翼の帰る処 下 (幻狼ファンタジアノベルス S 1-2)
- 幻冬舎コミックス (2008年11月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344814936
作品紹介・あらすじ
北嶺太守である皇女に療養を命じられ、都に戻ってきたヤエト。皇女の実兄の元に身を寄せるが、そこで皇位継承権を巡る政争にヤエトは巻き込まれてしまう。一方、北嶺でヤエトの帰還を待つ皇女の身にも陰謀の魔の手が迫っていた!皇女を救い出すため、ヤエトは都を脱出し、雪に閉ざされた北嶺へ向かおうとするが-。歴史の光陰が織りなす壮大なるファンタジーロマン、ここに完結。
感想・レビュー・書評
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上巻で北嶺都の太守の皇女と信頼関係を結んだ、病弱で隠遁を希む副官のヤエト。療養という名目で帝都の第3皇子の世話になることになるが、ヤエトが過去を見る能力で探ったところ、第3皇子は呪術師を使って、実の妹の皇女に呪いをかけたことがわかる。第3皇子たちの妨害を振り切って、商人のナグウィンと皇妹の騎士団長ジェイサルドの助けで、冬の北嶺に取って返す。呪術が完全にかかる前に、皇女の真の名前で呼び戻さないといけないのだ。しかも、第3皇子の謀略で、北方の民が北嶺都に攻めてくる。ヤエト、どうする!?
皇族を竜種といい、不思議な力を持っていて、伝達官という者を使役している。ヤエトは過去を見る能力を持つ。北方の民は雷を起こす魔力を持つ。北嶺都の民は、大きな鳥たちを乗り物としている。その鳥たちの飛行の力の復活が戦線を左右する。いわゆる魔法のような力が存在するファンタジーの世界なのだが、それぞれの力が物語の進展に大きな意味を持つのだ。
ヤエトが皇女、騎士団長、伝達官、北嶺都の民、召使の少女たちと信頼関係を結んでいく展開が熱いし感動的だ。ヤエトは病弱で、もう死ぬもうだめと言いながらも優しい心と真実を見抜く力で、ついつい頑張ってしまうのだ。いやあ、なかなか面白いなあ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
帯は完結だが乞次回
『風の王国』がファンタジーでこれが歴史小説でも問題ないな
短い中に上手くまとめていて見事
過去視は話への介入が強力すぎるので
続編あるなら主人公変えたものを見てみたい -
大まかな流れは覚えていたけど、細かい部分は結構忘れていました。奥付を見ると2008年発行だから、さもありなん。この巻から、シリーズ化を見込んで仕込んである皇位継承に周辺諸国など政治的な絡みや古の伝説なども出て、登場人物も増え複雑になってきました。ヤエトは養生の名目で都へ送り込まれた挙句、陰謀に巻き込まれるわ恩寵は暴走するわで、何度も倒れながらも働きます。記憶にあったよりも、ヤエトと皇女の間に強い絆が芽生えていて、思わずにやつく場面も。完全に皇女の信頼を得て、理想の隠居生活からますます遠ざかりそうなところで終了。
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上巻のほのぼのから打って変わって、血生臭い謀略の絡む下巻。
話の半分くらいはぶっ倒れて病床にいる感のある主人公。それでもしっかりお仕事はしてます隠居願望病弱官吏主人公。
都へ情報収集を兼ねて静養へ戻ってきたと思ったら、主君の信頼する兄君が実は相当怪しいやつで、危ないところを皇妹やナイス老騎士などの助力を得て、主君である皇女の元へ急ぎ帰ります。
逃避行中、始終「自分は死ぬかもしれない。いや、今は考えないでおこう」と考えている主人公って面白い(笑)
登場人物のキャラクターが本当に魅力的で、テンポの良いやり取りで飽きることがありません。暗いストーリーなのに必要以上に暗さを感じない。
そして、主人公が文官なだけあって、準備やることやったらぶっ倒れて肝心のドンパチ時には意識不明の重体だったり。徹底的に裏方派な主人公です。
後半はちょっと展開を端折った感もあり、神話や大昔の歴史の話でいまいち入っていけない部分もありました。
伏線部分を把握していないとこんがらがりそう。
1巻集めようにも上下セットで2,000円か……と悩むところですが、続きか気になるのできっと買ってしまうに違いない……。 -
「鳥」がかわいい。ものすごくかわいい。
伝達官という存在も魅力的だし、神話を覗いて「確認」したシーンはやはりぞわってした。
呪いや伝説が一つ一つ確かな意味を持っているのがすごく面白い。
あとキャラクターも一人ひとりがすごくいいなあほんとに…。 -
忙しくて上巻から日数が開いてしまったけど楽しく読めました。
久しぶりに幻想的な感じの本。
まだまだ先の本が出ているので手に入れて読みます。 -
口絵のヤエトとジェイサルドがカッコいいです。
一区切りつきましたが、まだまだこれから…という感じですね。
皇女とヤエトの仲が気になります。 -
上巻だけ半年程前に読んで面白いと思ったのに、下巻がなかなか手に入れられなくて間が空いちゃった。上巻から読み直し。半年前は確かに面白いと思ったのに、今読むとそこまででもない。何故だ。時間を置いちゃ駄目だったか。上下本は続けて読みましょうといういい教訓になりました。
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一つの策謀があれこれと波及して色々ごちゃごちゃしています。
一件落着はしたけれど、前途多難だな・・・。