ぼくのスター (幻冬舎ルチル文庫)

著者 :
  • 幻冬舎コミックス
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344827912

作品紹介・あらすじ

ほとんど学校へ行かず、アイドルオタクに勤しむ侑史。そんな推しメン一色の日々に、芹沢航輝と名乗る同級生が踏み込んできた-曰く、高校生活最後の一年は楽しく過ごしたいのにまだ顔も知らないクラスメートがいると気づいてやってきた、らしい。明るくかっこよくて直向きな航輝に気圧されるようにして、怖々と足を踏み出した侑史だけど…。

感想・レビュー・書評

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  • 2021/05/16-05/18

  • 一穂さんは思春期の焦燥を描くのがとても上手くて、あとがきを読んでいても「あの頃」の感情をとてもやわらかに優しく胸に留めているのかな、と思わされます。
    在宅ドルオタで半引きこもりの侑史が強引な性格のクラスメイトに無理やり教室へと引き戻され…から始まる青春物語。
    小さなつまづき(年頃の子には心を揺るがす大事件)に身動きを奪われていた男の子がキラッキラのまばゆい輝きを放つ男の子に手を引かれての成長物語という構造はハートの問題のヨウを思い出します。そういえばレーベルいっしょ。
    すごく真っ当でよい青春ものでキラキラしてるがゆえに、この友情はいつ恋愛になり、セックスで結ばれたいとなったのか正直よくわからないや…。
    とはいえ、「妹に囲まれている」シチュエーションでの初めての濡れ場がとてもよいのです…。

    主人公たちふたりだけではなく、「ほたるん」の兄への葛藤、親友が煌びやかな世界へと羽ばたいていってからの変わらない親友たちの態度など、等身大に生きている子達みんなが優しくていとおしくなります。

  • 高校生同士、駆け出しの俳優・航輝×半分引きこもりのドルオタ・侑史。侑史にとって「アイドル、ほたるん」の存在意義、引きこもりになった理由とが切なかった。ずかずかと自分の領域に踏み込んできた航輝と関わって変わっていく侑史に頑張れと思いながら読んでいました。久住や羽山もとても良い子たちで爽やかな読後感です。侑史が航輝に惹かれていく過程も丁寧でしたし、高校生らしいもどかしさや勢いがとてもかわいい2人だった。

  • 一穂さんの学生もの、堪能させていただきました!好きだなこういうの。芸能人という派手なキーワードがありながらも物語自体は平凡な学生が一人のクラスメートに徐々に惹かれていくという至極まっとうな流れで、地味な話ながらもとても楽しめました。また一穂さんの学生もの、読んでみたい。

  • 羽山と久住がいい友達!
    最後はその印象しか残らなかった……
    何故だ?!

  • アイドルに夢中な在宅オタク。TVや雑誌で満足しているオタクのこと。学校はいったり行かなかったり。せれでも、暇な時は勉強をしているので、成績は結構上位。
    そんなある日、いきなり家に上がり込んできて、学校に来いと見知らぬ生徒が…その生徒の顔を見て「ほたるん?」と夢中になっているアイドルの名前をつい言ってしまう…

    う~ん小刻みで読むのに時間がかかってしまいましたが、始めはほたるんの話が永遠とあり、その時点で読む気力が…取り敢えず10日位かかりましたが、読み終わりました。

    これが感想?(笑)

  • 4人のやりとりが可愛かったな。

  • 半ひきこもりでアイドルオタの侑史の前に突然現れたクラスメートの航輝。話したことすらないのに勝手に部屋まで上がりこんで来たこのクラスメートは、クラス全員揃ってないとさみしいしみんなでちゃんと卒業したいーなんていう手前勝手な理論を展開して、あれよあれよと言う間に侑史を強引に外の世界へと引っ張り出してしまう。
    国民的アイドル『ほたるん』だらけの侑史の部屋を見て『キモ』などと物事はっきり言ってのける航輝の口調には、でも、1ミリの悪意もない。単純に思ったことを言っただけ…風の正直さに侑史も不思議と腹が立たない。
    訳もわからないまま毎日学校へ連れ出され、放課後も頻繁に部屋にやってくる航輝に侑史は困惑する。どうやらクラスでも目立った存在らしい航輝がどうして自分みたいなオタクにかまうのか、戸惑いながらも侑史は航輝の半ば強引な訪問を受け入れていく。
    でも種明かしはすぐにされ、学業の傍ら駆け出しの俳優でもある航輝は次の役作りのため、ひきこもりである侑史を観察したいのだと言う。
    理由がはっきりして安堵する侑史は、航輝のペースに引っ張られ、次第に航輝のいる世界に溶け込んでいく。
    航輝の方でも、初めこそ興味本位だったことは否めないけれど、侑史の繊細なやさしさ、真っ直ぐさに安らぎを覚える。侑史はちゃんと自分をわかってくれる。
    侑史の言葉には嘘がないから。その言葉はいつも誠実だから。口から紡ぎ出されるモノと心のうちとはいつもきっかり同質だから。
    俳優てしての注目度が上がるにつれ、次第に騒がしくなる周囲。気の置けない幼なじみ達のあえての無関心も心地よいけれど、航輝はやっぱり侑史の言葉が聞きたいと思う。
    冒頭では、こんなふたりが一体どうやってお互いに恋愛感情を抱くのだろ…と思っていたけれど、案外スルスルっと恋愛にシフトするまで違和感なく読まされてしまった感じ。恋愛スイッチはなんだったんだろうな、とふと思ったりする。ふたりが潜在的ゲイだったって言うならふんふんと納得なんだけど。お互いがお互いを認め合って惹かれ合ってるのはよくわかったんだけど、ノンケ同士が誰よりも大切な友達を踏み越えて、恋愛対象に至るまでのプロセスがうすらモヤモヤ~としたまま、うまいこと読まされちゃったな。
    航輝が実は国民的アイドル『ほたるん』の実兄で、兄妹がお互いに抱いているコンプレックスみたいなモノとか、まだ駆け出しの兄の伸びしろが脅威なのだと、そんな兄に勝ち逃げしたいという妹の切実な心理とか、結構良かったな。
    航輝の普通にかっこよくて、そのことに気負ってなくて、時に子供っぽく拗ねたりするとこかわいくて悪くなかった。
    青々しいキラキラっとした話でした☆

  • 10代…まぶしい…。一穂さんの筆力の高さには本当に毎回感服いたします。
    10代のみずみずしさと無邪気な残酷さをBLというジャンルで明確に出されて震えています。
    あの頃の自分だったら絶対に感じ得ない大人になってからしか感じられないノスタルジー。
    ううう、身悶えます。

  • 高校生同士の爽やかさが眩しかった(≧∀≦)駆け出し俳優×ドルヲタ。侑史がドルヲタになって学校に行かなくなった理由とか、なさそうでありそうなリアル具合とかがすごくツボでした(*^^*)先輩と私のCMを通して気持ちを考えたりとか上手い(≧∀≦)友達の久住と羽山や御両親がとても素敵な人たちでした。是非大学生編とか社会人編を同人誌で…ヾ(∀`*)(*´∀)ノしかし三人暮らしで良いのかwww

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著者プロフィール

2007年作家デビュー。以後主にBL作品を執筆。「イエスかノーか半分か」シリーズは20年にアニメ映画化もされている。21年、一般文芸初の単行本『スモールワールズ』が直木賞候補、山田風太郎賞候補に。同書収録の短編「ピクニック」は日本推理作家協会賞短編部門候補になる。著書に『パラソルでパラシュート』『砂嵐に星屑』『光のとこにいてね』など。

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