- Amazon.co.jp ・マンガ (198ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344808843
感想・レビュー・書評
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3巻通しての感想を・・・【ネタバレ有り!】
飴屋の標的となるキャビネッセンスとは、それ自体が生きる理由となるようなものだ。自分はなんのために生きるのか、という人生の価値観といってもいい。
また”神様”のように崇められる歌手雫は、その歌で人々の価値観に侵食していった。その力は凄まじく、人々の人生を変えた。また最後には自身すら「自分の歌には必要ない」として捨て去ってしまう。
人はみなしがらみのようなものを持っている。しかしそれはしがらみであるからと言って簡単に捨てられはしないし、またかけがえの無いものだ。余談だが、流行りの自己啓発本を眺めると、よくこのしがらみを捨てろと書いてある気がする。そうしたしがらみのない人間は、”ロボット探偵”早見のように合理性のみを追求する装置のような存在となるのだろう。みなもと雫が自ら命を絶ったのもこの事と関連があるように私は感じる。
作中人物では、偕矢の心情が理解しやすかった。平穏が掻き乱され、その中で藻掻き・主張しようとするさまなどである。
上遠野小説は何気ないひと言に哲学的な意味が込められていたりする場合が多く見られる。本作でもそれは同様で、久しぶりに読み返すと止まらなくなってしまった。 -
あんまり上遠野さんぽくない作品。
秋吉さんの表現が上手なんでしょうね。 -
三巻で一編終了と読みやすい作品。
絵も綺麗で動きもあり、話はミステリアスでドキドキしちゃいます★