- Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344802599
感想・レビュー・書評
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最近凝ってた平安物よりすこし時代が後・・荘園とか武人の単語で鎌倉室町時代の頃かとアタリをつける。山奥にひとり棲むふしぎな少年と、謀られ落武者となり山に逃れた貴人の物語、ってこれは御伽草紙みたいなもんかな。少年の護衛となる二代の白犬が可愛くて勇敢で、始終応援してた。
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ずっと読みたいなと思っていた六青センセのデビュー作です。こんな初期からセンセの個性が上手く生かされている作品で、最近の作品よりは深みに欠けるけど、単純明快で理解しやすく引き込まれました。
人里離れた山奥で暮らす少年の紫乃は、瀕死の重傷を負って倒れていた若い領主の貴哉を助け、献身的に看病します。ところが一命を取りとめ目覚めた貴哉は、助けてくれた恩ある相手なのに、全身に大きな痣のある紫乃を見るなり酷い言葉を浴びせかけます。
案の定、攻が酷い男でした。デビュー作からずっと、安定品質のダメダメ攻なんですね…
まあ貴哉の場合も根っからの悪い人間ではなくて、領主の嫡男として育った環境のせいであるとわかりますが。
相手の気持ちも読まず横暴だった貴哉が、徐々に自分の思い込みや間違った考えに気付いていく成長過程がとてもよかったです。
何より山奥で野生的に育った紫乃が、世の中の情勢や色事に疎かったのに、貴哉と出逢ったことによって劇的に変化、様々な感情に苦しみながらも成長を遂げていく姿に感動…!これからステキな青年になっていくんでしょうね~
育ってきた環境の違い、常識の違いを乗り越えて、二人が強い絆で結ばれてくれてよかったと、うるっときてしまいました。
ラストもファンタジーらしく、夢のあるまとめ方でいいハピエン。 -
いやーよかった。
シオが可愛すぎてどうしようもなかったわ。
2回くらい泣いた(笑)。
健気すぎて泣けたし、切なすぎて泣けた。
ちょっとモノローグでもいいんじゃないかってくらいナレが入っててうーんって思ったシーンもあったけど、とてもよかった!
たてかべさん気付かなかった(笑)。
まさかいるとは思わなんだ…。
ドラマに入り込みすぎて、全然気づかないの多かったな。
松本さんとか兼ね役ほとんど気づかなかったもん。
賢雄さんもナレしかわかんなかった(笑)。
これは満足した。
キャスティングと脚本とバッチリだったな。
一緒に山を降りたところで終わるかと思ったけど、そこで終わらなかったのがかなりポイント高い。
葛藤あって戻るところとかとてもよかった。
最初の方の小西のシオへの態度とかもシオが健気な分腹が立つし、気の毒に感じて涙が出そうになる。
あと小西の迎えが来てあっさり里に降りたのはちょっとなぁと思った。
もうちょっとためらってもいいんじゃないの。
一晩説得されたにしても「すまない」ってそれだけかよ。
優しいけど自分勝手なところが多すぎて、微妙な気持ちになるところあったけどね。
でも総合的に見てやっぱり聞いてよかったなって思うわ。 -
打ち解けそうで打ち解けないふたりの心情の揺らぎには最初から最後まで切なさを感じずにはいられなかった。領主である橘貴哉と、全身の痣のために山でひとり暮らす紫乃の、ふたりそれぞれの立場も制約を生み、その関係に深みを加えている。それから、風景の描写もわかりやすくとてもいい。あと、紫乃のしばかれ具合も。
正直なところ、官能を目的にした小説にありがちな、これはないだろと言いたくなる現実感のなさを感じることは多々あった。でも、この小説に関してはそれを上回る魅力があった。 -
身体に醜い痣をもつ少年・紫乃は、老犬・シロと狩りの最中に傷ついた戦装束の青年を救う。人と交流を持たず、山で一人、暮らしていた紫乃にとって、誰かが近くにいることが何よりも嬉しかった。夢でうなされ苦しむ青年を、必死に看病する紫乃。しかし、目覚めた青年は、紫乃の顔の痣を見て『化け物』と罵る。青年の残酷な言葉に深く傷ついた紫乃は、それでも献身的につくすのだったが―。
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[領主×山人]
文字が多いし、なんか難しかった。
話は簡単なのに難しく書きすぎというかなんというか・・・
結末は意外だったけれど、それまでが・・・
先が想像できて、感動的だけどなんかもの足りなかった。
主人公の感情にムリを感じた。
鈍感で素朴な紫乃が憎悪の感情を抱く様に違和感を感じました。
途中で挫折しそうになったけど頑張りました。
まぁそんな感じです。
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☆あらすじ☆
身体に醜い痣をもつ少年・紫乃は、老犬・シロと狩りの最中に傷ついた戦装束の青年を救う。
人と交流を持たず、山で一人、暮らしていた紫乃にとって、誰かが近くにいることが何よりも嬉しかった。
夢でうなされ苦しむ青年を、必死に看病する紫乃。
しかし、目覚めた青年は、紫乃の顔の痣を見て『化け物』と罵る。
青年の残酷な言葉に深く傷ついた紫乃は、それでも献身的につくすのだったが―。