リナリアのナミダ―マワレ― (幻冬舎ルチル文庫)

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  • 幻冬舎コミックス
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  • Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344823723

感想・レビュー・書評

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  •  信号機シリーズの作品。
     今回はちょっと大人な二人の関係の話でした。

     佐光正廣は不運が重なり、三年連続で美大受験に失敗した後、アート系の専門学校に入学した。
     仮面浪人をしつつ、再度美術系の大学への進学を考えているが、さすがに四日目ともなると周囲の理解も得られず、腐った日々を送っていた。そんな佐光に売店店員・高間が声をかける。些細なきっかけから2人の交流が始まって――という話でしたが、こういう説明だととてもほのぼのした話に見えますが、実は全然そんなことありませんでした。
     佐光の受験の失敗は殺人未遂レベルのやばやばの事件だし、高間の引きずっている過去の男はとんでもない男でド重だし、なんかすごい二人だなあって思うんですけど、そういう過去も含めて「全部好き」って言っちゃえる関係性がすごくいいなあって思いました。
     佐光はそういう過去を引きずらない高間に「変態」とか「変わってる」って言われていますが、それを「芸術家としては誉め言葉」って返せてしまう軽やかさがとても好きです。なので物語の中ではいろいろなことがとてもドロドロと起こっているけれど、一切陰鬱な気分になりませんでした。
     これもまたキャラクターの魅力、ひいては作者さんのすばらしさかなと思います。

  • 信号機シリーズ、三回受験に失敗して専門学校に入学した佐光、その学校の売店店員の高間。このシリーズの中では結構ヘビーな内容かな、でも一番好きかも… 荒れてはいても高間と関わっていくうちにちゃんと自分で前に進もうと頑張れる真の強さを持ってる佐光、高間の過去を知っても「記憶も過去も全部俺のもんにする。どうあっても消えないもんなら、それごと、ぜんぶもらう」 こんなセリフ言えちゃうのがたまらない…

  • オレンジ組がちょいちょい出番あり

  • シリーズものですがいろいろぶっ飛ばしていきなりこれ。
    結果、他のも読まなきゃダメじゃん!!(笑)
    いろいろ気になる部分はありますが、エロいのでヨシ。

  • いやー…ひたすら、主人公・佐光の成長が面白かった作品でした。
    前巻でちょこっと出ていた時は、
    一体どんな話になる子なのかと思っていましたけども!

    珍しく、主人公が年下・攻めということで、シリーズの中でも
    かなり頑張ったのでは!と思ってしまいました。
    1巻目が、もし冲水視点だったとしても、ここまでではなかったはず。なんせ、相手がとっても大変ですからね…。

    これまた、なかなか重い過去を背負っているので、
    成長する佐光に対してついていけないというか、
    同じテンションではいけない高間がまた切なく…。
    とりあえず、佐光がカッコいい!

  • 崎谷先生の本は古いのも新しいのも読んでいて、中でも信号機シリーズはお気に入りです♪今回は内容がヘビーだと前ふれがありましたが、それ以上に、見たよりもずっと大人なふたりの激しい熱情に焦がされました。続編もあるようなので期待大です!

  • 重い前髪が似合いすぎている高間さん、可愛すぎる。一瞬平凡っぽそうだけど落ち着いていて色気がありまくりです!
    ねこ田さんの挿絵で高間の刺青シーンが見られるなんて幸せww

    あと途中に出てきた佐光のお兄さんの恋の行方が気になる!

  • 受けが苦手。
    あとは可もなく不可もなく。

  • 信号機シリーズ第六弾。


    攻め:佐光正廣
    受け:高間一栄


    3浪して専門学校に入学した佐光は周囲と自分とのレベルの差にクサっていたが、何かと話しかけてくる売店の店員・高間と出会い…。
    高間は表面からは想像出来ないくらい凄惨な過去があるらしい…。



    もはや、信号機シリーズというより専門学校シリーズと言った方がいいのか?的な。
    攻めも受けも、相変わらず過去が凄い。トラウマもここまでくれば凄いけど、他の崎谷先生・トラウマ作品ほどは重苦しくないかな。
    高間が面倒見が良くて、途中からお母さんみたいだった。
    ネタバレだけど、受けの陰部周辺に彫られた刺青の柄がリナリアという花だったというのがね、淫靡だった。の、割りにはエロさは崎谷先生比としては少なかった気がする。


    余談だけれど音声化するなら、キャストは
    中井和哉×平川大輔さんで聴きたい。

  • 割りと重かったけど、良かった!恋愛面は物足りないかなぁとは思ったけれど、それ以上に内容が深くて楽しめた!攻がちょっと情けない感じで荒れてたり、殺されかけたりとかなり受けに甘えてる部分はあったけれど、冷静に物事を考えられる所があってそれもまた良かったです。受の事は謎だったりするんですよね。過去について彼が死ぬまでの事は書かれているものの、後のお話はないから他彼を取り巻くお話っていうのも読んでみたいです。次はお兄ちゃんのお話読みたいなぁ。かなり重いものを持っているし、話に出てくる彼と上手くいくといいな

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著者プロフィール

小説家。3月16日生まれ、九州出身。
1998年、『楽園の雫』でデビュー。
ブルーサウンドシリーズ」や「白鷺シリーズ」「グリーン・レヴェリーシリーズ」など、多くのシリーズ作品を生み出したほか、漫画原案なども手掛ける。代表作として『トオチカ』など。

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