- 幻冬舎 (2025年2月6日発売)
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感想 : 13件
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Amazon.co.jp ・本 (1ページ) / ISBN・EAN: 9784344434516
作品紹介・あらすじ
ワンオペ育児中の亜希、マタハラを訴えられ絶望している茗子、そして二児のシングルマザーの三津子。三人は匿名でコメントしていたあるブログの炎上をきっかけに、偶然出雲で出会う。「私みたいにいい歳して子供のいない女性を、見下していませんか」茗子の切実な問いへの二人の答えは? 女同士本音のバトルが始まり、息をのむ傑作長編。
みんなの感想まとめ
異なる環境にいる三人の女性が織り成す物語は、現代の育児や社会的なプレッシャーをリアルに描き出しています。ワンオペ育児をする亜希、マタハラを訴えられ苦しむ茗子、そして二児のシングルマザーの三津子が、匿名...
感想・レビュー・書評
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環境も住む場所も異なる3人の女性のお話し。
ワンオペ育児をしつつ、
過去に派遣切りを経験した亜希。
夫とふたりで暮らし、
仕事に奮闘する中でマタハラを訴えかけられている茗子。
この2人はある一人の女性のブログを読んでいて
ある投稿からその人物に会いに行こうとする。
前半部分は両者ともに気持ちがとてもよくわかる
重ためなお話で、
育児をしていると思わぬ場面で休まなければ
ならなくなることがあるのもわかるし、
でもその休んだ分の仕事は誰がやるのか
という誰かが負担になることもとても分かる…
そして『子育てしている人は』『妊娠している人は』
などとその人のこと、本当は何も知らないのに
一括りに考えたり思うことがあるというのも
事実…。でも良くないよなと、この作品を読んで
改めて気をつけようと思った。
女性同士のお話は共感できる部分も多いので
この作品もとても読みやすかったし、面白かった!
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主人公は3人の女性。ワンオペ育児中の女性、マタニティハラスメントを訴えられ絶望している子供のいない女性、そして二児のシングルマザー。この3人はあるブログで繋がっているのだ。
この三人はそれぞれ匿名でブログ上で交流していたが、偶然出雲で出会うことになる。
3名のうちの1人はブログでいつも管理人の意見を否定するようなコメントを書いており、周りからも嫌われていた人物。そして1人は子供が幼くてこのブログの管理人に救いを求めていた人物。そしてもう1人はそのブログを書いている管理人。
ネット上での人格と、リアルで会った時のギャップに戸惑いつつも、やがて本音で語り合うようになる…。
話は変わるが、僕のパソコン生活は、ニフティのフォーラムへ参加するところから始まり、その後に個人ホームページやブログ掲示板でのやり取りを顔も知らない人たちと頻繁にしていた。今はfacebookで本名をさらしているが、当時はハンドルネーム(HN)でのやり取りが当たり前で、かなり密接にメッセージのやり取りをしていた人たちでもネット上のHNだけで本名とか仕事とか全く知らない人もいた。今にして思えば男性⇄女性ということもあったかもしれない。
とある掲示板で交流する方々のオフ会というのにも、一度だけ出席したことがあるが、『まんぼうさん』という方が小柄だったり、『ぶたまん』という方がすごく綺麗な女性だったりするので、何とも不思議な世界だったなあ。
SNSに依存する人の多い時代。ひとつ間違うと闇落ちしてしまうから、あまりいい印象を持たない人も多いに違いない。『見つけたいのは、光。』というタイトルの通り、この小説の3人の女性は暗闇の中から、光を見つけて歩み出す…そこが救いでした。 -
女性同士がわかり合う世界線は正直存在自体を個人的には疑問視している。
異なるものと肩を並べることを良しとする女性には出会ったことがない。同じ思想、環境、境遇、趣味嗜好、それらが彼女たちを繋ぐ接着剤であり、それがなければ難しい世界。
今回登場する3人の女性が求めているものが光だった。
子供がいようがいまいが結婚しているか否かではなく共通認識として先が見えないこと=光が見えないことが苦痛なのだということはわかった。
けして不幸せなわけではない。でもこのままこんな状態が続くのは耐えられない。光が見えない。終わりが見えない。幸せな自分を想像できない。そのことが苦痛なのだとしたら、それは私にも分かる気がした。
一歩踏み出せば何かが変わるかもしれなくとも、その一歩を踏みしめる場所すら無かったなら、何を踏みつければいいのか。空に足を踏み出すよりここにいたほうがいい。そう思う気持ちはけして逃げじゃない。でもここにいても不安で仕方ない気持ちは変わらない。ここじゃない何処かに光を見出すのではなくここにいて光を見つける。そのことだって、きっと不可能じゃないはずだ。そんな希望をみた気がした。 -
育休中に読んだので、どうしても亜希に感情移入してしまったが、茗子のような思いをしている人も職場に必ずいるだろうし、自分が妊娠中に迷惑をかけていなかったか思い返して、なんだか勝手に少し反省もしてしまうほどリアルだった。
女性に産まれてきた以上、誰しもが直面する可能性の高い内容だけに、読者の共感を呼ぶのだろう。
実際には本作のように自分の心を全て打ち明けることはきっとないし、タブーとされているようなところもあるので、そういう意味では3人の居酒屋の場面は現実には起こり得ないのではと思うが、きっと同じような感情が渦巻いている人って日本全国に多々いるんだろうな、と。
最後はスッキリした終わり方だが、もっと生きやすい社会になればいいのに、と前半はずっしりくる作品。 -
人をカテゴライズしてしまうというのは、自分にも心当たりがある。今どきのあるあるも多くて面白かった。
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HIKARI'S ROOM というブログに救われたワンオペ育児中の·亜希。反感を持ち批判するコメントを書いた茗子。ブログ主で離婚して二人の子を育てている三津子が傷ついて遠くへ行っているという書き込みをしたことで物語は展開する。女性だからこそ感じる理不尽や、ままならない人生設計。一人で悶々としているあれこれを本音で語り合う内に、見つけたかったのは光だということに気づく。思い切って一歩踏み出し堂々巡りの日々から抜け出すきっかけを掴んだ。人と人との繋がりの不思議さも感じられる一冊だった。
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久々に飛鳥井千砂さんの作品を読みました。
私自身は、亜希、茗子、三津子の誰とも境遇は異なりますが、やっぱり同じ女性として、それぞれが抱えている悩みや思いに共感できる事がたくさんありました。(でも茗子がコメントでやっていた事は全く共感できないし、許せませんが…)
3人が偶然顔を合わせ、それぞれが本音を語り出した場面はハラハラしましたが、それが合ったからこそお互いが理解し合えて良かった。板前さんの存在も大きかった。
読みながら、色々と考えさせられた作品でした。 -
ワンオペ育児中の亜希、マタハラを訴えられた茗子、二児のシングルマザーの美津子。3名の女性の本音奮闘話。
女性差別や固定観念、イメージ、夫婦間トラブルなどを題材にした長編小説で、目の当たりにしたわけではないのにやけにリアル感がありました。
内容は簡潔に言うと読みやすい!亜希は比較的良い環境にいるように感じましたが、美津子さんに泥酔し、言ったことを崇めている感じがあり、茗子は基本的に共感できる部分が多かったですが、人のことを部類で括ってしまう。この共感と拒絶のバランスが読みやすさを生んでるじゃないかなって思いました。
ただ、終わり方が綺麗過ぎるような、そんな上手く行くー?って気持ちが強くなってしまうような……。
著者プロフィール
飛鳥井千砂の作品
