翼の帰る処 3 ―歌われぬ約束― (下) (幻狼ファンタジアノベルス)

著者 :
  • 幻冬舎コミックス
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344820760

感想・レビュー・書評

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  • 主人公ヤエトは、北方ルス公ライモンドと会談することでいったん危機を脱する。しかし、北嶺国は北方と同盟を結ばざるを得なくなる。強大な力を持つがゆえに幽閉されていたラ=ヴルスの幼女ルシルと会い、友となって、来る破滅の日にともに戦うことを約する。一方、皇女は、皇帝の勘気を買った第4皇子を庇うという危ういことになっていた。そのために、ヤエトはルーギンとともに皇帝に会うが、魔物たちを捉えている蓋が開きそうになっていることを告げても、あまり信じていそうもない。
    この蓋が開きそうだということが、これからの物語の展開のキーポイントなのだろう。ラ=ヴルスや風に捕まえられていた南方の男アトラスなどがこれから大いにかかわってくるのだろう。やはりファンタジーの世界なのだ。まだまだその全容が分からないというか、世界観の理解は難しい。

  • 今更ながらに、この本のタイトルの意味が自分の中でしっくりきた。
    ヤエトは皇女の翼であり、色々なことがあっても最後に翼であるヤエトが還る処は皇女の居る場所。
    どこかへヤエトが出かけるたびに、皇女が「無事に帰ってこい」と言うのが腑に落ちたというか。言葉に出すことは念じることであり、それが力になるから。
    魔法とは言葉であり、名前であることというのが主題のひとつのお話だったから、題名について今更納得したのかも知れない。

    世界の罅についても少しずつ謎が明らかになってきた。
    ルシルやアストラの存在も気になり、今後の展開が待ち遠しい。

  • 安定の面白さでした。

    まだまだ続きそうですね!
    解決、というよりは
    これを機として
    石が転がっていくのかな、と。

    きっとヤエトは
    「知るかボケ」を口に出す事なく
    終わるのでしょう^q^

  • 皇帝の命に従うか否か、いなくなった商人をどう探すかどうか。
    …の前に倒れてしまっていますが。
    とりあえず、王からの指示は辛うじて守れた、という感じでしょうか?w

    いやもう色々たらし込んでるような気がしてなりません。
    守備範囲広いな~とか言ったら、違います、と反論されそうですが。
    意図せず友人をげっとしてしまった状態ですが
    またこれは次回とかに効力を発揮しそうな繋がりです。

    皇帝にしては、驚きの真実が出てきましたし。
    王とはまた約束事が増えてますし。
    己で首絞めてるような感じが、ものすごくします。
    もう、これ以上約束増やすと、切っても切れないどころでなく
    切るってどうやって? な状態に。
    要所要所の、鳥馬鹿一直線なのも面白かったですw

  • (No.11-63) ファンタジー「翼の帰る処」シリーズ3です。上・下巻をまとめて書きます。

    内容紹介を、表紙裏から転載します。
    『望んでもいないのに四大貴族の一角〈黒狼公〉に出世してしまったヤエトだったが、その隠居願望と病弱さは変わらぬまま。どこで倒れたのか気がついたら、皇女のいる北嶺国で看病されている始末だった。そんな折、ヤエトは前の〈黒狼公〉妃であった皇妹から「復縁」を提案される。激しく動揺するヤエトに追い討ちをかけるように、宿敵・北方蛮族の使節が北嶺国を突然訪れ、相互和平のため人質交換を要求。

    皇帝の策略によって罠に陥ったヤエトは、ルス公当主ライモンドと対面し、逃亡した商人を引き渡すよう要請する。要求は受け入れられたものの、無理がたたって倒れてしまうヤエト。からくも北嶺に戻るが、皇帝の策略を阻止するため、ヤエトは無理をして再び北方へ向うことを決意する。それを決断させた裏には〈過去視〉の力で出会った謎の少女・ルシルの願いを聞き入れたいという思いがあった。』

    3の上巻が出たのは一年前。下が出たら続けて読もうと取っておいたら、なんとこんなに間が開いてしまいましたね。でも出ないよりは良いけど。
    もうこうなったら最初から読み直そうと、6冊全部通して読みました。至福の時でした!

    今回は主に北方とのいざこざです。北嶺と北方はこの物語が始まった時からすでにきな臭い関係でしたね。北嶺は帝国の外れですから、北嶺にとっては帝国より北方の方がずっと近いわけで。
    地理的に近いほど、両国の緊張は高まるのは世の常。北方にとって見れば、帝国の一地方だった北嶺の地位が昇格して、国として認められたのは脅威なはずです。

    またもや魅力的な人が新たに登場しました。志願して人質になってやってきた北方の公子レイランドです。特異な育てられ方をしたルシルも。前回から登場しているアルハンのファルバーンもたくさん出てきてくれて嬉しいこと。

    この物語には敵味方とも(あるいはどっちか分からない人も)癖のある人物がたくさん出てきますが、それぞれ背景というか奥行きがあって生きて感じられるのが良いと思います。ストーリーを進めるための駒にするために作った人物というのは、私は好きではないので。

    どうやら4巻も上・下巻になるようなのですが、上巻と下巻の間が一年も開くという今回のようになるのを防ぐため、下巻の見通しが立ってから上巻を出版することになったとか。これは・・・、次は相当待たされますね、覚悟しなければ。

    まあともかく書き続けてくれた作者に「ありがとう」と感謝。

  • ヤエトさんはあいも変わらずよく働く。隠居したいと言いつつもぶっ倒れつつも。

    北方でのゴタゴタは半分くらいは解決した、のかな。しかしまだまだ明かされていない謎も多いような。

    で。次巻が出るのはいつなんでしょうか。

  • 思惑の絡み合いが導く先へ。

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