血と骨 新装版 (上) (幻冬舎文庫)

  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344433526

作品紹介・あらすじ

一九三〇年頃、大阪の蒲鉾工場で働く金俊平は、その巨漢と凶暴さで極道からも恐れられていた。女郎の八重を身請けした金俊平は彼女に逃げられ、自棄になり、職場もかわる。さらに飲み屋を営む子連れの英姫を凌辱し、強引に結婚し……。実在の父親をモデルに、業深き男の激烈な死闘と数奇な運命を描く衝撃のベストセラー。

感想・レビュー・書評

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  • 梁石日『新装版 血と骨 上』幻冬舎文庫。

    再読。著者の実在の父親をモデルにした全体的にどんよりと澱んだ重たい雰囲気が漂う長編小説。ビートたけし主演で映画化もされているが、最初に読んだのはその前である。

    余りにも自己中心的で恐ろしく凶暴な男の生き様とそんな男に翻弄されながらも必死に生きる家族の姿が描かれる。

    在日朝鮮人という出自にあがらうかのように大酒を喰らい、狂ったように暴れ、家族を犠牲にしても何とも思わぬ男の愚かさよ。と思うのだが、程度の差こそあれ、自分も過去には散々馬鹿なことをして来たと反省すること仕切り。


    1930年頃、東邦産業という大阪の蒲鉾工場で働く蒲鉾職人の金俊平。金俊平は済州島出身の朝鮮人でその巨体で頑強な体躯と凶暴さから極道にも恐れられていた。

    金俊平は飛田の女郎屋で気に入った八重を身請けするが、あっさり逃げられ、自暴自棄の中、大酒を喰らい暴れ回り、東邦産業をクビになる。

    その後、金俊平は従兄弟の高信義と共に東邦産業よりも大きい太平産業で蒲鉾職人となる。やがて、金俊平は通っていた飲み屋の子連れの朝鮮人である英姫を見初め、凌辱した挙げ句、強引に結婚する。結婚して落ち着くかと思われた金俊平は英姫の稼ぎを博打に注ぎ込み、大酒を喰らい、放浪しながら、別な女と暮らすというやりたい放題の生活を送る。

    やがて、戦争が始まり、大阪も空襲で焼け野原となる。金俊平が放浪している間も、子供たちと必死に生活する英姫だったが……

    本体価格790円
    ★★★★★

  • バイオレンスな表現をここまで文章で再現できるのかと驚かされた。章ごとに視点分けされるのが通常のような気がするが、人物視点が気づけば変わっていて読んでいて新感覚。極端な起伏や伏線回収があるわけでは無いが(上巻を読み終えた段階)、それでもどんどんとページを捲る手が進んでいった。下巻も楽しみ。

  • 読みやすいし面白かった。とんでもないやつだ。大昔に映画を見たけどラストと食べ物でうっとくる描写があったぐらいしか覚えてない。高信義役松重豊ぴったりだ。
    〜でおま。って言葉なにわ金融道振りに見た。
    同僚が熱あげてる女を買うの意地悪だな。

  • とりあえず感想は下巻で。

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著者プロフィール

1936年生まれ。『血と骨』『夜を賭けて』など作品多数。

「2020年 『魂の痕(きずあと)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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