ファンタスマゴリアの夜 (幻冬舎ルチル文庫)

著者 :
制作 : 梨 とりこ 
  • 幻冬舎コミックス
3.67
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本棚登録 : 183
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344827530

作品紹介・あらすじ

父の跡を継ぎ、貸金業を営む束井艶は、同窓会で幼馴染みの永見嘉博と再会する。小二の頃、人気子役だった束井はある事故をきっかけに仕事を失い、なぜか似合わないワンピースを着た永見と出会った。学校でも浮いた存在の二人は友達に。小五のとき、永見に突然告白されて振ってしまった束井だが、中学、高校と成長するにつれ惹かれていき…。

感想・レビュー・書評

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  •  束井艶は幼いころ、キッズモデルとして活躍していた。
     けれど、とある事故からキッズモデルの仕事を辞めざるを得なくなる。
     そんな時に出会ったのが、雑貨屋にいた永見嘉博だった。
     決して女らしいとは言えない見た目の永見は、店番をしながらワンピースを着ていた。それを不思議に思う束井だったが、実はそれには理由があって……と。

     そんな訳アリの二人が出会って惹かれあって、離れて、再開してくっつく……という話でした。
     永見は早々に束井が好きだと自覚をしたけれど、束井はなかなか自覚ができなくて紆余曲折。

     そんな二人でした。
     男前の二人がお好きな方にはぜひ、オススメします。

  • マネキンのような肢体で転がった青年の
    懐から浮浪者が財布を抜き取る、分厚い札束と
    主人公の名前をしらせる免許証。
    BLらしからぬ、サスペンス風味あふれる
    すばらしい出だしに胸掴まれた。
    ぶかぶかのワンピースを常に着ていながら
    トラジェン予備軍でもない駄菓子屋の
    店番をする少年と、美貌の子役スターの出会いから、
    学生時代と、疎遠になってからひょんなことで
    再会するふたりの物語が転がるところ、
    時間軸を自在に動かしながらも、混乱させないように
    構成させたストーリーが、みごと。
    氷見が大事にしている走馬燈と、落下のときに束井の
    瞼に浮かんだふたりの思い出。
    色々と工夫された細部と脇キャラのチャーミングさも
    ニコニコして読んだ。
    エロエロモエモエのボーイズラブか、っていうと
    ちょっと毛色違うかもしれないけど、
    わたしの砂原さんベストは「言ノ葉ノ使い 」なので、
    どんどんこの系統でお願いします。

  • 束井と永見、どちらも環境がゆえに大人びた子供だったけれど、大人になるにつれて子供の頃には表に出せなかった子供然とした感情が所々見え隠れしていて、それを文章で伝えられる砂原さんの文章力に脱帽です!
    個人的には、妻田のその後がすごーく気になりました。あの艶ちゃんが慕っているくらいだから、ステキなヘルパーさんになっているんでしょうね!

  • 束井艶(つかいえん)と氷見嘉博。幼馴染もの。

    ファンタスマゴリアは走馬灯と言う意味。このファンタスマゴリアに描かれている模様の通りに話は進んで行くので、可愛らしい感じなのだけど、艶は街金業を経営しているので少し血なまぐさい系なところもある。

    天使、エンジェルだった艶。天使の子役だったが大瀬良のおかげで、人気は地に落ちてしまう。そこからは冷めて自分の感情を殺して取り立ての日々。

    ところどころ…「うーん…変だな」と思いながらも読んでしまった。ツッコミどころはあるけれど艶と氷見の距離感が縮まっていくところがよい。

    あとがきではもっと違う着地な予定だったと書かれていて、ブレみたいなところは砂原さんの葛藤の証でもあるのだなぁ…と思った。

    艶の逃げっぷりに毎回「あ~あ~…」とハラハラしていたけど、最後は逃げなくって無事に掬ってもらってホッとした。

    「勝手に消えられて待つ方の身になって考えたことあるか?」と言う、静かに一途な氷見が好きだなぁ。

  • 艶と永見の幼馴染み再会愛、父親の後を継いで街金になった艶、辛くて痛くてでも会社を続けてきた訳を思うと胸が痛くなりました… 最後に永見に叫んだセリフが艶の諦めた物の大きさを物語っていてホント切なかった。永見の想いがずっと変わらずにいてくれて、艶を受け止める事のできる器の大きい奴なのも良いですよね。最後にいくにつれてミステリー風な展開にもドキドキしたし、引き込まれるように読み終えてしまいました。

  • 朝のゴミ集積所で死体然として倒れているところをホームレスに発見されるというスリリングな出だし。
    ファンタスマゴリア(走馬灯)をモチーフにして、時間軸を交差させながら過去の出来事が走馬灯のように巡っていく手法は見事。
    子供時代、人気子役として名を馳せた束井。
    自分に群がっていた人間達はほんの些細な出来事で手のひらを返して牙をむく。自分自身は何ひとつ変わっていないのに。言われもなく自分に向けられる憎悪。
    チヤホヤしていた世間の論調が一転バッシングに転じるその呆気なさを、束井はなすすべもなく受け止めるしかなかった。
    元人気子役は街金の社長へ。はたから見たら、束井の人生は面白おかしい転落人生だ。
    アイドルになり損ねた夢を息子に託す母のため、会社がヤクザに乗っ取られそうだと息子に泣きつく余命わずかな父のため、この会社がなかったら生きていくあてもない従業員のため、束井の人生はいつも誰かのためだ。
    その整い過ぎた要望がマネキンみたいだと揶揄されても、無表情で何を考えているかわからないと陰口を叩かれても、束井自身が何も感じていないわけではない。
    そんな束井を、幼なじみの永見はいつもありのまま受けとめてくれる。時に露悪的ですらある束井の、目に見えない心の揺らぎをきちんと拾ってくれる。
    束井はいつも最後には永見を求める。束井にとって永見は行き先を見失った自分への道標みたいに夜空にたったひとつだけ瞬く星。
    その心の裏側にあるのが何なのか色恋沙汰に疎い束井はずっと気付けない。
    小五の時に、お菓子のおまけみたいに脇へ放り出してしまった幼すぎる永見の告白を、今でも大事に胸の奥底にしまってある理由すらも。
    永見がもう少し強引に踏み込めていれば…。束井がもっと早く自分の本心に気付けていれば…。10年超の両片想いにもっと早く終止符が打てたのにな~と思う。
    ここまで壮絶な片想いをしていながら、初エチが超なし崩しだったのは個人的に残念。やっぱり幼なじみ10年愛は両想い後に満を持して…が醍醐味かなと勝手に思うww
    束井を支える街金の専務妻田とのどこか親子めいた関係がすごくよかった。

  • サスペンス要素があるとは予想だにせず。
    飛び降りじゃなくて焼身自殺だったらバレなかったかも…って普通に読んでしまいましたw
    ベランダにカラスとかゴミ袋とか、一瞬スリラー?ホラー?で砂原さんはたまにファンタジーぶち込んでくるので油断できない。

  • 再読。攻めがゲイで子どもの頃から受けを想っているのがドツボ。受けはその綺麗さ故に運命を歪めさせられる男とも出会ってしまうんだけど、普通にないとは言いきれないシチュに肌寒い思いがしました。梨とりこさんの表紙も秀逸。砂原さんの作品でイチ押し。

  • ……嫉妬と執着は怖いなぁと。
    結局そのことが昔も今も二人を結びつけることになったんだけれど、やっぱり怖い。そこばかりが心に残ったね。
    この先はバカ甘に幸せになればいい!受けは嫌がるだろうけれどw
    そして、全部読んでから表紙を見るとキュンってなるね。

  • 幼馴染みで再会ものっていう大好き設定なんですが、束井の過去が壮絶でなんかフツーの再会ものじゃない感じでした。束井も永見もすっごい好きになりました。永見のベタぼれーっぷりも良かったです(^q^)表紙がすごく素敵でファンタスマゴリアにまつわるお話も素敵でした。

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