扇舞う 1 (幻狼FANTASIA NOVELS K 6-1)

著者 :
  • 幻冬舎コミックス
3.76
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344816893

作品紹介・あらすじ

隣国・今居家の侵略により父と兄を失い、十二歳という若さで応義家当主に就くこととなった祥三郎。居城を今居の軍勢によって包囲され、もはや絶体絶命という状況の中、幼い祥三郎は、引退したかつての応義家軍師・長坂藤兵衛に助力を願い出る-。はたして祥三郎は応義家再興の悲願を果たすことができるのか!?幼き当主の戦と成長を描いた、駒崎優渾身の戦国譚の幕が上がる。

感想・レビュー・書評

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  • こういう話は、やっぱたまんねえ!!!
    魂に沁み入るというか、ひたすら好み。
    駒崎さんとは、ほんと、つくづく趣味がぴったり合いすぎて困るわ(笑)
    主人公の必死さも、美形氏の主を想う気持ちも、主君換えしたあの人の罪悪感や躊躇いも。
    確と受け取りました。

    1とついているので、まだ続くんですよね。どうなっていくのか、ものごっつわくわくです!!

  • 時は戦国。城は今にも落とされようとしていた。父兄を殺され、十二歳で跡目を継ぐことになった少年は、最後の希望としてかつての名軍師を頼るが……。
    おっもしろーい。主人公がいたいけなだけどもろくない少年なのがいいですねー。軍師様も渋くてよろし。いろいろな立場の人間がでてくるので飽きませんでした。ライトノベルというよりは、時代小説ですが、普通に楽しめると思います。私はかなり気に入り。おすすめです。

  • 戦により、12歳で当主となってしまった少年。

    年が年、とはいえ、戦国時代で12歳ならば
    もうちょっとで成人。
    と考えても、結構おとなしい感じの主人公です。
    ここぞ、という所は当主としての威厳が出てますが
    純朴などこにでもいそう、です。
    これが当主、という意外性はばっちりですw

    少人数の供と、協力者を増やしてみたり
    かくまわれてみたり。
    色々画策していい方向に進んでましたが
    まさかの綻び、もあったりで、暗転暗転。
    そもそも口止めって、どこから理解して
    実行できるものなのだろうか、という謎が。
    無理そうなら…という処置をしなかった事を考えると
    大丈夫と踏んでいたのか、子供特有の自慢したい、か。

    最後には、ものすごい選択をしてますけれど
    どうやって陸にたどり着く所存でしょう?w

  • 自分もオリジナルの戦国モノを創作していたので『どんなもんかな~?』と参考の為&表紙買いしました。
    戦国の小説とか資料とか少しは読んでたんで、「あれ?さっき言った事と矛盾してないか?」など初っ端から思いましたが、まあ深く気にしないで読みました。後書きで作者もファンタジーと言ってましたし。
    手堅く面白い!!ですが、地味です。登場人物もいいですが、地味です。わくわくする場面もあるし、少年&おっさん好きには嬉しい本なんですが……。
    でも藤兵衛さんがかっこいいので、続きは読みたいと思ってます。

  • 12歳にして応義家の生残り当主祥三郎と、(元)軍師長坂藤兵衛と、家臣たち、海賊のかしら鬼丸、、、キャラクターは数多いが、それぞれ特徴がはっきりしてるので読みやすかった。でもみんな活躍が物足りないかな。盛り上がりももうちょっと欲しかった。他の作家さんと比べては申し訳ないが、海戦は海洋冒険ものにはかなり見劣りしてしまうし、対峙シーンも他の時代物のほうが手に汗握る緊迫感が、という感じ。

    続きものなので祥三郎の成長に期待。キャラクターもどれも良いので今後の活躍に期待!

  • 評価は★★★と★★の間ぐらい。続き物で盛り上がりに少々欠けたため。
    フィクションな戦国ものだった。敗走から始まったので、これからどう勝敗を覆すか、どんな風に成長するのかが見所になるのだろうな。

    こういうの読むと軍師になりたくなる。『孫子兵法』とか『十八史略』とか好き。名軍師に共通してるのは極限まで動じないことかな。むりだー。
    あと、あとがきに吹いた。

  • 戦国物ではありがちだが、戦によって主君が倒れ、残された少年が藩主となり、残された家臣たちとともに再興を目指すという物語。

    わずか十二歳で主君となり、急展開する毎日に怯えながらも自分が主君であること、主君たる力がないこと、けれど主君をやめることはできないことを自覚し、一生懸命考えながら生きている祥三郎が可愛くて溜まりません。祥三郎の家臣の息子・利助も父を心配しながらも、自らも主君に仕える身であることを自覚して頑張っているのを見たら、涙が出そうになる。

    今の子供のように好きな職業を選べない代わり、彼らは生きることに一生懸命で、くだらないことに迷わない。

    ファミレスで食事の途中でテーブルを離れて走り回り、他のテーブルに迷惑をかけるような子供を見ていると、ただ手放しで甘やかすことが子供のためとは思えない。
    TPOをわきまえない行為を子供が許されるからといって、それで子供のためになる訳ではない。将来子供のために必要なしつけを親がしなければ、子供はいつ誰にそれを習うのか。
    そうしたことの積み重ねが、子供が本来伸ばせるはずの能力を損ない、夢を持たない青少年にしてしまっている気がする。

    こういう一生懸命に生きている子供の話と出会う度に、今の子供の親は「子供だから許されること」≠「子供に教えなくていいこと」を履き違えているように思えてならない。

    なおタグにファンタジーと入れたのは、作者があとがきでそう言い切っているからである。私は戦国物に精通していないので気にならなかったが、もしかしたら時代考証にそぐわない表現があるのかもしれないということである。

  • これは面白い!うなったよ。
    売れているのも納得。
    読みやすくて、サクサク読めました。
    文章は上手いし、ムダな描写はないし、キャラは生きてるし。
    十二歳の主人公がカワイイね。思わず応援しちゃう。
    海賊もカッコよくて、いいモチーフ。
    プロフィールみたら、史学科卒なのでニホン史が専門なのかと思いきや、西洋史だそうで。よくココまで書き上げたな。

    この人のあとがきが究極に良くて。
    体力の大切さや、時代小説は史料的に面白い作品かファンタジーとして面白い作品なのか、ということ。
    「歴史学とエンタメは違うものなのです」「時代考証?知ったことか。エンタメなんだから面白いものが勝つんだよ!」だそうです。

  • 戦記もの独特の分かりにくさや、遠まわしな雰囲気作りはなくて良かった。ただ、やっぱり人間関係は分かりにくいし、登場人物が多い。1巻ということで、登場人物の紹介が主だったのが残念だ。
    伏線ばら撒き段階で、展開のカタルシスがないのはしょうがないのかなあ。戦争のカタルシスは、充分だと思う。ハリウッド好きの私なんかは若干物足りないが、1巻からカタルシス過多だとこれから大変そうだしな。
    逆に言うと、1巻からカタルシス過多にしなくても読者がついてくるだけの実績を駒沢さんは積んだ作家になったんだなあと思うと、何か胸にくるものがある。

  • 2009/07/21読了。
    アルスラーン戦記×SAMURAI7。
    どちらかが好きな人にもどっちも好きな人にもお勧めです。
    お約束なので、滅亡寸前まで追い詰められて、唯一人の跡継ぎが隠居した軍師をひっぱりだしにいきます。
    意外と、男性陣より女性陣の行動の方が面白かったし、武士より海賊の方がかっこよかったり、一般的な戦国ものとは違う展開がすてき。。
    ただ、軍師が24才で隠居して15年間引きこもってた理由が、主君の娘の幼妻の死って…ナイーブ過ぎるだろ!とはつっこまずにはおれなかった。いや…きっと、更に隠された理由がこれから判明するに違いない。

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