イマジン? (幻冬舎文庫 あ 34-8)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (516ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344432161

作品紹介・あらすじ

「朝五時。渋谷、宮益坂上」。その9文字が、良井良助の人生を劇的に変えた。飛び込んだのは映像業界。物語と現実を繫げる魔法の世界にして、ありとあらゆる困難が押し寄せるシビアな現場。だがそこにいたのは、どんなトラブルも無理難題も、情熱×想像力で解決するプロフェッショナル達だった!有川ひろが紡ぐ、底抜けにパワフルなお仕事小説。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりの有川ひろさん。
    相変わらず、言葉のテンポがよく、人の心の機微が濃やかに表現されてます。

    娘の評判が良かった図書館戦争シリーズなど、まだまだ読んでない作品が多く楽しみは尽きないですね。

  •  小5でゴジラと出逢い、映画に魅了された良助。「映画には作る人、物語と現実を繋げる人がいる。自分も物語と繋がりたい。」と夢に向かって突き進む成長物語です。
     主人公の良助の前には、映画やTVドラマの制作現場で、半端ない無理難題が次々と立ちはだかります。しかし、持ち前の明るさ、一途さと空回りしながらも気遣いで克服し、周囲に認められていきます。
     現実的には、こんなに上手くいかないよなと思いながらも、良助の爽やかなキャラと仲間との協調、困難に立ち向かいクリアしていく様子に、知らず知らずときめき、応援したくなります。こんな子がいたら、老若男女問わず人気者になること請け合いです。
     映像業界に入ることが夢でありゴールと思っていた主人公が、夢の続きへ決意を新たにするという、読み手にとっても明日への希望をもたせてくれる物語でした。
     有川浩ファンにとっては、「空飛ぶ広報室」「図書館戦争」もどき(?)の話も登場し、別の楽しみもありました。

  • 有川さんの本、久し振りに読むのだけれど、いつの間にやらお名前を変えてらっしゃったのね。(3年近くも経つのに今まで気がついていませんでした)

    夢をもって上京してきながら今は歌舞伎町でビラ配りをしている主人公が、ひょんなきっかけで憧れだったドラマ制作の現場に入って、ドジを踏みながらも、持ち前の性格と行動力で成長していく、というお話。

    第一話 いつものこの作者のテイストで進められる話は読み心地は悪くはないが、紆余曲折もなく現場に入り込んで、いつの間にやら主演女優にいじられるようになるなんて、新味もなくてなんとなく面白くない。自分の作品をネタにするのも感心できず。

    第二話 監督の横暴さにチーフ・サード助監のクズっぷり、殿浦・佐々の出来の良さはありがちではあるが、ドラマや映画製作の現場の雰囲気はよく知れた。

    第三話 そう言えば少し前に映画監督のセクハラ(性加害)って話題になったよね。

    第四話 再び自作ネタ、且つご本人まで登場。臆面もなく自画自賛されて、とても居心地が悪い。

    第五話 描かれる映画の企画といい作家先生の風格といい大団円に相応しい展開のはずだったのに、最後になってカタルシスもなくスケールの小さな話でまとめられてしまい残念。 

  • 「この人、気が利かないな」と思ってしまう人がいる。
    「仕事できない人だな」と思わせる人がいる。
    この人たちに共通しているのは想像力のなさだ。
    「このタイミングでこう動いたら彼はああ言うだろうな」「この文面のメールを送ったらこう返信が来るだろうな」「ここで怒ってみせたら彼らはこういう反応をするだろうな」などと、これから起こるであろうことを想像できる人とできない人の違いが、冒頭の評価に繋がる。

    登場人物の心の機微を描かせたら有川ひろの右に出る作家はいない。彼女は実に繊細に心模様を描写する。だから読者はいつの間にか心がシンクロして感情移入してしまうのだろう。
    この作品は、イマジン=ただの「想像する」ではなく、どういう未来(数分先でも数年先でも)を想像してどうやってそこへ向かうか、意識的かつ積極的に「想像を働かせる」イマジンだ。

    相変わらず有川ひろの作品は読後がとても爽やかで気持ちがいい。

  • 全く知らない世界、お仕事の話でもすぐに深くはまり込んでしまうのはやっぱり作者さんはすごいなと改めて思いました。
    分厚目な本ですが最後まで楽しく読めました。
    話としても面白いのですが、原作を映像化する事について作者の気持ちが書かれています。以前読んだエッセイ集に書かれていた作者の思いが物語の中にも書かれています。
    エッセイ集を読んでから作品を読むとまた違う面白さや気付きがあります。

  • 映像業界というと、華々しさがありつつも厳しい世界というイメージがありましたが、本作はキツイ部分を描きつつも、エンタメとして昇華していたため、楽しく読むことができ、気づけば一気読みしていました。

    この作品の推しポイントはなんといってもキャラクターです。主人公は映像業界に憧れがあり、ひょんなことから映像業界に飛び込むことになるのですが、どこか純朴で素直かつ、人懐っこいところがあるといったパーソナリティは魅力度満載で、読めばきっと好きになると思います。

    また、主人公を取り巻く人々もステレオタイプではあるけれども、それぞれに魅力があるうえ、組み合わせが王道で小気味よく読んでいられました!

    この作品に出てきた主要人物が良い人ばかりかつ、嫌味が少なく真っ直ぐで読んでて凄く癒されましたし、
    元気を貰えました!

  • 有川さんの作品はやっぱりいいなぁ!
    結構厚めの本でしたが、イッキに読み終えました!
    映像業界を舞台とした物語で、縁の下の力持ち的な役割の制作会社で働けるようになった良井良介を中心にドラマや映画の現場で役者の皆さんが良い演技ができるように、監督の希望に沿うように イマジンをフル回転させて走り回る。
    イマジンはまさに日常生活でも必要。
    これをしたら、こう言ったらどうなるか?
    やっぱり色んな事を想像しながら仕事をしたり、家庭の中で過ごしたり、必要な事だと思います。
    良介と幸さんの今後も気になります。

    書き漏らしてましたが、セクハラ、パワハラが無い世界が良いですよね!実際にあるんだろうけど、ハラスメントの無い世界になって欲しいです。

  • 読了。映像制作会社のお仕事小説。めちゃくちゃ良かった!面白い!ずっと読んでいたいと思える本でした。全てのキャラクターが良くて、キャラクター惹き込まれました。

  • 将来の夢だった映像業界。新卒で入った会社が計画倒産し、その悪評でどこにも入れなかった良井はアルバイトで制作会社に飛び込んだ。
    イマジンしながら奮闘するパワフルなお仕事小説。

    とても読みやすく、一気に読んでしまった。
    ドラマでも映画でも一つの作品を作るのにいろんな人が携わって色んな困難を乗り越えて作っていることが伝わった。
    想像力を持って仕事をしていこうと思えた。

  • 映画の制作会社の人たちが、現場を走り回りながら、さまざまな作品を作り上げて行くお話。
    多くの人が関わって、我慢して努力して奔走して…そうやって素晴らしい作品が出来上がっていく様子に感動した
    有川先生の作品が好きな人は、ぜひぜひ読んで欲しい!ところどころに有川先生の他作品が出てきて、ワクワクが止まりません!

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著者プロフィール

高知県出身。第10回電撃小説大賞『塩の街 wish on my precious』で2004年デビュー。2作目『空の中』が絶賛を浴び、『図書館戦争』シリーズで大ブレイク。『植物図鑑』『キケン』『県庁おもてなし課』『旅猫リポート』『三匹のおっさん』『阪急電車』『空飛ぶ広報室』『明日の子供たち』『イマジン?』など。2019年「有川浩」から「有川ひろ」に改名。

「2023年 『私たちの金曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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