- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344433441
作品紹介・あらすじ
江戸の人々を悩ませる不眠と悪夢の元凶だった鵺を退治した竜晴達。だが「これで終わりと思うな」という鵺の言葉通り、再び蜃気楼が現れ、それと共に小烏丸が姿を消す。小烏丸を捜す旅に出た竜晴と泰山は、旅先で平家一門を診ている泰山そっくりの医者に遭遇する。泰山は治療を手伝い、竜晴は中宮御所で一人の女性に出会うが……。シリーズ第八弾!
感想・レビュー・書評
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〈小烏神社奇譚〉シリーズ第八作。
今回はタイムスリップの巻。再び現れた蜃気楼には小烏丸が良く知る風景が映り、その蜃気楼に小烏丸が吸い取られてしまう。
小烏丸を助けるために蜃気楼を吐きだす蜃(巨大な蛤)の元へ向かった竜晴、抜丸、泰山の一行。
再び蜃が吐き出した蜃気楼に呑み込まれた一行は、小烏丸と抜丸が付喪神になる前の時代の京へたどり着く。
陰陽師として妖や霊などと闘ってきた竜晴たちだが、今回は過去の京、それも蜃気楼の中の世界ということで竜晴の術が使えない。
さらにかつての主人・平重盛の屋敷に住みついている小烏丸は竜晴と対立してしまい、小烏丸と一緒に元の世界に帰るどころではなくなってしまう。
なのに竜晴はこの世界で初めての恋をしてしまう。
なんともハラハラする展開だったが、泰山の存在が頼もしい。医師として竜晴の友人として、出発前に竜晴に掛けられた術のおかげで抜丸とも心を通わせて、彼らの仲立ちとなっている。
平重盛も小烏丸が慕うだけの人格でこのまま若死にしてしまうのが惜しい人。それだけに彼には許されぬ人からも慕われていた(これは作家さんの創作なのかどうかは知らない)。
今回は再びの鵺との闘いが最大の山場。重盛、頼政、竜晴一行と皆で闘っている。
この時代、陰陽師や妖や夢のお告げや神仏が当たり前のように受け入れられているのが興味深い。
闘いの行方は読まれてのお楽しみとして、個人的にはエピローグでの竜晴と花枝とのやり取りがこれまでの一方通行ではなくてホッとした。
また玉水もしっかり留守を守っていてちょっとだけ頼もしくなっていた。
次は小烏丸の本体探しの旅になるのか、それとも島原の乱になるのか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
怪物、ヌエが瀕死ながらも過去へと逃げた。
時空を超えて竜晴たちは旅立つ。
そこで付喪神たちの昔の主人に出会う。 -
平家物語を読んでみたい。