま読み終わりました。
    エンタテインメントとしては流石に安定していて、定石を外すことなく、上手に感情の表面を撫でるけど決して爪は立てないライトノベルのお手本のような作品でした。もちろんほめてます。疲れてる時に読むと心が揺さぶられすぎないでいいのかも。

  • 読みやすく、一気に読みました。映画やドラマの撮影の様子はこんな感じなんだなぁ。読んでいて、前向きな気持ちになりました。

  • 少し分厚くて、最初はあまり進まなかったけれども読んでいくうちにだんだんと引き込まれていました。

    映画、ドラマなどの裏側という、今までで気にしたことがないことの仕事のことにスポットが当てられていてこういう風に作られているのかということに気付けた。
     
    何よりも主人公だけでなくて、周りのキャラクターが個性的でおもしろみがあってすごくおもしろかったです。

    状況に合わせて、イマジンをしていこう

  • 有川ひろさんの小説って止まらないんだよなぁ。
    原作の映画化の裏側が見れて楽しかった。
    続きがみたいな。
    イーくんと幸のその後が見たい!

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著者プロフィール

高知県出身。第10回電撃小説大賞『塩の街 wish on my precious』で2004年デビュー。2作目『空の中』が絶賛を浴び、『図書館戦争』シリーズで大ブレイク。『植物図鑑』『キケン』『県庁おもてなし課』『旅猫リポート』『三匹のおっさん』『阪急電車』『空飛ぶ広報室』『明日の子供たち』『イマジン?』など。2019年「有川浩」から「有川ひろ」に改名。

「2023年 『私たちの金曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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