痕跡師の憂鬱 2 (幻狼FANTASIA NOVELS H 6-2)

著者 :
  • 幻冬舎コミックス
3.09
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344820258

作品紹介・あらすじ

レウとクロムウェルが出会ってから一年が過ぎ、個人的に会う機会も増えて二人の距離は狭まりつつあった。クロムウェルの友人のダストン・キャヴァリエとも知り合い、錬髄術の存在を知ったレウは錬金術研究棟に案内される。後日、密室殺人が発生するその場所に…。「語らずの先生」と呼ばれ、魔術の使えない痕跡師のクロムウェルと新米魔術師レウが難事件を解決していく異世界ファンタジー第2弾登場。

感想・レビュー・書評

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  • 「オコーナーさん……君って奴は……」


    錬髄術という造語、その辺りの説明をイキイキしているキャバリエ先生が光っていた…。造語なのでストーリー的にも当然説明が必要なシーンなんだけども、楽しそうな雰囲気があって読んでいてワクワクした。伏線も丁寧に置かれているのでとても分かりやすく読みやすい。オコーナーさんのサッパリしてるけど裏が暗そうなところも好きです。オコーナーさんもっと、頑張って、出てこい……。

  • ラブコメ部分が進展しているようで良かった。密室殺人事件だけど、何だか事故として扱われる方が自然な気がする。前作ほど全体に伏線が張られているわけではないし「それって不自然なの?」って感じる部分も。

  • 色恋に始まり色恋に終わった感じ。みんな冷静になれよ!と言いたくなる。
    レウ視点なのでやはり彼女に感情移入できずに置いてけぼり感があったりすることもしばしば。
    クロムウェルの話はもっと読みたいんだけど、このままあまり掘り下げられないのかな?シリーズ続くならまた読みたい。

  • 題に痕跡師とありながら、痕跡師が、その能力を全く使わなかった。
    おもしろい設定と思って、二作目も読んだのにがっかり。

  • “「や……やっぱりふざけてます!だって事件なんですよ!?それもおそらく殺人事件です!
    クロムウェル先生は“痕跡師”じゃないですか。なのに、気分が乗らないなんていい加減な言葉で捜査を拒否するなんて――」
    レウの怒声は不意に響いた笑声によって中断させられた。クロムウェルが笑っていたのだ。それも、ククク……とでもいうような意地の悪い笑み。これまでにレウが見たこともないような暗い笑みだった。
    「何を言ってるんだい、レイシアくん。君が言うように僕は“痕跡師”だ、≪なのに≫ではなく≪だからこそ≫僕は気分が乗らないなんていい加減な言葉で拒否することができるんじゃあないか」
    「……っ!」
    そう……そうだった。
    (中略)
    それをレウは知っていた。
    知っていたはずなのに、それでもクロムウェルは操作に協力してくれると信じていた。
    いや、違う。
    自分に協力してくれると信じていた。”

    シリーズ二作目。
    今回は、錬金術の関連する密室での事件。
    前回から舞台は一年と経つのに、レウとクロムウェル先生は相変わらず……うう、そこが楽しかったり。
    浮き上がって沈んで、レウの一人での葛藤とは、少し何か辛くなるけど。
    クロムウェル先生の行動の真意は掴み難い。
    事件の真相、また深かったなぁとか。
    また続編、出てほしい。

    “「い、いいんです。やっぱり、あの時はわたしが悪かったんですから……」
    「そうかい?そう言ってくれると助かるよ」
    ほっと安堵の吐息が聞こえてくる。しかし、その後にクロムウェルは、なぜか突然落ち着かない様子でそわそわとし始めた。
    「そ……それでね、レイシアくん。昨日、メアリも言っていたのだが――」
    ゴホンゴホンと、幾度かわざとらしい咳払い。
    「君さえよければ、また食事を作りに来てくれないだろうか……?」
    力霧<ミスト>に覆われていても分かる。
    きっと今、クロムウェルの顔は真っ赤に染まっていたことだろう。

    レウの返答を語る必要があるだろうか。”

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著者プロフィール

「平井骸惚此中ニ有リ」で富士見ヤングミステリー大賞〈大賞〉を受賞し、デビュー。

「2017年 『先生とわたしのお弁当 二人の秘密と放課後レシピ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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