サクラ咲ク (リンクスロマンス)

著者 :
  • 幻冬舎コミックス
4.27
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本棚登録 : 171
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344824430

作品紹介・あらすじ

高校生の頃、三カ月の間行方不明となり、その間の記憶を無くしてしまった早乙女怜士。明るかった性格から一変し、殻に閉じこもるようになった怜士の前に中学時代に憧れ、想いを寄せていた花吹雪先輩-櫻木と再会する。ある事件をきっかけに、怜士は櫻木と同居することになるが…。

感想・レビュー・書評

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  • 『忘れないでいてくれ』のスピンオフです。
    本編の評価としては★3つなのですが、装丁に対して
    ★追加。
    お亡くなりになられた朝南さんへの追悼の意を込めて
    イラストなしでの出版という勇気。
    表紙の美しさにまず惹かれます。
    シンプルなんですが、この装丁すごく好き。

    内容については、前作でまるで仙人かなにかのように
    語られていた花吹雪先輩と、中学時代先輩に憧れて告白
    したけども玉砕した受の偶然の再会話です。
    予想していた人物と花吹雪先輩があまりに違っていて、
    色んな意味で驚かされました。
    博愛主義っぷりが突き抜けていて、まるで宇宙人を見て
    いるような気分に……。
    そして受が過去に起こった事件によって非常に卑屈な
    性格になってしまったわりには、異常にキレやすく
    暴力的だったりと、最後までふたりの性格設定に
    乗り切れず終わった感が……。
    2段組にがっつりあったので、乗れないまま読むと結構
    しんどかったのですが、前作に登場する3人組に和み、
    何とか読了。

    この主役二人の性格を受け入れられるかどうかで評価が
    分かれる作品だと思います。
    個人的には前作の受が非常に好みなので、登場するたびに
    ニヤニヤしてました。
    今回もトラウマ受ではありましたが、事件の最後が意外な
    展開でその点については良かったです。
    あれは花吹雪先輩じゃなくても予想できないでしょう。

    朝南さんのイラストがあれば、きっともっと楽しめたと
    思うと残念でなりません。
    レーターさんの威力は凄いですね。
    私のような乏しい想像力の助けをしてくれ、作品の世界観を
    より豊かなものにしてくれるのだと、改めて感じました。

  • ☆忘れないでいてくれ のスピンオフ。永眠された朝南かつみ様への追悼本のためイラストなしとなっています!!(感動)


    一部過去の記憶がない怜士。憧れの先輩(通称・花吹雪先輩)と再会することにより恋心が再燃する。マイペースで人間的な感情に欠けている先輩のわずかな変化や、怜士がトラウマを乗り越えられるかどうかの事件に胸がやられてしました ( ; _ ; ) あぁ…せつない。
    花吹雪先輩でなくても怜士のあの行動は読めませんでした。真実ばかりを求めたがった先輩。
    良くも悪くもあの経過があってのラストだと思えました。
    「サクラ咲ク」…とっても素敵でした (*^ ^*)

  • 面白かった!
    読んだことある本のスピンオフとは知らず、レビューを見て「買わねば」と購入。大満足です。

    御曹司でマジシャンの自由人×元後輩で職を失ったゲイの青年。

    上下2段の新書本はボリュームもあり、それだけでわくわく♪
    桜吹雪先輩という人の名は、リンクしている作品『忘れないでいてくれ』で名前だけ出てきたわりには意味深なキャラで、とっても気になってました。それだけに期待も大きく、がっかりだったら嫌だな~・・・とか、ちょっとドキドキしながら読み進めて・・・一気に読み切りました!

    会社が潰れて東京に帰ってきた受が、何年も会ってなかった憧れの花吹雪先輩に再会して・・・と、受目線でお話しは進みます。
    受が過去に巻き込まれた事件がお話しのベースになっており、ストーリーとしてはこうなんだろうな~と読めるのですが、この花吹雪先輩と呼ばれた男が、ほんと空気読めないというか、大物で、一筋縄じゃいきません。
    「僕は魔法が使えるんだ」とか言ってマジックを披露し、周囲を驚かすことが何より大好きな先輩は、博愛主義者すぎて報われる気がしません。

    受の純粋な好意もまるで意に介さず、奔放すぎる言動や振舞いに驚かされ、っていうか、この男、恋人にするにはひどすぎるんじゃ・・・受、やめとういたほうがいいよ・・・と、読みながらも軽く引く始末。
    でも!
    それだけでは終わりません。だって夜行さんだもの♪
    魔法使いはいたんです!!

    本当に素敵なお話しでした♥

  • 「忘れないでいてくれ」のスピンオフ。チラッと登場してたミステリアスな花吹雪先輩のお話。すっごく良かった!怜士の失われた3ヶ月の記憶の謎と、櫻木先輩と再会してからの2人の日々等、怒涛の展開に引き込まれました。夜光さんの書かれるこういうサスペンス系すっごく好き。やっぱり怜士の記憶は辛いものだったし、彼の先輩への想いからの自害行為は衝撃的で…!一命を取り留めて本当に良かった;;辛い展開もあったけど、櫻木先輩の掴みどころのない不思議な人柄や、怜士の一見大人しそうだけど、キレやすかったりネガティブだったりいじらしかったりするギャップが何ともツボでした。忘れないで~の面々、特に清涼にからかわれてるシーンも好きでした。
    そして何より、朝南さんのイラストでの2人が見れなかったのが残念で仕方ない。。

  • 高校で行方不明になったがその記憶がない早乙女怜士が29歳になった時、中学の時に憧れ告白した先輩の櫻木拓海先輩に出会う。
    『忘れないでいてくれ』で興味をそそられ、スピンオフがあるといいなと思っていたのでうれしい作品でした。
    ちょっとウルッとさせられました。

  • 受けの人魚姫的な立場と思考が結構好きなのねワタシ。
    だからこのストーリーは好きだな。 
    男子高校生のような(色気がないw)二人のお布団シーンは初々しくて可愛くてちょっと切ない。 
    そして前作のメンバーもちょいちょい出てきてお得感w

  • 前作がすごく気に入っていてスピンを購入♪ 花吹雪先輩はちょっと想像していた人物像とは違ったけれど、お話は受の過去に一体何があったのか! というキーポイントが気になって入り込んじゃったけれど、ちょっと辛い過去でしたね・・・。

  • ここの、怜士の心理描写は物凄い臨場感だった。うがった言い方をすると、トラウマがどうのこうのと散々煽るのは、トラウマが吹き飛ぶほどに相手の事を愛している、と言う「深さ」のメモリとしてトラウマを利用している様に感じる時がある。それを当然読者も期待して読むわけで、やっぱり駄目だった、としつこく書かれると、話を引き延ばしたいだけなんじゃ…と言う気にもなってくる。当然、怜士がそう願うように、トラウマを払拭し抱き合える事を期待しつつも、あれだけ「トラウマがあるんだ!」と煽っておいて、えらくあっさり乗り越えたな、では、やっぱBLなんだなぁ…と言う気持ちも出てきたりするが、怜士が最後の賭けに出る気持ちで勇気を振り絞り、如何に花吹雪先輩と体を重ねることが出来るだろうか、と言う最終案として、交換条件を振りかざしたところからの下りの臨場感が何とも言えず面白かった。
    ふと思い立つのは、花吹雪先輩が実在したと言う事。いや、正確にはフィクションの中の人間が実在する訳はないんだけど、清涼と塚本の話の中だけに居る夢の様な存在、って感じがしてたから、ああ言う、子供の様な好奇心を持つ人物に書きあげた夜光さんの素晴らしさよ…品構成は『忘れないで~』と非常に似ている。だからどうだ、とかどうでもいい、好きな相手に触れて貰う喜び・緊張・不安・快楽・恐怖、そう言う怜士の気持ちの臨場感が素晴らしかった。怜士の心の波打つ感じが手に取るように伝わってきた。

  • キツイなあと思う内容もあったけど、全体では良かった。櫻木って途中結構酷い奴だなと、ちょっと思った部分も。星は3と4の間くらいだな。

  • 「忘れないでいてくれ」のスピンオフ。前作は一段だったのに、今回は二段組でボリュームがありました。
    前回イラスト担当していた朝南かつみ先生への追悼の意を込めて、イラストなしになっています。でも、ちゃんと頭の中では朝南センセの絵で再生されて、驚きました。イラストなしにしたことで、偲ぶことができてよかったと思います。

    前作で噂のオトコだった花吹雪先輩が登場します。主人公は清涼の同級生だった怜士です。
    こちらの怜士も、過去の失踪事件によりトラウマに悩み苦しみ続けているというのが、前作と似通っていて困惑しました。
    トラウマに苦しむという設定が作品に頻繁に登場してくるので、混乱するというか。
    でも、花吹雪先輩―――櫻木がかなりの不思議キャラで、しかもすごくカッコよくて、引き込まれました。

    夜光センセらしいミステリー仕立てになっていて、怜士が記憶を失っていた間に起きたことが少しずつ明らかになっていきます。怜士は、ゲイだと自覚しつつも接触恐怖症なんです。なので、29歳だけどまともに誰かと付き合ったことがありません。失踪事件が原因なのではと、うすうす気付きますが、原因究明は案外すんなりいかず思ったより複雑な展開。
    そんな怜士は、かつて恋焦がれていた櫻木と再会することによって救われていくのです。

    櫻木がいいんです!もう、なんて鈍感。でもなんてやさしくてイイ人♥
    その上、魔法使いなんですよ。沈んだ心に笑顔を蘇らせる素晴らしい技を持っています。
    櫻木の感性はとてもぶっとんでいます。常識で測ってしまうと淡白で薄情な人では?と失望してしまうのですが、実はあふれるほどの愛情の持ち主です。本人も自覚がないようですがww
    なので、櫻木と怜士は時に食い違い、時にぶつかってしまい、焦れ焦れさせられました。
    Hシーンでの怜士の想いが切なかったです。測り知れない不思議ちゃんに翻弄されまくりな怜士です。

    でも、二人のやりとりにはクスッと笑わせるものもあって、力の入るストーリーのところどころで脱力できました。後ろ向きな怜士に、櫻木の妙にあっけらかんとした言葉遣いではゼッタイ気持ちが伝わらないよね~と思いつつ…

    二人の、というか櫻木のずれっぷりに呆れつつも、その根底にはゆるぎない愛が感じられたのがよかったです。重いテーマだったのに、超天然な櫻木にほのぼのさせられたのでした。

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