MR(上) (幻冬舎文庫)

  • 幻冬舎
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344432857

作品紹介・あらすじ

中堅製薬会社のMRである紀尾中は、自社新薬の「診療ガイドライン」第一選択Aグレード決定のために奔走する。決まれば年間売上1000億円超のメガヒット商品となる。難攻不落、MR泣かせの大御所医科大学長からようやく内定を得た直後、外資ライバル社の鮫さめじま島による苛烈で卑劣な妨害工作で一転、新薬はコンプライアンス違反に問われる……。

感想・レビュー・書評

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  • 久坂部羊『MR(上)』幻冬舎文庫。

    製薬会社のMRたちの激闘を描いたちょっとブラックでユーモラスでリアリティあふれる異色の小説。

    非常に面白い。

    大病院などでよく目にするスーツに身を固め、手元にパンフレットや書類を携え、息を殺すかのように壁際に張り付き、目的の医師の姿を見付けるや否や素早く駆け寄り、ペコペコする男たちが薬を売り込むMRだ。

    融通の効かない、我が儘な医師のご機嫌を取りながら薬を売り込むのは並大抵の苦労ではないだろう。一度、医師とのパイプが出来れば、少しは薬の採用も緩くなるのかも知れない。

    天保薬品堺営業所のMRたちを束ねる所長の紀尾中正樹は部下たちの様々な危機に自ら乗り出し、部下たちの危機を回避する。

    融通の効かない頑固な医師、ライバル会社のMRの暗躍、MRへのパワハラをストレスの捌け口にする医師、新薬採用に余りにも慎重な医師、セクハラ医師とMRたちの悩みは尽きない。

    そんな中、紀尾中正樹は、莫大な利益をもたらす自社で開発した高脂血症の新薬が診療ガイドラインへの第一選択として収載されるよう奔走することになった。

    紀尾中は部下の池野と共にプレゼンを行い、融通の効かないMR泣かせの大御所医科大学長の乾からようやく診療ガイドラインへの収載の内定を得た。しかし、外資ライバル社の鮫島による苛烈で卑劣な妨害工作で一転、新薬はコンプライアンス違反に問われ、紀尾中は窮地に追い込まれる。

    本体価格750円
    ★★★★★

  • 製薬会社のMR=医療情報担当者を主人公としたビジネス小説。
    著者が現役の医師である故、一般には馴染みのない職種の実態が鮮やかに描き出される。
    自社の薬を医師に取り扱ってもらうため、下僕のように涙ぐましい努力をしながら、ライバル製薬会社とのスパイもどきの熾烈な戦いを繰り広げられる。
    お仕事小説として、MRについてを理解する格好の小説。

  • 感想は下巻でまとめて

  • 製薬会社の営業担当は「MR」と呼ばれるらしい。
    その世界での病院や医師との関係はやっぱり熾烈なんでしょうね。公の側面がありながら利益の追及も必要で、やりがいをどこに置くかでいろいろ変わるんだろうと思う。

  • 今MRとして働いている人に取材を全く行わなかったんだろう

  • MRの仕事は大変と聞くけれど、どんな仕事をしているのか?どんなことを考えてるのか?を知りたくて本書を手に取った。

    予想通り…とも思えるような仕事内容だったが、
    おもしろかった。
    話の展開は池井戸潤みたいな。

    気づいたら世界に引き込まれていた。

    下巻も続けて読みます。

  • 天保製薬堺営業所で働くMR達。薬を病院で使ってもらうために大変な思いをしている。医者って、患者ファーストの人って本当にいないのだろうか。
    下巻は、大きな問題に立ち向かっていくので、読みごたえがありそう。

  • 世界に没頭できた

  • こうなりますわな…池井戸潤かいな…

  • 創薬メーカの中でも優秀な社員が就くMRが,採用権のある医師と服薬する患者とどちらを中心に自らの仕事を捉えるか.普通に付き合っていても信じられないストレスを受ける医師と自分との距離を,どのような哲学を持って内的世界に構築するか,考えるだに胃が痛くなる.

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著者プロフィール

医師・作家・大阪人間科学大学教授

「2016年 『とまどう男たち―死に方編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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