霧をはらう(下) (幻冬舎文庫)

  • 幻冬舎 (2024年8月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (344ページ) / ISBN・EAN: 9784344434059

作品紹介・あらすじ

点滴殺傷事件で母親が逮捕された由惟は不登校の妹を養いながら職場での嫌がらせに耐えていた。母親の無実を信じる弁護士の伊豆原は検察の立証を崩すべく、病院関係者の証言集めに奔走する。有罪率99%の刑事裁判で無罪を勝ち取る打開策は見つかるのか。驚愕の真実まで一気読み必至! 信じることの困難さと尊さを描く著者渾身の記念碑的傑作。

みんなの感想まとめ

信じることの困難さと人間ドラマを描いたこの物語は、小児病棟で起こった点滴殺傷事件を中心に展開します。母親の無実を信じる弁護士の奮闘と、妹を養う由惟の苦悩が交錯し、法廷での緊迫した戦いが繰り広げられます...

感想・レビュー・書評

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  • 小児病棟で起こった点滴殺傷事件の真相をめぐるリーガルミステリ。
    最後の最後まで楽しめる物語でした。

    いよいよ下巻です。
    無実を勝ち取るための証拠もそろわない弁護側。苦しい展開です。
    このままでは、有罪が確定してしまう..
    さらに弁護側も一枚岩になれず。無罪の勝ち取りに消極的な枡田と袂をわけ、私選弁護人として伊豆原は動くことになります。

    さらに、母親の無罪を信じられない由惟。
    それを解きほぐしていく伊豆原。
    伊豆原ってとても良い人。こんな弁護士っているの??

    そして、裁判がはじまります。
    そこで、出てきた証言...
    裁判の行方は?

    という展開です。
    途中、由惟が痴漢冤罪事件に絡みます。
    ここから、由惟がかわっていくのもよいです。

    そしてくだされた審判!
    さらに事件の真相が明らかになり、伏線がするするっと回収されてすっきりです。

    これは面白かった。
    とっても、お勧めです。
    2時間ドラマで見てみたい(笑)

  •  この巻は、裁判小説のようだ。その様子を描くのが巧みなので惹き込まれる。最終的に無罪になってホッとするのだが、真相の落ちがちょっとどうかなと思いましたが、上下巻をオーディブルで聴いてその集中力が継続したのだから、出来の良い小説なのである。

  • 上巻で漂っていた謎や疑念という『霧』が、下巻で次第に晴れていく。
    真犯人や犯行の描写が薄い点は気になったものの、共闘してきた桝田弁護士の突然疲弊した振る舞いについては腑に落ちた。終盤で明かされる謎も魅力的だったが、中盤で長女が耐え難い経験を乗り越え、勇気をもって成長していく姿が特に印象的で頼もしく感じられた。

    この小説の魅力は、法廷小説にありがちな派手な論戦に頼らず、登場人物全員を丁寧に描かれている所。その結果、推理小説でありながら、骨太な人間ドラマとしての深みがあり読み応えのある作品であった。

  • いよいよ裁判となる後編。

    冤罪事件の霧を払うことができるのか…という展開だが先日読んだ人質の法廷と比べると裁判のディテールが弱く、真相も尻すぼみな感じ。
    と、長編でしたが、個人的には消化不良でした。

  • 冤罪をテーマに無罪を勝ち取るまでのリーガルストーリー。
    最初から犯人と決めつけて、そのストーリーに落とし込むような誘導尋問。
    取調自体は可視化されているとはいえ、世間話はそれに含まれていないなど、ホントだったら怖いの一言。

    最後の展開・真相部分は少し強引かなと感じたが、全体的に飽きさせず、娘の手紙の部分も良く、スッキリとした終わり方だった。
    なによりタイトルが良い。

  • 人情味溢れる弁護士は本当にいるのか。万が一冤罪になってしまったら…。そう考えると怖い。
    正直に生きる勇気、正義を善とする覚悟、その大切さを教えてくれた物語。下巻は一気読みだった。

  • 母・野々花が点滴殺傷事件の被疑者として、逮捕され、姉・由惟は大学進学を諦め、就職。妹・紗奈はいじめにあい、不登校に。
    由惟も勤務先でいじめにあうことに。

    一方、野々花は自白するも、一転無実だと主張。
    弁護団に加わった伊豆原は、地道に関係者にあたるが…

    なかなか進まない…

    が、どうなるのか。
    真相が気になり、どんどん読み進む。

    が、裁判の結果は意外とあっさりと…
    真相はそうだったのか…

    よかったんだが、結末に少し違和感が。




  • 上巻のこれから裁判はどういう内容で進んでいくんだろという疑問持たせてから、終わりまで、この事件に、裁判に取り巻く人間像や生き方が語られている。上巻では濃いままだった霧が、最後にさっと引いていくような。人を裁くということがどれほどのことなのか改めて考えさせられた。ただ少し下巻スタートからが長く感じてしまったのも否めない。

  • ちょっと長かったなーと感じてしまった。
    でもゆいがお母さんを信じれるようになったのはすごくいい、素敵なことだと思った。

  • 入院患者の家族の話や看護師や医師たち病院関係者の証言などにより、状況証拠が積み重なり、野々花の立場は悪くなるばかり。
    当初、伊豆原も彼女の犯行否認に疑念を持っていたが、賢明な証拠調べの結果、無実を確信することになる。
    事件時の時間の詳細な実験により、「霧が消え、見つめるべきものがくっきりと目の前に現れた感覚だった」
    しかし、99.9%有罪の刑事裁判で果たして無罪を勝ち取ることが出来るのか、いやがうえにも興味は増すばかり。
    折しも再三の再審請求により、無罪判決が確定したばかり。
    現代の司法制度にも一石を投じる社会派ミステリー。

  • 自分の母親は殺人犯なのだろうか冤罪なのだろうか。

    加害者目線、加害者の家族目線、そして、弁護士目線のそれぞれの立場で進んでいく本作。最後の最後まで本当に冤罪事件なのか?を引っ張ってくれたのが面白かった。また、最後の真相も良かった。だから、ここで、あいつは足を引っ張ったのか、と。

    あの判決があったとしても、元に戻らない冤罪被害者になった家族の今後もこの作者に少し描いて欲しいと思った

  • 最後まで読んで良かった…!
    あまりにも可哀想で途中何度も読むのを挫けそうになりましたが、最後には気持ちよく種明かしされてスッキリした気分で読了することができました。
    娘が母に向けた手紙を法廷で読み上げるシーンでは涙が溢れて止まりませんでした。
    それにしても検察と警察の姑息な姿勢には反吐が出ますね…
    冤罪事件で涙を飲んだ人達が過去に数多くいたのだろうと思うと胸が痛みます。
    また、弁護士を志した全ての者が最後まで正義を貫けるよう心から祈ります。

    ❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀
    点滴殺傷事件で母親が逮捕された由惟は不登校の妹を養いながら職場での嫌がらせに耐えていた。母親の無実を信じる弁護士の伊豆原は検察の立証を崩すべく、病院関係者の証言集めに奔走する。有罪率99%の刑事裁判で無罪を勝ち取る打開策は見つかるのか。驚愕の真実まで一気読み必至! 信じることの困難さと尊さを描く著者渾身の記念碑的傑作。

  • Audibleにて耳読しました。兎に角安達祐実さんの凄さが伝わる!こんなに色んな方の声をそれっぽく使い分けられるものなのかと。
    さなの手紙には泣かされました。これは、Audibleがおすすめ!

  • 上下巻ともにサクサク読めた!まさかの展開続きに飽きずに読むことができた。この作者さんまた読んでみたい。

  • 上下ともに夢中で読んでしまった。キャラの個性が素敵。判決は正座してページをめくりました。

  • 上と下まとめての感想
    娘の入院している小児科で同室の子供たちが同時に突然急変する。そして娘の母親が捕まる。
    逮捕から裁判まで

    とりあえずお母さんしっかりしなよ!と言いたくなった!

  • 弁護士・伊豆原が素晴らしい!
    「やってない」ことを証明するのは難しい。でもほんの少しの証言の差で犯行の可不可が変わってくる。それを問い詰めた事件だった。

  • ミステリーとしても、親子関係を描いた作品としても楽しめた。

  • やっぱり雫井脩介はすごい!嫌な奴はとことん嫌な奴。そうでない人たちの苦悩の描き方のうまいこと。変に凝った技巧的な文なんて必要ない。易しい言葉で端的に、これほどまでにキャラクターの心情を深く表現できるなんて。読んでいてしびれました。

  • 2025.03.29
    驚きの結末に至るまでのプロセスにもどかしさを感じるかもしれないが、これはそれを楽しむ作品だと思う。

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著者プロフィール

1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。2000年、第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』で小説家デビュー。04年に刊行した『犯人に告ぐ』で第7回大藪春彦賞を受賞。他の作品に、『火の粉』『クローズド・ノート』『ビター・ブラッド』『殺気!』『つばさものがたり』『銀色の絆』『途中の一歩』『仮面同窓会』『検察側の罪人』『引き抜き屋1 鹿子小穂の冒険』『引き抜き屋2 鹿子小穂の帰還』『犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼』『犯人に告ぐ3 紅の影』『望み』などがある。

「2021年 『霧をはらう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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