オレンジ・ランプ (幻冬舎文庫)

  • 幻冬舎
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344432895

作品紹介・あらすじ

ある日、僕は認知症と診断された。
まだ、39歳だった――。
実話をもとに描く、夫婦の9年間の軌跡。

 
僕は39歳で若年性アルツハイマー型認知と診断された。
車の営業として働き盛りだった僕はその事実を受け入れられない。
だが、ある日、顧客の顔を忘れ、会議を忘れ、とうとう自宅への帰り道も忘れてしまった。
いつか大切な家族のことも忘れてしまうのだろうか。
「人生、もう終わり」。
そう思っていたが……。
実在の人物をモデルにした感動の物語。

感想・レビュー・書評

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  • ★4.5
    若年性認知症と診断された39歳の主人公が家族と共に病気に負けずに生きて行くお話

    「認知症じゃない?忘れっぽすぎるよね」なんて、話の中で言ってしまったことがある
    反省した

    当事者にならないと人は真実がわからない
    健康で不自由がないと特にそうだと思う

    自分でできることを取り上げず、困り事がある時にはサポートできるようになりたい!
    自分が病気になった時、周りが助けてあげたいと思ってもらえる人になりたい!

  • 実在の人物をモデルにした物語。

    39歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断された夫。
    営業マンとして致命傷となる物忘れや人の顔すらあやふやになってくる恐怖。
    そう、自分はどうなってしまうのかという恐怖しかなかっただろう。
    もう仕事はできない…と退職届まで出す。

    妻と一緒に認知症本人ミーティングに参加して驚いたことは、進行役の人をはじめ認知症関連のシンポジウムでの講演を1人で行ったという人もいるのだ。
    そして、営業マンとして仕事している人だっている。

    みんな失敗を恐れてはいないのだ。
    できなければ工夫すること。

    そこから自分も有給消化するのをやめて、失敗をしても命までは取られない気持ちで、工夫しながら仕事した。
    会社側も企業向け認知症サポーター養成講座を受けてサポートしてくれることになった。

    妻も子も他人の目を気にせず受け入れて、周りの応援もあって生活できている。

    確かにまだ若いうちに認知症になると「人生、終わった」となったのかもしれないが、けっして悲観することなく家に篭ることなく活動できるのは、家族とともに生きるという気持ちがあるからなのかもしれない。

    今では認知症も5人に1人はなる。
    だが家族も特別なことをせずとも本人の気持ちをできるだけ考えて無理せず、できなければ誰かに頼む、くらいがいいのかもしれない。



    • 湖永さん
      かなさん こんにちは

      働きざかりで子ども(小学生と中学生)がいての発症なので読んでいても辛かったです。
      だけど勇気をもらいました。
      避ける...
      かなさん こんにちは

      働きざかりで子ども(小学生と中学生)がいての発症なので読んでいても辛かったです。
      だけど勇気をもらいました。
      避けることもできず、誰かの助けで生きていくしかないのですが、治る薬があれば…と思わずにはいられないのが正直な気持ちです。
      2023/09/15
    • koalajさん
      湖永さん、こんばんは。
      幅の広い読書歴と読書量にいつも感服しています。このレビューを読んで、私もこの本を読んでみました。実話だけにすごく迫っ...
      湖永さん、こんばんは。
      幅の広い読書歴と読書量にいつも感服しています。このレビューを読んで、私もこの本を読んでみました。実話だけにすごく迫ってくるものがあり、度々涙しました。ご紹介ありがとうございました♪
      2023/09/22
    • 湖永さん
      koalajさん こんばんは。

      いつもいいねをありがとうございます。
      目にとめて頂き嬉しいです。
      実話だけに胸に迫るものが多かったです。
      ...
      koalajさん こんばんは。

      いつもいいねをありがとうございます。
      目にとめて頂き嬉しいです。
      実話だけに胸に迫るものが多かったです。

      ジャンルに拘らず、いろいろなものを読みたいので雑多な本棚になっていますが、これからもよろしくお願いします。

      2023/09/22
  •  やっぱり、この作品を読みたくて購入してしまいました!

     39歳で若年性アルツハイマー型認知症の診断を受けた只野晃一と、その妻真央の視点で描かれるストーリーです。夫婦にはふたりの娘たちがいます。物忘れが多くなったという自覚が5年ほど前からあったこと、仕事に支障を来すようになってきたことから受診しています。診断後、晃一はその後の人生を悲観するようになり、真央は認知症に良いとされるものを試させたり、行動を制限したりします。真央はそれが晃一にとって良いことなのだと信じて…。にも、関わらず晃一の症状は進行していきます…。

     そんなふたりでしたが、参加した認知症本人ミーティングがきっかけとなり、今後の希望を見出すことができるようになる…。仲間をもつこと、忘れてもいいように工夫をすることで、部署異動はあったが大好きな仕事にも継続して従事できるようになり、それが晃一の自信にもつながり、真央は「心配だけど信用しているからと…」。

     この作品、映画化されているらしいですよね!だからか、その前にこの作品のモデルとなっている方の本を読んでしまったからか、やりすぎ感を感じる場面も…。でも、認知症だからといってその後の人生を諦めるのではなく、笑顔で生きるご夫婦は素晴らしいです。

  • 「若年性アルツハイマー型認知症」
    言葉として聞いたことはあるけれど、実際のところは何も知らない。ブク友さんのレビューから実在の人をモデルにした作品と知り手にとりました。
    ご紹介ありがとうございます♪

    認知症と診断を受けてからの、ご本人と奥さんの不安と葛藤の日々。それぞれ、自身の中にこの病気についての無知と偏見があったことに気づき、それを認めて一歩を踏み出す2人。困難なことにぶつかった時に支え合う家族の在り方。色々なことを考えさせられました。認知症に限らず、ほかの病気になった時にも当てはまるかもしれませんね。

  • 自分に置き換えたらと考えて、こんなに前向きになれるだろうか。認知症になってしまったら、性格や人柄も無くなってしまうのかと思ってた。受け入れて、共に生きる。障害がある人に優しい地域や支え合いがもっと広まったらいいなと思う。

  • 夜遅くまでやっているTSUTAYAで見つけて、なんだか惹かれるように買った本です。読後感は、ほんとに読んでよかった。です。
    やっぱり、受け入れて乗り越えていくって、認知症に限らず大切なことなんだなと痛感させられました。そして、乗り越えたら強くなる。
    主人公夫婦が、認知症を受け入れて気付かされて乗り越えていく場面から、娘たちが受け入れていく場面、会社の人が受け入れていく場面と涙が止まらなかったです。
    この本は認知症になった方の話が描かれていますが、本質はすべての病気を抱えた人や障害を持った人、マイノリティーなどでも同じことが言えるのではないかと思います。誰もができることを尊重されて、出来ないことは助けてと言える社会、それが大切なんだと。そして、周りの理解、本人の伝える勇気。それが当たり前になっていく社会であってほしいです。私も、できることはやろうと元気もらいました。興味持ったら、ぜひ読んでもらいたいです。

  • 昔見たドラマの影響か、自分にも認知症への偏見があった。
    読み始めてから半分くらいまでは、「ここからどんどん辛い話になっていくのか…」と怖々と読んでいた。それこそが、自分の認知症への偏見であったと、本をこの通して気づいた。

    印象に残った場面たち

    ★「認知症になったことで、私もあの人も、再スタートが出来たのかもしれない。諦めない人生のね」
    さゆりは、私と晃一を見て笑った。晃一が聞いた。
    「あのー。それって、僕たちにも出来るでしょうか?」
    一瞬驚いた表情を浮かべたさゆりは、晃一の目を見て「大丈夫」と言った。
    「だって、生きているんだから」

    ★失敗しても笑っていよう。失敗しても、命まではとられない。1番ダメなのは、失敗を恐れて何も出来なくなることだ。

    ★「俺さ、認知症になって分かったことがあるんだ。大丈夫じゃない時とか、しんどい時は、もっと周りに頼っていいんだって。甘えていいんだって」「だから、真央が辛い時は、大丈夫じゃないって言って頼って欲しい。泣きたい時は泣いてほしい、ありのままでいいんだよ」


    認知症についての話ではあったが、「生きる」とは何かという、大切な考え方を教えてもらった。またいい本に出会えた。

  • 39歳で若年性アルツハイマー型認知症になってしまった男性が主人公。正直泣かせる系のお話だと思って読み始めた。最初は本人も家族も辛そうな場面が多かったけど、周りに頼っていいんだ、工夫して自立していけばいいんだと考えられるようになってからは安心して読めた。
    認知症になっても人生終わりじゃない。他の病気でも当てはまりそう。みんなが思いやりを持って暮らせる社会になればいいと思う。

  • 泣いた〜
    しっかり泣きました。

    ただ、なにかハンデがあっても前向きに行動すること、そして、家族の支えの大切さを痛感した。

  • 裏表紙に「若年性アルツハイマー型認知症」の実話をもとにしたお話と記載あり、将来自分も周りも身近な話になるだろう世界を知りたくなり手に取りました。
    前半は正直苦しかったですが、途中からは明るさと涙とで読むことをやめられませんでした。
    これは定期的に読み返して元気をもらいたいと思える本でした。
    (実写化されていると読了後にネットで見ました。映画もきっと感動するのだろうと容易に想像できました。)

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著者プロフィール

一九六七年大阪府生まれ。映画プロデューサー、脚本家。社会課題に光をあてた映画を企画・プロデュース、劇場公開後は市民上映会で全国各地に広げていく「Cinema Social」を展開。二〇一七年に公開した映画『ケアニン~あなたでよかった~』の国内外の上映会は千五百回を超え、現在も拡大中。主な映画作品:一七年『天使のいる図書館』、一九年『ピア~まちをつなぐもの~』、二〇年『ケアニン~こころに咲く花~』、二三年『オレンジ・ランプ』など。

「2023年 『オレンジ・ランプ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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