やさしいやちよ (バーズコミックス ルチルコレクション)

著者 :
  • 幻冬舎コミックス
3.84
  • (5)
  • (13)
  • (6)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 91
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344829183

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 猫シリーズの番外編、同人誌「はじめてのヨコシマ」

  • ■やさしいやちよ

    「スカしている」と遠巻きにされる転校生の秋野に、
    唯一優しく声を掛ける八千代。
    家が貧乏でも頑張っていつもにこにこしている八千代に
    しだいに惹かれていく秋野。

    秋野が誰の言葉にも惑わされず、
    八千代の優しさ・強さを理解して
    その上で惹かれているのが良かったなぁ。
    秋野も優しい子ですね。

    ■やさしくないやちよ(描き下ろし)

    なるほど、子供には男同士がチューする
    発想がないわけですね…!
    お風呂で夢を壊す八千代に笑ったw



    ■あをいあらし

    転入生・吉森と委員長・山口。
    オープンゲイとクローズドゲイの話。

    開けっ広げな吉森も
    心に秘めている山口も
    少し痛々しくて胸が苦しいです。

    でも、お互いの存在が救いになります。
    辛いこともあったけど早めに出会えてよかったな~。

    山口のビー玉のような涙が綺麗で
    はにかんだ笑顔が愛おしかったです。


    ■とをいあらし

    吉森が不幸にしてしまった先生。
    どうなったのか心配していましたが
    それなりに幸せになっていて安心しました。

    あんな目にあわされたのに自分が悪いって
    考えてる先生…めちゃくちゃいい人。
    そんな人だから吉森も好きになったんだなぁ。

    吉森のその後をそっと目にして
    ちゃんと区切りをつけられた最後の描写が
    控えめだけどすごく胸に来ました。
    素敵な奥さんを大事にね…!


    ■猫を探して

    片思いの相手に偶然出会い、
    ラストチャンスだと思って
    「猫を探している」とうそをついて
    一緒にいる時間を引き延ばす話。

    も~、可愛いんですこれが…!
    そして徐々に分かってくる両想い。
    めちゃくちゃニヤニヤします。
    どちらも好きになったきっかけは
    吹けば飛ぶような些細な出来事なんですよね。

    やはり男同士の壁は存在して、
    「大変なんだな 男同士って
     触るのに一年かかった」
    と言うのがほろ苦くて好きでした。


    ■猫よりかわゆい

    遠恋中の二人。
    不安になったら即会いに来てくれる
    高山くんが男前で素敵だった!!
    沢木1号もかわゆい。
    物理的な距離は変わらなくても
    心の距離は少し縮まって微笑ましいです。


    ■猫と手とって

    相手の躊躇が自分も躊躇させるって分かるなぁ。
    このカップルのいいところは、
    相手をちゃんと尊敬してるところです。
    実は沢木にリードされていると思う
    高山のモノローグがすごく好き。

    朝チュン程度だけど初エッチ!!
    これはドキドキしましたね~。


    ■パンドラの箱

    ここまでほっこり系の話でしたが
    これは病んでます。
    ものすごく計画的な執着攻め。
    この話は「2年3組の面々」に繋がります。


    ******

    見過ごしてしまいそうな小さなエピソードを繋いで
    細やかな心理描写でお話を綴られています。
    傷にならない程度に軽く爪を立てられているような
    ピリピリとした痛みが癖になってくる作家さんですね。

  • 初読み作家さん、短編集です。どのお話もかわいくて、でも寂しさや、同姓を好きになる葛藤をしっかりと書かれていて良かったです。「猫をさがして」のお話が面白かった。沢木くんがかわいい… ただラストに持ってきた「パンドラの箱」でやられた。これはきました… 短いお話ながら今まで読んできた話しをすっ飛ばす勢い、この世界観好きです。

  • 初めて読んだ三崎汐さん作品。 全体的にピュアピュアしてて可愛らしい♪ そこらに居る男子たちって感じの地味さ加減も好感度高かった(笑)

    一番良かったのは『猫』シリーズ。 というか、他の作品より話数が多くて満足。 どの話もキャラたちが可愛くて、もっと読みたい!って思う(見た目のかき分けは物凄い微妙…) 猫シリーズの優&譲の兄弟が可愛すぎるので、このシリーズで一冊読みたかったなぁ(≧∇≦)

    しかしラストの『パンドラの鍵』はショッキング。 内容が、というかこういう作品も描くのね三崎さん…(´・ω・`) というショック★
    でも他作でも、何気に(頭の軽い)男子の残酷さとかも描かれてたな。 ピュアだけでも居られない思春期のリアルさよ。

全4件中 1 - 4件を表示

三崎汐の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×